(前回文頭)と悟った2着の内の1着、90年代後期同社の最高品質レーヴェルなわけですが、弊店が兼ねてよりエントリーを続けて参りました同社リヴゴーシュの作品群を記憶から引っ張りだし,重ね合わせ,蓄えた情報を武器に挑みましても前例も適例も実例もないわけで、恐縮ながら初見感動そのもので御座いました。
それは大方、詳細細部に向けられた感情でして、あるいはコットンテーラードを愛してやまないわたくしのシンプルで私意性の強い感情と意見で御座います。故に、店頭にてご紹介をさせて頂く際、なるべくをもって我慢するよう致しておりますが、フィッティングが適合と判断させて頂いたお客様へはその方がコットンテーラード/テーラードという区分をご所望になられている/いないは関係なく、心の原核より推奨をさせて頂き、その上、ご要望頂いていないにもかかわらず容赦もないディテイルスピーチが始まるもんですから販売員失格の恐れも見え隠れしまして、反省と興奮のここ数日で御座います。
メインファブリックに採用された重厚な打ち込みと織りから実現される天然木綿のみの組性はその通りで、パッティングを施していないにもかかわらず立体的に自立するショルダーから流れるよう僅かに前方へ振られたアームの曲線美、肉で着る現代のモードアプローチとは真逆をいき、骨でしっかりと着、身体に追随させるシステムこそ70年代ムッシュ統制時代より一貫された同社独自の左岸的表現でしょうが、咀嚼して申し上げましても其の伝統性と繊細な構築性を重厚なコットンで表現する前提が先ず。継ぎ足して、身体に追随させながらも窮屈ではない、あらゆる方位から包まれているような暖かみはダブルソールの英国靴が漸くをもってフィットした2年後の感覚に極めて同一で、その感動的フィッティングこそ言葉と各カットのみでは技術云々かかわらず正確に御伝えしかねる内容と僭越ながら。袖を通して頂いたお客様からは、流石です、というお言葉より、製作者誰ですか、のお言葉も多く、ビスポーク/ハウスオーダーでないのは自明の事、とはいえ、ここまで正確無比なプロポーションは同社でも大変稀少であり、ちょっと待て,このレヴェルまでフィットさせてくるのかと疑問視にあたるは製作統制者。おおよその推定と個人的一意見は店頭で手短に。
およそ魔法とも謂える其のフィッティングプロポーションの真相は、裏地に有り、と注意深く期待を寄せますが、1940年以前のアンティークテーラードあるいはアンティークウール/織りをひとつのバイブルに定めた精選、テクスチャー、実践的にはたらく、伸び と 弾力 が決定的な成果を魅せる此の裏地。過去一度も視た事が御座いません。
全体としてソリッドな詳細を目にしますが、直角的にカットされたフラップや本切羽ながら比翼にしたカフス、大胆に伸びたダーツ、表現方法として打ち込まれたステッチ、ノーベンツ、加えて感覚幅の広い3つ釦とフィットしながら可動域を確保する脇周りの実際はおそらく源流にフレンチワークを従えている推測も引き続き。に対してまろやかな印象を齎す角のないラペルフォルムという天の邪鬼な選択は、襟を寝かせるという試みを追加して大いに可視化できるもので、実のところナーヴァスでセンシティブな所有者の本質を確固たる性質として,小さな事実として独立させ、または自信に満ち溢れた勝負師の手の内を知られず心の内を熟知する攻撃者のフィギュアとして、着る者によって齎す印象を表面化させるテーラードは相当をもって極稀少であること、そのようにプレタポルテにおける自由意志を細やかに配した逸物であること、日々の苦労と幸福を皺として刻み残すことができるなんと粋なこと。
最後に、コットンテーラードの魅力を確固たるものにする “ ブラックカラー ” は、女性をより一層と華やかに魅せるよう古き良き考えに基づく、アフタージャケット/ディナージャケットで御座いましょうし、女性や目上の方との食事でも、友人と酒を交わす日でも、ひとりで散歩するでも、何方様に対しても失礼がなく、例によって革靴理論と同等で御座います。という正当性が大いに通づる独立色であり自由色であり、それがヘヴィデューティーに向き合えるコットンであれば至極と憶うわけです。コットンテーラーを立派な星がついたイタリアンに着て往けるか億劫な御心持ちも当然、とはいえ、綺麗にアプローチしたシャツとシルクタイ、仕立ての良いトラウザー、適度に磨いた革靴という布陣、普段は埃も天候も気にせず、勝負時にはブラッシングで汚れを落として、いよいよ厳然とした顔つきで、さぞ当然かのように。それだけで御座います。コットンニットを冬場でも常習する理論と同義、誠に僭越ながら、この機会に是非御賢察頂きたく存じます。
late90s Yves Saint Laurent rive gauche, cotton tailored jacket
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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店頭にてご説明させて頂く度、より一層と没入感を憶える同社至極のバルマカーンということで、本日改めてエントリーを試みているわけですが、その魅力を言葉に置換する行いはその実際的魅力を損なわせる可能性も大いにある程、破壊力に満ちた実際的魅力なわけで、それは言葉ならず写真を撮るという行いですらその者の能力にとっては処置しかねる種類の困難であり、あるいは努力によって乗り越えられる種類の困難ではない、と悟った個体が本作含め、Newarrival0921新作中,2着御座いました。少なからず私にとっては。
