相も変わらず寒さ厳しい中でも時折り春の香りをそこはかとなく感じる最近、いかがお過ごしでしょうか。
気温に限らずファッションにおきましても、世間様においては既にちらつきつつ季節の移り変わりを御体感の事と存じます。
御多分に漏れず弊社各店におきましても 2015SS の新作発表が着実に近づいておりますが、それに先立ちまして SURR では、想いの表明と申しますかテーマと申しますか、を簡単にお話させて頂きます。
常々自分自身に問いかける “ 物自体の魅力を伝えたい ” という想いは日に日に強まってゆくばかり。
歴史的背景やラベルなどのスペックをあえて排し、そのアイテムが持つ本来の魅力,能力をいかに直線的に表現するか。これは引き続き重要な課題となります。アイテムが『 今 』持っているポテンシャルを、より自然体でご案内する事が、結果的には一番ご満足頂けると思うのです。
つきましては SURR by LAILA 2015SS のテーマは 協奏曲 です。
全体像が一つの流れでありながら時に一つのアイテムが独奏者になるような、一層 “ 物そのもの ” に焦点を当てピントを合わせた編集を行います。引き続き感覚的なものですので、暖かい目で見守って頂けますと幸いです。宜しくお願い致します。
2015SS の立ち上がり日程に関しましては営利調整中ですので、追ってご案内させて頂きます。
最期に。
昨年の4月末から SURR が始まりまして、今回で Diary100 という節目を迎えることができました。
全てはマイペースかつマイウェアな書き連ねを大きな懐でご覧くださり、時に優しく時に厳しく鼓舞してくださった皆様在ってのもの。店頭などで見てくださっているとお話頂いた際には、恐縮と共に心が晴れ渡り、ついつい晩酌の杯を重ね過ぎた事もしばしば。本当に本当にありがとうございます。
これからも常に服問服答と自問自答を繰り返し、貪欲に前を向いてゆきますので、どうぞ引き続きのご愛顧を心よりお願い申し上げます。
それでは、また。
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
[email protected]
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何度かお話させて頂いております服の余白。オーバーサイズ全盛期の今に関わりなく、かねてから重要視している要素です。
音楽であれば “ 間 ” 、写真であれば “ 空白 ” 、文字であれば “ 行間 ” といったところでしょうか。 “ 余暇 ” や “ ゆとり ” も感覚的に合致します。
“ 腹八分目 ” の方が動きやすいし、 “ 五分前行動 ” の方が心配も少ない。 「 全力を尽くさずとも完遂させる大人な余裕 」
そう、何事も SPACE が大切なのです。
ミリタリーにおいての 余白/ SPACE は主に可動域。用途に応じてより自由で快適な活動を求めた “ 身体と服の SPACE ” は、機能的であると同時に豪奢な美しさを見るものに与えてくれます。
SPACE が生み出す立体感、着用時に無限の可能性を予期させてくれる服の表情は時に現代のモードに近しい緻密な計算となり、時に予想だに出来ない野性味も感じさせてくれるのです。
前回に続いてご紹介する一着はまさしくそれ。
40年代フランス軍の二輪車部隊が着用していたオーバーコートは、明確な目的に沿って設計された的確な機能服であるにも関わらず、半世紀以上経った現代において規格外な興奮を提供してくれます。
女性的なボディラインを連想する前立て,大きく空けられたヨーク,脇下のベンチレーション,カフスのバンドなど、全ては通気性の為の極めて手の込んだアンファッション・ディティール。タフネスの権化であり防水性も加味したダック素材に長い時間をかけて発生したアタリは、まさに偶発的テキスタイルデザイン。
国の威信をかけた作りと純粋な理念に時間のスパイスが加わった物語は、体温が上がるほどドラマチックな結末と相成りました。
40s French military, biker corp coat
以上。長々と書き連ねた文章は全て添え物でございます。主役は本品。
これからも進化を続ける見紛うこと無きモンスターの第二章を身近で御観察して頂けましたら幸いです。
SURR by LAILA 福留
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希少性であったり,歴史的背景であったり,所属の概要だったり。
それら物語を頭から一旦排して、純粋に向き合った時にこそ圧巻される感覚はもう格別。
もしも魔法が使えるのならば出生を全て消し去って、今のモードに “ 物 対 物 ” の戦いを挑み
勝ったり負けたりを楽しみたい。そんな一着。
詳しくは、明日じっくり。
SURR by LAILA 福留
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