その先、視た事はお有りでしょうか / Diary680
28.2.2019

 


 

耐水性と物理的強度に著しく特化した組成創案および 生地 への熱視を送り続ける頑な姿勢は英国王室直属陸軍/空軍/海軍いずれにおいても分かりやすく表出されるマテリアルと存じますが分かりやすく表出されるマテリアルでありながらあまりにも美しい創出提供は他国には決して馴染めない英国王室直属軍=Royal army独特かつ極めて特質的な性質と存じまして、そのうえ生地創出に留まらず製造背景におきましてもテーラーハウスおよびスポーツメイカー並びに民間企業が請け負っていた事実過程も他国より傑出した性質ないし大いなる特有性と認めましたら “ 世界一美しい軍衣 ” と称される理由など御姿に一瞥を与えるだけで十分で御座います。

 

 

 

狭き深き太き軸で御座いますRoyal armyも狭き狭き区分で御座いますゆえ極めて男性的で紳士服における,紳士服飾史における重要位置を占めることは謂うまでも御座いませんで、提供配布されていた其々がファッション・モード / クリエイターの巨大な資料として確定される事実跡をラン・ウェイで視認する点と点でありますが遡及すべき点と点は 生地組成 と 御仕立て を線で結べるマテリアルで御座いますゆえ耐水性と物理的強度に著しく特化した ラバーコーティング / コットン の旨味が存分に発揮されていた1940年代英国王室直属海軍=Royal nevyにおきましても決して見逃せず、あまりにも有用的で在ったため生地転用として英国国鉄員へ向けた提供まで波紋は及び、英国某社においてはフランスへ輸出されていた事実背景も御座います程、素晴らしき,美しきラバーコーティングと存じますが、著しく特化された耐水性および物理的強度ゆえの異常かつ桁違いな ハリ と コシ を感取する初期段階、硬さとキメ細やかさ、背筋が伸びるような直線的なフォルムを目に致しましたら偖、その先の御姿成り形とは一体如何なる様子で有り得ようかと軟弱な頭で簡易的な想像図を思い浮かべましたらたった一語 劣化 という終着駅はラバーコーティング製造手法に起因するかしないか初期段階が最も美しいと囁かれる生地物体であろう情報にとても大きく支配されていたわたくしですので先入観によって塗り固めた堤防が見事に、それはもう見事に決壊した瞬間と相成りました本作との直接対面。

 

 

皆様、ラバーコーティングその先、視た事はお有りでしょうか。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 


 
同個体も極めて稀有なマーケット位置を占める本作で御座いますがここまで生地昇華された触れ心地というのはディーラー様に二度三度しつこいくらい確認をさせて頂いた例のラバーコーティングで御座いまして他の追随を許さぬ異常かつ桁違いなハリとコシと硬さとキメ細やかさ、その先を体感致しました出来事はわたくしの貴重な財産と成り得た次第、あるいは生地組織の深いところまで皺を刻ませるには一体どれほどの愛が必要であり、どれほどの時間と忠信と覚悟が必要であるか軟弱な頭で簡易的な想像図を描きましてもまるで歯が立ちませんのはそれほどに、それほどに潜在的な強さを備える組成であり素性で御座いますラバーコートはそれほど極まるくらいヘヴィーデューティー・ファブリックで御座いますのでこの先20年ほぼ毎日常用したところで安全安心な本国ではまるで歯が立たない想像図は容易に描けるラバーコートで御座いますゆえ “ その先 ” 御姿成り形、表面には織りの様子がくっきりと浮かび上がり、つるりとしたテクスチャーは消滅、漆黒の出立ちからスモーキーに変異した見え隠れする美しきブルートーンを認識致しました感想談義をお客様と結べる時間というのもとても嬉しく有り難く想いまして、ラバー製法に対する頑丈な縫製が裏付けとなる恒久性がエイジング=成熟へと導かれる其の御姿成り形とは純然かつ歴然なバルマカーンでありレインコート=英国名マッキントッシュ・コート=市民馴染みのある呼び名マックコートの伝統性そのもので御座います御姿成り形、その先の成熟を目の当たりにした直後に全域を時間をかけて検分させて頂きまして思い描がけた在り在りとした回答は “ 未だ未だ途上 ” で御座いましたので皆様、安全安心な本国においてゆっくりと、じっくりと、完熟への道のりを御付き合い頂けましたら。

 

 

 

 


New arrival, 40s British royal navy aging mac coat

 

 

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襯衣から少しばかりの脱却を / Diary679
26.2.2019

 



 

 

