口に含まれた始まりを / Diary624
15.11.2018

 

ビールも大好きですしバーボンも大好きですしハイボールは呑みませんが最近遊んで頂ける方々から日本酒は学びますしこの頃は毎晩ひとり鍋奉行なもんですから晩酌にはお湯割り焼酎ですし塩鍋なんて極めつつあるわけで、もちろん11月15日本日0時に解禁となるブルゴーニュの新酒もまるで決まり事のように毎年頂いているわけです。15日に至る瞬間と思い,昨晩午前0時にスーパーへ足を運ぶケアレスミスを発揮した今年の味はどうかななんて水のように流し込むギリシャ人や何かと評価を与える自称ワイン中毒者でも御座いませんが、たぶん、丑の日の土曜日が年に1回の感覚なのでしょう。こういったら大変失礼ですから先に謝っておきますが、毎年そうやって頂いたとしてもなんて美味しいんだ今年は!なんて台詞を心の中で想った事も御座いませんし、どちらかというとドスンと力強い味が好みですので大晦日に食べる味はなんでもいい年越し蕎麦と表現するほうが正しいかもしれません。食べなければ年は越せない。のように。ブルゴーニュ産の新酒をいただいて冬を迎えることにハッとする。のような。中学生のときは某スーパーチェーンハンバーガー屋のグラタンコロッケバーガーが然うでした。
 

 

そうはいっても塩鍋にも合うと本気で憶っているわたくしの食べ合わせ感覚はトチ狂っていると自負ありますが、実際のところ迚も愉しみにしている其の新酒なわけです。このようになにかの時期に,なにかの節目に,なにかのきっかけによって、なにかに注視するようになると源流を突き詰めたくなるのもかわいい男心としておきたいところ、それこそギリシャ人の古き良き一般住宅の中や屋根の上には葡萄を潰すためだけの風呂桶のような構造が掘られていたり、ミニマムな自園の葡萄畑を持っているようだとなにかの本で読みましたが、ワイン発祥説のギリシャだろうがエーゲ海だろうがブルゴーニュだろうが製造の始まりや完成による始まりや人の口に含まれる始まりや、その道中において重要位置しているクラフトマンやディーラーやセールスマンやテイスターという存在もわたくしのしょうもない口に含まれる始まりを作り出す大切なポジションなんだと漠然とした敬意をもって已まず。その直後、口に含まれた始まりを塩鍋によって見事に終わらせるわけですが。

 

 

 

なにかの時期に,なにかの節目に,なにかのきっかけによって始めるなにかを大切にしたいのは、およそ5時間後に迫った新酒発売を良きタイミングと御披露目させていただく1900年初頭ワインディーラーが実際愛用していた 道具 との極めて稀有なご縁が然うで御座いまして、そうはいっても其の道具がどれほどの希少性や実際力を有するか否かも差し詰め重要ではなく、力強いブラックリネンで織られた生地やワインをボトルごと収納できる両サイドの専用ポケットなども詳細にすぎず、古き愛用品からキャッチする想像的な憶い、約100年以上前、という漠然な時代が確かに存在していた事柄に寄せる想像的な憶い、そのようなヴィンテージ/アンティークという世界に触れる際によく聞く月並みな文句を今一度申し上げたくなる純粋な衝動に駆られ、結局のところ、この11月の時期に,秋から冬に移行する節目に,ブルゴーニュ産の新酒を迎えるきっかけによって駆り立てられた注視対象が、1900年初頭ライト兄弟の人類初の動力飛行成功や,アインシュタインの相対性理論発表,トルコはオスマン帝国時代とその同時期、誰かの口に含まれる始まりを作り出していたディーラー故人の 道具 である歴史的フィジカルに圧倒され、それが極・限定的なフレンチワークウェアである事実も、衣服の汚れを防ぐために着用される Tablier / タブリエ である事実も、当時本品を愛用していたディーラー故人が気が遠くなるような21世紀に小さな島国で、まさか塩鍋と赤ワインを愉しむ男によって伝えられるとは、憶いもよらなかっただろうと。

 

 








New arrival early1900s France wine dealer’s tablier, black linen.

 

御披露目となる17日(土)は、ボージョレーワインの新酒もご用意させて頂きます。(塩鍋のご用意はありません)
お誘い合わせのうえ、皆様のご来店を心より御待ち申し上げております。

 

 

 

 

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Short jacket という狭き門 / Diary623
13.11.2018

 

 

 

 

 

“ Short jacket / blouson ” という狭き門に見出せる可能性は幾つかあるとして,結局のところプラクティカル(実用性)の偉大さには勝てやしないと憶うわけです。58cm以下の着丈、62cm以上の袖丈、ジップアップ。コットンであれウールであれ春であれ冬であれセーターであれシャツであれジーンズであれトラウザーであれ関係ありゃしない無双区分を追い求めると有力点として浮上する(私の場合)ショートスタイル/スポーツジャケット、狭き門の流れを遡るといやでも行き着く 50-60s France というひとつの源流。

 

 

