military sleeveless / Diary285
15.7.2016

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しかしながらリアル・ミリタリーピースにあらず。その実は、ファッションの歴史や文化の独自解釈に長けたデザイナーによる、コンテンポラリーでポストクラシカルな 90s ピースです。

明確なスタイルがありながらも着用例が簡単には見つからず浮かばず、オーセンティックなようで底知れず際どく、でありながらも直感的に引き寄せられてしまう。そんな自身のワードローブとして“ 選択する行為そのもの ” が既にスタイルに成るファッションアイテムに私はどうしても惹かれてしまうのですが、どれだけ感覚と視野を研ぎ澄ませていようとなかなか出逢えるものではございませんので、今回の旅でも即断即決の一つでした。

私にとっては自然体の一着ですが、お人によってはモードであったりハードであったりアウトサイダーに感じられるかもしれません。いずれにせよそこはかとなく漂う品の良さを確信犯的にさりげなくお楽しみ頂けましたら、何より嬉しく思います。

 

Newarrival.

 

 

SURR by LAILA 福留

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旅の跡 / Diary286
21.7.2016

想いを馳せ、郷愁を抱き、また想いを馳せる。 “ 旅 ” が育む様々を挙げるときりがありませんが、その中にはファッションやスタイルも含まれており、自らを移動させるという行動そのものが、服飾の文化やモードの歴史を発展させた大きな原動力の一つではないかと私は考えます。
土地によって異なる食、水、空気。言葉、空間、人。そして文化に対する好奇心や、経験への探求心は育ちや国籍に限定されることなく、性別や年齢に囚われることのない共感覚ではないでしょうか。今回の買付けの旅では、そんな “ 旅そのもの ” に出逢い、恋に落ちました。

 

 

 

R4278246

メゾンは、ハイソサエティな人々からの要望を受けこれまでに多種多様な旅行鞄を生み出してきました。大人が楽に入れる特大サイズや紳士の全ガーメンツを一挙に収納できる特注仕様、中には靴一足やハット一つを収納するためだけのトランクなどバリエーションは見事に富んでおり、それら様々な需要に応える行為そのものも、メゾンが積み重ねてきた歴史の一つと言えます。彼らが旅先に赴くにあたって、旅行鞄はポーターと呼ばれる人々の手で持ち運ばれることが定石でしたが、こちらは、それらとある意味逆をゆく一品です。

 

 

1950年代フランスの鞄職人によって創られた、道中を自身の足でまかなう “ 徒歩旅行 ” のための特殊鞄。普段以上の機能性が求められるからこその、アウトポケット配置やレザーストラップの合理的な利便性と、それに伴う機能的デザインとその水準には感動致しました。いわゆるアウトドアの分野も歴史を重ねるごとに高機能素材などが開発され発展してまいりましたが、この当時に活用できる素材を用い実現できる限りの職人技術を尽くしたからこそ、自然な佇まいの中に現代では恐らく思い付けない、見ることの出来ないディティールデザインが満ち溢れております。

何より、 ( あくまで現段階において ) こちらを完結させているのは、過去所有者が歩んだ “ 旅の跡 ” 。
ドイツのシュパイヤー、オランダのデルフト, ロッテルダム, アムステルダム, ハーグ, ホーランド、ギリシャのパトラス、そしてフランスのセット。旅で訪れた各地特産のワッペンが醸し出す、ランダムでありながら統一感のある佇まいは過去所有者が実際に歩んだ歴史と経験あってこそで、ゆえに私はこうも心が沸き立つのでしょう。

旅での出逢いや別れ、発見, 驚き, 時に戸惑い、何よりロマンやノスタルジックやアドヴェンチャーの全てが詰まった “ 旅そのものの具現化 ” 。こうして沸き立つ感情は同じく共感覚として感じて頂けるのではないかと信じて、連れ帰ってきた次第です。

 

 

 

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Newarrival 1950s France, walk travelers bag.

このようなタフ・バッグは、これまでにセレクションしたことがありません。好んでいないわけではなく避けていたわけでもありませんが、カジュアルなバッグパックが市民権を得て充実している現状において、単純に純粋に自分のフィルターを通してセレクションしたいと思える物がなかったのです。

しかしながらこちらは違いました。一目で恋に落ち読み解いて魅了されましたので、基本的に直感に基づく即断即決を信条とする私にとっても最速に近い決断。この感情を経験できた瞬間に、10数時間のフライトは報われます。

 

 

SURR by LAILA 福留

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silk short sleeve / Diary284
13.7.2016

独自の抜け感と共に、時に鋭さを、凛々しさを、美しさを、妖艶さを表現してくれる、SURR にとって欠かせない男性的なショート・スリーヴの新作をお披露目させて頂きます。
今期は昨年以上のバリエーションが叶いまして、60年代~90年代にかけての様々なベクトルがございますが、私にとっては全てが ( 時に無作為的な ) 色気を感じるピースです。

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今回の旅では幸運にも、メゾン・ヴィンテージによるシルクの一着に出逢えましたので、御紹介させてください。

 

 

 

 

 

1960年代頃の不特定多数によるライフスタイルがきっかけとなって発生したサイケデリック・カルチャーは、即座にモードにも大きな影響を与え、現代に至るまでも定期的に注目されてまいりました。時にヒッピースタイル、時にフラワープリント、時にボタニカルなど様々な言葉で形容されておりますが、最終的にどのようなスタイルで表現するかはデザイナー ( 仕掛ける側 ) 次第。

 

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80年代ムッシュのシャツ部門による本品は、毒々しいに力強いテキスタイル・デザインとダンディな色調と、最高に際どいエレガンスによるリラックス・ラグジュアリーな一着。オーバーサイズでありながらシャープな出で立ちと、デザインとして認識させてくれるほどに美しいドレープは、見慣れているそれとは一線以上を画す上品さです。
アイテムの特性上限りなくミニマムな構築である中での、ニット・カラーというにくいほどに抜群なオリジナリティに “ Yves Saint Laurent ” という看板の意義を感じます。

 

 

 

 

 

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80s Yves Saint Laurent , silk short sleeve shirt

例えば半袖シャツを着ない方にも、ボタニカル・テキスタイルが苦手な方にも、シルク未経験の方にも是非一度お試し頂きたい逸品です。
旅から戻って以降、日々新作をお披露目させて頂いておりまして、このように順次じっくりと御紹介させて頂けたらと思っておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 

 

SURR by LAILA 福留

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