スペクタクルな主張性も主役性もダイナミズムもまるで御座いませんことホワイトシャツ=白・シャツという無機質かつ甘い気色は法的拘束力のように逃れられない男性衣類として確然に認められてから永い歳月が経過致しておりますがそう、白・シャツという肌着であり行儀であり体幹部に着用する襯衣は、肌着であり行儀であり体幹部に着用する襯衣である事のほか白・シャツを決定付ける要素も御座いませんし主張性も主役性もダイナミズムも御座いませんし何より、ファッションを愉しむ御方皆様よりお声を頂く機会もそう御座いませんので、しかしながらそうでありながら男性衣類として確然と認められてから永い歳月が経過している事実は昨今におきまして何ら差し支えも少しばかりの不安定さも御座いませんこと、白・シャツという襯衣を、男性という御身体をひとつの素材とし、ただひとつの素材を極限まで活かす白・シャツという襯衣を、ヴィンテージもしくはアンティークという時代遡及によって御縁結ぶ事柄も然う容易くはないと申し上げられる判然点としまして、男性衣類として確然と永い歳月に及ぶ許容性も論より証拠という事あるいは御洋服より肌着に采配が上がる御付き合いのされ方も古きヨーロッパに学ぶ風儀で御座いますもので、つまりは “ 白・シャツ在りますか、 ” とコンスタントにお声は頂かないものの男性である御方すべての皆様へご提案差し上げたい時代遡及による白・シャツを、ご提案差し上げられる様態や有り様では無い御縁が多いという事は時代遡及がゆえの逃れられない粘着性で御座いますもので、が、ゆえに御縁結べたその際には我々も主張させようと、主役させよう等とは決して想わずただただ体幹部に着用する襯衣としまして静かに、熱い魂でご提案差し上げたい心の持ちは変わらず本日も迎えておりますが、大方カッティングと生地采配に超越点が伺えるフランス同社1950年代製作個体がオックスフォードとボタン・ダウン、米国の色が消滅したフレンチシズムとフラット・カッティングにサイドスリット、木綿繊維の細胞より抑えきれない甘美な香りが立っておりましたもので、ティピカルな男性襯衣から少しばかりの脱却を目指して皆様、50s Charvet / 白・シャツ、どうぞ心ゆくまま、御自由に、

 

 

 

 

 


New arrival, 50s Charvet oxford shirt

 

 

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移ろいに哀しむ勿れ / Diary678
22.2.2019

 

 

 

銀幕に包まれていたヴェールも日が昇れば見る影も無く、見る影も無いバージニアクリーパーと此れから葉を生い茂り鳥を住まわす季節に、見る影も無い美しき景観と容赦のない移ろいに哀しむ勿れ。黄色い塗料を剥がしながら破壊と再生に一躍を担う生き物をじっくり眺め、若い者に激昂を飛ばす親方のボリュームにドキりとし、一夜一夜で変貌を遂げて往くスピードは物思いに耽る時間も与えてはくれませんが、ときに壊れゆく光景や壊した面様にハッとさせられる瞬間も御座いまして、変遷や変貌、変質、変様、総じた【変化】に対する向き合い方には常に前を向いておりまして、常に、前を向くように致しております。工事に携わる皆様、本当にお疲れ様で御座います。

 


 

 

製品として仕上がった瑞々しい鮮度は時の経過と共に失われてゆく性質と受け止められる種類も当然御座いますし此処でいう【鮮度】というワードを放り込むなら大体をもって失われてゆく性質であろうと決して否定は致しませんで、街のブティックで購入した赤い靴も3年後には青い靴になるのがファッションの一環性という事で一旦落ち着かせると、時の経過と共に失われてゆく鮮度と引き換えにゆっくりと,恐ろしい程ゆっくりと獲得してゆく【熟度】の考えを手放さず御持ち頂きさえすれば赤い靴の3年様子を可愛らしいと気が付くに時間はかかりませんこと移ろいに哀しむ勿れ。

 

 

此処でいう【熟度】には限界も制限もまるで御座いませんし深いも浅いも広いも狭いも何方様が決め得るものでも御座いませんが只一人、只一人だけ裁量決定が与えられるとするならば所有者のみが有する全的判断権で御座いますもので、熟成をコントロールする時間や手法も所有者のみに託され、愛用者のみに燦然と顕われる個性という事で一旦落ち着かせると、一緒に寝るも然うで御座いますし、タンブラーに2hかけるも然うで御座いますし、1年間自然野外に置くも然うで御座いますが、どのような過程でどのような経過で、一体どのような移ろいで此処まで熟成したのか考えを巡らせる時間も然う悪くはないもので、ことVintage Wearにおきましては尚更 “ 然う ” で御座いますので、例えば左袖から滑らかに色移ろう美しき自然昇華とカラーグラデーションは組成要素の全域を占めるライトモールスキン=木綿の成せる技とJIS公式慣用色名の何処にも当て嵌まらない浮遊色がゆえの成功で御座います移ろいを決して哀しむ勿れ、本作はメゾンピースには表出されづらい完全個体を獲得した【熟度】に加え、ミリタリーが基底となる重心の低さ、隅々の隅々まで目を凝らして検分致しましても過大評価せざるを得ない完全無欠な御作りであろう初見イタリハウスの予想点を裏切らないGiorgio Armaniの快作で御座います。

 

 

 

 

 


 

 

 

 


New arrival,late80s-early90s Giorgio Armani military style cotton short coat “ Aging sleeve ”

 

 

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