本年もきたる時節に向けて、様々なお品をセレクションさせて頂きました。
男性においても女性においても、なかなか手を伸ばす機会ときっかけがないものの、身近にあると空間や時間が豊かになる様々というのが、きっと沢山あることと存じます。身に着けるファッションピースはもちろんのこと、それ以外のベクトルにも目を向けて頂きたく、ご提案したく、それにより充実した日々をお過ごし頂きたいと切に願う SURR としての “ for Christmas ” を本日よりお披露目致しておりますので、機会ございましたらお気軽にお立ち寄りくださいませ。
皆様方と向き合わせて頂くこの生業は、常に素晴らしい瞬間の繰り返しですが、中でも特別に想うのは “ 贈り物選びを共有させて頂く時間 ” です。誰かが誰かを想い時に頭を悩ませたり、時に光栄にも共に熟考させて頂くのは、本当に掛け替えのない、混じり気無しに美しい時間だと心から想い、常に濃密な幸せを感じさせて頂いております。
もしも、もしも、大切な誰かへの贈り物としてお選び頂けましたら、心より嬉しく想います。
for Christmas collection by SURR
話は変わりまして、これよりちょっとしたお知らせ。
人知れずひっそりと新たな要素である小林店長を据え、店舗編集の舵取りを彼に一任してから早くも3ヵ月が経ちました。
私はヴィンテージの解釈や提案は多角的であればあるほどに面白いと常々考えておりまして、また、店舗という空間が主に携わる人間によって “ 変わる ” という変化に対して、恐れではなく面白味を抱く人間です。もちろん “ 変わる ” ことによって ( 仰仰しい表現ですがシンプルに申し上げますと、 ) 失われる要素はありますが、それ以上に得られる新たな要素や可能性は尊いものであり、何より ( これまた 〃 ) 永遠に変わらないものはきっと無いと考えておりますがゆえ、 SURR の設立と同時に、いずれは自分以外の誰かに店舗という空間を託したいと考えていたからこそ、諸々の状況を経て SURR の在り方を改めさせて頂いた次第です。
年代も違えば育った街も酒や食の好みも、本や音楽の嗜好もネクタイやブローチの好みも、 ( おそらくは ) 女性のタイプも口説き方も異なる小林店長と私。異なる 2 つの感覚器官がある今だからこそ出来ることは何か、新たな要素は何かを考えましたところ、まず “ 合同企画 ” という編集に辿り着きました。
近いうちにお披露目させて頂きますので、また異なる SURR の在り方として僅かでもお楽しみ頂けましたら嬉しく思います。
Size 44 の奴に負けて年を越せるものか。
負けも何もありませんが、とにかく負けてはいられません。
楽しませて頂きます。
SURR by LAILA Size 48 の福留
03-5468-5966
[email protected]
//
弊店に携わる人間は私を含め2名。
両者とも日常は医療的な目的以上に眼鏡を愛し、夜は酒を愛飲、そして足下は9.9割革靴を嗜好。
今回は上文3番目に位置する嗜好品に焦点を当てましょう。
お互い「何故」という疑問符を投げ合ったことは御座いませんが、十中八九類似の領域にて自覚があるはず。
スニーカーが歩きやすいというのは自明の事ですが、革靴を嗜好する者ならば誰しもが口を揃えてこう言うのでは。
「恰好が良いでしょう」
歩数を重ねる分だけ顕著に表現される唯一無二の皺、インソールが沈み時間をかけて足形にフィットする感覚。
全く磨かずヘビーデューティーな使用こそ革靴の本域、いやいや1ヶ月に1度は必ず磨きをかけます、いつでも女性と食事にいけるように。
合わせるソックスの厚さと色、わたしは真っ白なスポーツソックスを。ぼくはウール地のチャコール一色。
シューレースの太さ、カラー。レザーソールかラバーソールか、ゴム底で機動性を重視か。
生産国、メーカー、職人、木型、各々が何を嗜好するのかセレクトするのか、十人十色の面白さ。
アウトソールが減ってきたらリペアを繰り返し生涯の相棒に。それぞれの1足に20代、30代、人生の想い出を。
履く度に思い返し、もう一度改めて面を撫で、そして今日も履く。
“革靴”と偏に言いますが、一番個性が出る履物であるとわたくしは理解しております。
古来よりその人なりを見極めるにはまず足下を見よ、とはよく言ったものです。
本日エントリーしますのは今回フランスの地で出逢いました仏製3足と米国製のあのメーカー。
1点1点密にご紹介しますと皆様の貴重な夜のお時間を長拘束し兼ねませんので、
各所カットとクレジット、そして凡庸性の証明で参ります。
