Antique woolと四川料理の箸休め / Diary618
5.11.2018

 

 

構築的なテーラード又はコートを注視するようになったここ数年、しっかりとした其れ等を着たい欲に駆られて今も生きておりますが構築的でしっかりとした其れ等をしっかりとしたフィッティングバランスで街中でしっかりと着る、がしばらくのテーマとなっているわけでありますので、成立しそうな個体を目にすると動物反射的に動いてしまうのは身体より心が先ず。メゾンの構成,英国軍の美しさ,サルトリアの色気、あるいは現代モードにも範囲網を敷きながらハウスならではのマテリアルは露出させたくはない天の邪鬼心と、カルチャーや文化や国柄が明瞭に視える内容も避けて参りたいのは粋なこだわりではなく捻くれたわたくしでして、そうは謂いながらも悩み悩んでいるわけではないが、実のところ時は同じく数年前よりひとつの回答が既に出ている、にもかかわらず範囲網をスクイードしている明快な理由が、コンスタントに出逢えない、に尽きる上、フィッティングが合わない、となると、いよいよあっというまの生涯の内どれほどの機会とどれほどの幸運とどれほどのチャンスに恵まれるものかと寝る前とか洗濯物取り込む時とかパスタを茹でてる時に憶うわけです。厳格な基準とわがままな欲求を満たしてくれる【Antique】という区分。

 

 

 

最近しっかりとしたコート着たいんだよね、とぼやく福留を横目に辛いものが食べれない彼を四川料理屋に連れて行くタクシーの中、確か1年と少し前、こうも伝心していると気持ちが悪いとは正直なところ、コートを着たくないと言っていた数年前を知っていたので、今ですか、と返し、なにか最近買い物したか→した、と他愛もない上司と部下の会話を運転手に披露したところで目的地に到着。彼は一口食し、静かに箸を置いておりました。

 

ある程度の男性的肉体が備わっている/備わっていないがAntiqueを愉しむにはマストファクターと思われるも実のところそんな事は重要ではないと申し上げたい明瞭点が 御仕立て である事に尽き、整合的で合理的な近年の生産システムとは真逆に在った1930年以前の其の世界は、ひとりの男性/自身のために仕立てる が紳士にとって正しい行いで、生地から織り上げる、1ではなく,0から100を生む、もブルジョワにとっての人生行為なわけでありまして(今も変わりはないと憶いますが)ミッドセンチュリーから近代にかけて発達した生産環境や新しい基準や規律やルールから生み出されたテーラードの骨組み、あるいはより良いとされる生地の提供、いずれも素晴らしい発展区分と理解に及びまして、しかしながら,だからこその相違点を述べれるのは 生地 と フィッティング/アプローチ で御座います。当時の織り機でしか生産できない生地はヴィンテージ/ツイードと同義、湿気を吸わせたウール地こそ目がぎゅっと詰まり,基本的に “とても強い” に限定できるほどヘヴィデューティに向き合える、雨にも打たせて頂ける、タフに付き合える、今現在では再現不可能と謂われる明確な魅力点と憶います。此の特異的な生地をそのままAntique woolと呼ばせて頂いてますが、それに加え、構築的で立体的なメイキングながらパッティングが仰々しくないナチュラルな見栄えと包み込まれる確かなショルダーフィッティングを基底に “肩に乗せて着る” が正解とされるアプローチ、以上をすごく美しいとして90年代、アンティーク・テーラードにペンキコーティングを施して発表したMaritin Margiela氏の提案も説得力のあるものでした。

 

上記マテリアルがくたくたの革靴にジーンズでも成立する証明点であると理解しながら、そのカジュアルエンドまで受け入れるかどうかが前提論として重要であり、仮にそうと分かればこの上なく至極と憶うのです。マイフィッティングのアンティークテーラード/コートを着れるなんて如何に贅沢な事か、今後の人生がどれほど豊かに憶えるか、数年前タクシーの中でひとつの回答が既に出ていたのはわたくしも福留も密心でおそらく、そんな大切な事を運転手に聞かせるわけには参りません。

 

 

 






 

 

Antique woolと謂えど千差万別存在するものと憶い、今までご提案させて頂いたAntiqueの其々も全くの同個体はなく、同類は有り、基本的に粗野で荒々しいテクスチャーを魅力としながら、スーパーグレードブルジョワ紳士が御仕立てされた事を前提としないとしてもあまりにも素晴らしいファブリック・タッチを実現している本作1900年代初頭の生地は繊維が細い原毛を綿密に織り上げたようなネップと力強さと良質が伺える同年代の中でも 上澄み とご認識頂いて差し支えない品質であり、集合的で整合的な4つ釦、チェストフラップ、小さく設計された襟型、アームフォルムの美しさ、カーマインレッドの裏地、懐中時計を収めるウエストポケットに常用品を差す事の重要性、コスチュームにならない全体のプロポーション、脇までしっかりとジャストフィッティングを成すコートがどれほど暖かなものかと,フィッティング伊44の者だけが着用を許されるコンパクトフィッティングとの出逢いがどれほど貴重な経験かと語気を強めてお仕舞いと致します。