そのような御品との出逢いが はじめまして であれば蓄えた知識や見識から最も遠いところで憶える 感動 に近い無垢な感情で御座いましょうが、邂逅なる また逢いましたね にもかかわらず初期感動が完全なるカタチで損なわれていないというのは如何なものかと憶うわけです(白状しますが嫉妬に近い)。ひとは其れを傑作と呼び、わたくしは此れを「完璧な外着」と呼びます。
正統的な実像に添えられた控えめな襟、小振りなホーン釦、柔和でコシのある織り、軽やかで、ミルキーで、何より力強く、そしてフレンチシズムを超えた紳士性は万人のための万人に向けた万人と共鳴する御仕立てで御座います故、ファッショナブルに向き合うべき実相ではないというのが私の独り言でして、そもそも外套(本文では主にバルマカーンコート)というはたらきを深く理解致しますと外界から身を守り,衣服を守り,相手様に失礼のない装いという事で純然たる外着の意味性が落ち着くところ、室内で脱いだとき初めてその者の個性が表出し,成立するスタイルがあって宜しいのだろうと熟熟憶いまして、仮にもひとが傑作と呼ぶ此のコートは、所有者様の盾となり、雨風から守り、室内では目と手の届くところに掛け、モールスキンの上澄みの上澄みを掬い取ったような驚異的な肌触りと、身体を包み込みながら生地の分量から成るドレープでは決して誤摩化せない美しきプロポーション、傾斜させた平織りの決定的な物理的強度、あとはそう、都会に生きる御心を少しばかり豊にして頂ける「完璧な外着」としてわたくしはエントリーさせて頂きたく憶い、同社人間の前に描かれた何方も乗っていない直径約2.5cmの馬車に込められた憶いというのをご査収頂き、純然たるバルマカーンコートとして御賢察を頂けましたら大変光栄に憶います。
80s Hermes balmacaan coat
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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秋分の2日前、気温も落ち着いたこの辺りで先ずは御披露目と致します。
トータルカット多めと恐縮ですが、御就寝前の一時に頂けましたら。
皆様のご来店を心より、御待ち申し上げております。
9月22日(土)12:00〜
New arrival 50s British royal sailor shirt
New arrival early80s Valentino Garavani cotton sweat cardigan
New arrival 1953s British royal army combat trouser, personal repaired
New arrival 40s France cufflinks
New arrival 90s Gucci by Tomford cotton dress shirt
New arrival 90s Gucci by Tomford flannel wool trousers
New arrival early00s Dries Van Noten turtle neck jumper
New arrival 18A/W KARIM HADJAB 4Saison coverall jacket, base 50s French work
New arrival 60s French work cotton trousers with belt, Chrome yellow
18A/Wシーズン立ち上がりより店内構成の核を担っていた同社プレタポルテ最高品質レーヴェルRive Gaucheのテーラード、本作もまた非の打ち所がない構成美と溜め息が止まりません。30年以前アンティークテーラーに用いられるウール織りの踏襲、天井まで伸びるダーツ、力強い天然木綿による全的な構成、身体に追随する皺。此方に関しては、後日改めじっくりとご紹介させて頂きたい心持ちです。
New arrival late90s Yves Saint Laurent Rive Gauche, cotton tailored jacket
弊店が扱う同社区分で絶対的位置づけにポジションさせて頂いている80sバルマカーンは、御縁があれば必ず、というほどコンティニューを心がけておりまして、ポールハンガーに掛けていたら誰も足を止めない普遍的/大衆的な顔立ちは自明の事、頑丈な織りと対照的な触れ心地というのはあまりにも明快な訴求力を備えるというので、袖を通し、一度ご記憶にインプットされますと、ハイエンドな其れとして,此れ以上の上書き保存が困難になる危険性と中毒性を備える、というので、今シーズンも1着のみ、エントリーとさせて頂きます。あるいは今回御縁叶いました個体は素晴らしいフィッティングプロポーションを具有して御座いますので、琴線に触れて頂いた方には是非お手に取って頂きたい所存であります。誠に僭越ながら。
New arrival 80s Hermes balmacaan coat
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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