とはいえなかなかのカット数(これでも相当絞りました)ですので心してどうぞ。
70s J.M WESTON triple sole full brogue
現行生産でも続いている70年代の銘品。
トリプルソールに屈強なウェルトは水への圧倒的な耐性。
フルブローグでありながらも、ステッチとパーフォレーション、トリプルソールとシューメイキングの特徴全てを集約させたウェストンの傑作品。ここまでヘビーデューティーな仕様は、記憶する限りトップクラスの位置に君臨するのでは。
70s J.M WESTON Jodhpur boots
本品も現行生産されている伝統的な銘品。
1枚革のアッパーに対し長めのバックルベルトをワインディングする仕様。
歴史が裏付ける製法だけあり、その包み込まれる履き心地に驚かれるはず。
わたしもその1人。
70s J.M WESTON side gore boots
ご周知の方も多いはず。言わずと知れた銘品、仏製のプライドの結晶ともいえるでしょうか。
ウェストンのサイドゴアブーツは1枚革で仕上げられており、ノーアイレットと艶のある極上のカーフレザーは作品のような佇まい。勿論、ヘビーデューティーなご使用を推奨します。
70s Alden tassel loafers
私は革靴と車を時はたまに同一の目線で例える事があるのですが、
この場合も同様、“車高”の低いアッパーに、タフネスな革質、そしてタッセル仕様。
色のあるソックス又は厚みのあるソックスを合わせ是非とも冬の装いに。
最後に前述の通り、凡庸性の高さを証明しましょう。
いつものジーンズか、季節柄ウールのトラウザーか。お好きなほうでどうぞ。
本品々は明日、12/3より店頭にて。
それでは皆様のご来店を心よりお待ちしております。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
//
ウール 90% とポリエステル 10% による明るいブラウン、爽やかなベージュ、繊細なパールグレー、そしてブラックとオフホワイトのネップコントラストは、80年代初頭のイタリアンデザイナーによるダンディかつ挑戦的なハーモニー。技巧的なハイネックとドルマンスリーヴによる構築性と、 “ ただ大きいサイズを着ている ” のではなく “ オーバーサイズとして練られたオーバーサイズ ” による空間使いと、締めるべき部分は締めるコントラストが緻密な計算によって成り立ち着地したパターンメイク。
これらによるスタイルはとにかく秀逸で、飾らずに表すとしたら うめぇなぁ で、ニットでありながらニットの枠には収まらず、シンプルな着こなしでありながらそう成らない存在感を発揮してくれ、人と人との繋がりによってこの一着と出逢えた想い出、それはここでは、そして今はまだ明かせないストーリーですが、その想い出含めて私にとって特別であり、その想い出を差し引いてなおスペシャルなニットです。
とても想像させてくれます。
ドルマンスリーヴは男性的な目線において正統的と言い難いはずなのですが、この一着の成り立ちであれば自然と受け入れることができるかつ、広大なダンディズムすら感じさせてくれます。首回りを優しく包む込むハイネックによって、物理的にも感覚的にも “ 抜け感 ” を演出してくれるのですが、一かけらもだらしなさが無い。締めるべき環境では締め、その必要が無い環境ではリラックスする、自身の心の TPO のイニシアチヴをしっかりと掌握した大人 ( 年齢的な意味合いではなく ) にこそ、パズルのピースのようにぴったりと収まるのではないかという想いが、それに準じる様々な想像が止めどなく沸き立ちます。
ealry 80s Gianni Versace technical wool knit
私の杞憂かもしれませんが、そうであれば嬉しいのですが、上記を筆頭に同時代を台等するイタリアンデザイナーに対して、一つの共通するイメージを既にお持ちで、それは触手を伸ばさせないイメージである方がいらっしゃるようにお見受け致します。が、信念を胸に僭越ながら申し上げさせて頂くと、彼らのデザインに対しての考え方、クオリティに対しての向き合い方と実行力は、特に紳士服という分野において感服するほどに見事。
私自身の骨格に合うのが以前からイタリアンデザイナーに多いという事は差し引いてなお、大いなる刺激と楽しさを提供してくれる確かな存在であり世界。その文化的な発展や特性、美意識や哲学もこれからの SURR で編集していきたい要素の一つです。
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
[email protected]
//