直下するアームフォルム、肉に追随するコンパクトフォルム、立ち姿の美しさを求めない【動き】の世界に存在するショート/スポーツジャケットは、ハンティングやワークウェアとは別枠に成功を収めた仏ミッドセンチュリーこそ至極に憶います。該当年代ではコットン又はウール,ギャバジン個体しか視た事がなく、いずれも共通点としてタフネスな実態であります故、身頃下部にダーツを設けて広がらないよう配慮に至る追随性も生地の懐に叶うディテイルなわけでして、大体を持ってジップアップ、力強く立ち上がる襟、袖丈と着丈の高低差のみに終結しない総合的なプロポーション、今でこそモダンであると評価される当時年代に着眼されたスポーツシステムに決然とした信頼を未だ失わないどころかコンテンポラリ・ツールのような香りも強力なもので、いずれも狭き門に振るい分けられる箇条点と憶います。

 

 

 

 

 

その源流にネイヴィウールの個体が在るとして、もしくは同年代/同類型ブラウンウールを自然に放ち,1年後回収した後に時間をかけて手直しされたKarim pieceが在るとして、並びに、其の源流を愛したひとりの男が発表するメゾンピースに据えられた骨組みが在ったとして、あるいは源流のみならずヴィンテージファクターを的に捉えた其々を目にしますと只只唯唯、嬉しくてたまらなくなるのは私がシュルレアリスムに則った提案を本職とさせて頂いているからではなく古きも新しきも愛してやまないシンプルな思想を持っているから、なのでしょうが、結局のところ狭き其々とはプラクティカル(実用性)の偉大さを犇犇と感じずにはいられない純然たるフレンチ・シックの顕しに過ぎず,若干の目的を成熟させるための手段に過ぎず,しかしながら将来の躍動のため選択するタフネスツールに過ぎないスポーツジャケットで御座いまして、そう何着もクローゼットへ収めても仕方が無いスポーツジャケットな故に、そう何着も収めたくなる求心力を秘めたショートジャケットであるが故に、シャツは仕舞えよと叱りを飛ばす年輩者の前で堂々と頂けるタックインの紳士性はシャツに留まらず、狭き狭き、そのうえ狭き門として存在する此の素晴らしきショートスタイル/スポーツジャケットを11月ボジョレヌーヴォ解禁直前でさえも熱度をもってご提案させて頂きたい極・男性的なアクティブジャケットであり、パワフルウェアであり、タウンユースギアとして御査収のほど頂けましたら、そんな嬉しい事も御座いませんし、私物で探し始める次の流れも何ら変わらず、わたくしは苦しみを受け入れるただのマゾヒストで御座います。

 

 

 


early00s Ballantyne turtle-neck wool knit jumper,
80s British royal navy wool dress trousers dead stock

 


early00s Ballantyne cashmere knit jumper,
80s British royal navy wool dress trousers dead stock

 


early90s Dries Van Noten hand-knit wool jumper,
80s British royal navy wool dress trousers dead stock

 


Karim Hadjab 4Saison & joint & hand finish, 50s French brown wool sport jacket
50s French navy wool sport jacket
2001s Jean Paul Gaultier double zip & 4pocket sport jacket

 

 

 

 

 

 

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Newarrival, 英国のニットとLondon bespoke / Diary622
9.11.2018

 

 

弊店基準によると良縁あらば夏でも容赦なく買わせていただくBallantyne / knit wearですが、同国で紡がれ,編まれたそれぞれを体感するものなら【品質】部門において最高/最強の威力を持つというので上澄みに触れてしまった気持ちも否めずして至極幸福な気持ちになるのもBallantyne / knit wearだから。そのように憶います。これ以上何も申し上げる事は御座いませんし、申し上げるべき事も申し上げなければならない事も申し上げる必要がある事も、何も御座いません。只一向、Ballantyne / cashmere を贅沢に憶い,Ballantyne / cashmere のご提案を贅沢に憶い, 無垢な最高性質を Ballantyne / knit wear / cashmere という布陣でご用意叶いました事、わたくしも心の栄養にさせて頂いて、皆様のご縁と成り得ましたらこんな嬉しい事も御座いません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


New arrival, 70s – early00s Ballantyne vintage knit collections

 

 

 

 

 





 

永い事探し求めていた個体であり詳細であり、希求してやまず、渇欲もとまらず、恋焦がれるLondon bespokeの正体は英国ハイエンドの一線に君臨し続ける【John Lobb】で御座います。わたくしが知りうる限りの情報では世界最高峰と称するに満ち足りる狭き区分であり、探して出逢える種類の区分では当然なく、London bespokeではペンライティングもないもんですから御足にぴたりと合うシンデレラであらば心の底より推奨させて頂きたい Single Monk なわけで、神経質に油分を注いできた端正なケアリングから成り立つエイジングの見事な事、見事なエイジングから成り立つ深いワインボルドーの神妙な事、マイベストジーンズを既にお持ちであらば是非とも結び合わせ頂きたく存じますし、常用品として心の底の底より、推奨をさせて頂きたい想いであります。只只、一向な道具として。

 

 


New arrival 70s John Lobb bespoke in London, single monk shoes

 

 

いずれも明日より御披露目と致します。

 

 

 

 

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70s Ballantyne, black cashmere

 


early00s Ballantyne, canary yellow cashmere

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