 

 

 

 


early1900s British bespoke horse riding short coat

 

Antique woolの区分は現在本作に加え,1920sドイツ製テーラード、1900年初頭フランス製テーラードの布陣。
宜しければ。

 

 

 

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French maison collections / Diary617
2.11.2018

 

 

 

 

French maison collections
1960s-late90s
high quality pieces
11/3(土)12:00〜

 

 

 

 

 






New arrival late90s Yves Saint Laurent rive gauche velvet set up suit

 

 

 


New arrival 70s Yves Saint Laurent rive gauche textile silk shirt, brown&mint

 


New arrival late80s-early90s Yves Saint Laurent rive gauche military style cotton shirt

 

 



New arrival late70s Yves Saint Laurent wool tailored jacket

 

 


New arrival early80s Guy Laroche only cashmere chesterfield coat, fabric by Ermenegildo Zegna

 

 

 


New arrival 60s Pierre Cardin tweed blouson

 

 




New arrival late60s Yves Saint Laurent rive gauche all wool Knitting, big stole

 

本作に関しましては弊店初となる同社60年代を更新することが叶った個体であり素晴らしきニッティング,カラーコントラスト,純然無垢な道具として真正面から御対峙頂ける超然的求心力と初見検分も不必要なほどの圧倒性とタイミング叶えば日を改めてシャッターを切らせて頂きたい心持ちと恐らく今後ご提案する事は限りなく不可能に近い個体である事、誠に僭越ながら、触れて頂く行為すらひとつの財産として御査収頂けるものと存じます。最後に、ギ・ラロッシュ氏,サンローラン氏,カルダン氏の軌跡とフレンチ/プレタポルテ初頭の衝動と表現と声明と訴えと情熱と願いを、衣服を通じて御伝え叶います事を、こゝろより光栄に憶います。

 

何卒、宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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Comming soon French maison, ただ一向な感動と / Diary616
1.11.2018

 

 


 
maison という世界の Pret-a-porter という枠の Men’s clothing という区分において商業的参入及び“其の枠”の拡散に一躍を担ったのがピエール・カルダン氏によるPierre Cardinであると私は憶っておりまして、オートクチュールから始まったモードと先駆者達が切り開いたストリームの中心にどっしりとポジションしている事に疑いはまるで御座いません。1950年後期〜1960年代のプレタ参入初頭、自由表現であるはずの其の枠の,其の区分ではクチュールの名残が渦巻く提案は今や賛美に値する詳細と憶いますし、当時女性服が主役であり今現在でも常に主役である / 女性を美しく魅せるため / であるはずの自由表現は謂わずもがな、上述は極めて紳士的でありプレタ参入当初のMen’s clothingであるして有る服飾史の片鱗とも憶いますが、そうでありながら同年代、クチュールの名残や片鱗も魅せず,モダンアプローチと自由表現の取捨選択のみがマテリアル主要要素として注がれた構成事実、当時でこそ前衛的であった其の姿勢、常に未来を視ていたPierre Cardin総指揮ピエール・カルダン氏の証明を差し置いて語る歴史は御座いません。

 

私が弊社販売業に携わらせて頂いてから vintage という世界の maison vintage という枠の French maison という限定性の Men’s clothing を目にした瞬間から片時も離れずして記憶に中枢部位の深いところに刻み込まれたメモリアルページもまた1960年代ピエール・カルダン氏によるPierre Cardinから送り出された1着のブルゾンである事実も未だ失われていない私の大切な財産です。ただ一向な感動を憶えた御縁は、2年と25日前の事。最初で最後と憶い,目に焼き付けた詳細のひとつと、最初で最後であろう懸念を他所にも,目に焼き付いて離れてくれない其のひとつが、背/全面に施されたアクションプリーツに御座います。生地が潤沢に使用された詳細より先ずアームの可動域やスポーツシステムを心得た構成が純真なブルゾンとしての機能を果たしますが此の巨大なプリーチを設ける意義など美的見地と審美性、フレンチ/モードの最前線でエンジンをかけ続ける同社自由表現の結晶である事実の他に、一体なにがあろうものかと。

 

 




 

 

Comming soon French maison

60s Pierre Cardin tweed blouson

 

同年代区分ピエール・カルダン氏によるPierre Cardinとの再会は、個体差異はあれどバックシルエットを視界に捉えてから僅か数秒,然りであろう在り在りとした手応えと、ただただ一向な感動を憶えたに尽きる邂逅で御座います。其の2年と25日前の感動と11月1日19:07ドイル・ブラムホールIIの新譜が流れる今この瞬間まで一切失われていない感動をじっくり綴れた事、vintage という世界の Pret-a-porter という区分の French maison という編集枠に此の1着が在ります事、ただ一向に、嬉しくてなりません。店頭販売至上主義者の私にとっても。御披露目は 11/3 ( 土 ) 12:00 。心より宜しくお願いを申し上げます。

 

 

 

 

 

 

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& comming soon French mason , 60s rive gauche
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