for Xmas, hat / Diary640
12.12.2018

ハットという言葉は頭に載せる帽子の類を広義的に現わしているに感じておりまして、いわゆるニット帽子もキャスケットも野球観戦時のそれも区分化におきましてはその言葉が選ばれるようなのですが、私はいつからか勝手ながら全方位にブリムが在り構築的なクラウンが鎮座する様式のものを連想する人間となっており、いつからかそれをこよなく愛しているのですが、想い返してもなにがきっかけになったかを覚えておりませんでして、確かに以前の上司にあたる人物が象徴的に愛用していたのですがそれがきっかけというわけでもなく、心に在り続ける人物像うんぬんでもなく先祖の誰それうんぬんでもなく映画の素敵な一幕うんぬんでもございませんので、いつからか勝手に思っていたハットという存在意義そのものに、いつからか勝手に惹かれたのだと想います。皆様方ハットはお好きでしょうか。

3,4 年ほど前には少々流行していたのでしょうか。流行うんぬんに明るくない私でもそのような記憶がございますが、根本的にはそれらとはまた異なる存在意義を有し続けているように想いますし、現実として機能性が極めて良好であること, 日よけや風よけや防寒性のそれを御存知の通りかと想いますが、機能面 ( 実質的な利便性 ) に則っての選択というしっかりとした初動理由があるうえでの装飾性はやはり人物像として, 個として絶対的な説得力と存在意義を有するという考えを持ち続けております。

弊店におきましても丸々 3 年ほど以前にある程度まとまったハットの編集をさせて頂いた時があるのですが、それ以降は一切これぞ御提案したいというそれに出逢えなかったため、以降の旅においてその出逢えなさをずっと不思議に想っておりましたが、この点に関しまして冷静に考えずとも弊店の品全てに共通する “ 御縁 ” 以外の何物でもないとはいえども、ハットに限って 3 年間一切の出逢いがなかったのは、うん、やはり不思議でしたが、前回の旅でようやく少量ながら幾つかに出逢うことができまして本当に嬉しかったものですから、どなた様からも御要望頂いていないにも関わらず弊店が例年社会の御迷惑をお掛けしないようひっそりと編集させて頂いております “ for Xmas ” の一つとさせて頂きました。皆様方ハットはお好きでしょうか。

 

 

 

 

 

for Xmas, 40-60s Hat

私にとってのハットがこれらであり、弊店はハットにおいて主にボルサリーノ社の品を追い求めております。もちろん各国各時代において素晴らしい存在感の品が多々ございますが、ボルサリーノ社独自の軽やかさと申しますかクラウンの傾斜やファーフェルトの仕上げなどの各所研ぎ澄まされ具合から成る “ ハットとしての居様 ” が最も好みであるがゆえです。足も腰もないハットに対して居様というのもおかしな話ですが、なんとなしボルサリーノ社の場合ハットが頭に小粋に腰かけている空気に感じられまして。

明日 13 日 12:00 より御披露目致します。宜しくどうぞお願い申しあげます。

 

 

SURR by LAILA 福留

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[email protected]んm、m

 

 

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相反性論が在るとして / Diary639
11.12.2018

 

 

自身の体つきと相反するように求めているデューティー性は最近憶うに至ったわけではなく生まれてこのかた義務教育下の健康診断において標準値を手に入れた事が無いほど其の体つきですので、ファッションという発露を視、触れ、呑み込み始めた辺りから自然と希求するようになった運びと客観的自己分析の末【相反性】こそ鍵を握るのではないかと。自分に足りぬものを求める心のはたらき、自身が臨む姿の片鱗を持つ物体への所有欲、本質を他から護ろうとする防衛性。と考え始めたのは最近3冊の小説を同時進行で読むというくだらない挑戦(時期に1冊ずつ増やしていく)をしている先月分の内,1冊の作中命題が深層心理追求だったため其の悪影響という事です。

 

 

テーマに対して没入してしまう悪い癖を取払いもっとシンプルに進んでいくと大した答えは待っていないのが常ですが、つまりわたくしは敵を薙ぎ倒すパワーが欲しいのか問われるとNoですし、女性からタフネスポイントを稼ぎたいかと問われるとYesですし、結局のところ【溝=ギャップ】が欲しいのだろうと憶うわけです。あの人、意外ね、まで往かない、完璧に支配できるテリトリー内、がしかし、どこか隔たりを与える限界一線の際どいライン。そのリミットが広がり,深くなる瞬間というのはおそらく無く、皺の深みと、乾いた肌と、感動した数に比例するのではと先ず考え、とはいえ以上の理屈に共通する 時間経過 が一例大切であるとしても、それ以上に強力なパワーを秘めた性質、限界値を越えようが越えまいがリミットラインを知ってようが知ってまいが、何かによって何かが認められる必須の特性または特徴、本性、品性、人格、自身の【キャラクター】を深く知り、磨き、笑顔で居ることはどこかに辿り着く気も致します。

 

 

其のキャラクターを彩る要素として【ご職業】も然り、【趣味/嗜好】も然り、話し方、立ち姿、歩き方、髪型、表情、体格、骨格、健康診断において標準値を手に入れた事が無いほど其の体つき、常に女性からタフネスポイントを獲得する超人も然りと存じます。羨ましい。

 

 

 

ところで18a/wシーズン弊店空間に哀愁を漂わせながら佇む本品もまたデューティー要素全開ですので例によって心引き寄せられるわけです。日頃は白い大きな椅子にゆったり座りながらゆったり何かを考える場合が多いのですが、ふと何も考えず店内を見渡し、大体目に留まるのが本品で、その後もゆったり座りながらゆったり考えるひとつの事は、ここまでのヘヴィデューティー性と個体威力ながら,ですので、至極純粋なタウンギアとして常用化する御方がいらっしゃいましたら大変素敵な事と憶い、その御方は365日中360日を室内で過ごすご職業【In door master】様の貴重な5日のため躍動する其れだったり、巨大なチェストポケットから見た事がない量のコードが飛び出してるご職業【Game master】様の一張羅であったり、これでも真剣な妄想に明け暮れているのです、白い大きな椅子で、ゆったりと、

 

気が付いたら椅子から腰を上げ、本品 50s Swedish military leather jacket の袖を通しているわけですが、全体のプロポーションからコンパクトフィットでの着用を意図した御作りではないサイズ・バランスを横目に、袖が長いということはグローブが要らず、ウール地が張られた裏地構成と風を通さないレザー本来のはたらき故のあたたかさは真冬のタウンギアとしては素晴らしい能力を発揮する上、例によって文庫本が3冊も入るチェストポケットの有益性となると【In door master】でも【Game master】でも【Book reader】へも当然、30分前の妄想が強烈な実態感を持ち始めたわけです。

 


50s Swedish military leather jacket

 

 

さて、今から恐ろしい事を申し上げますが、ここからが本題で御座います。一番お話させて頂きたかったのは実は文頭【相反性】で御座いまして、つまりは巨大かつ著しい脱線でした。(直さず参ります)人 と 物 のみならず 物 と 物 に限らず 物 と 場 にさえ通用する性質、相反性論が仮に在るとして、互いに正反対に位置するそれぞれの性質を組み合わせる事で得られる事柄を大きな魅力として認めれることができるのはファッションというフィールド然りヒトの感覚体に訴えかける表現媒体に尽きると憶い、永くお洋服との関係性を継続されてきた方であればその根幹に自分に足りぬものを求める心のはたらき、自身が臨む姿の片鱗を持つ物体への純粋な欲望、本質を他から護ろうとする防衛性、いずれにも当て嵌まらなくとも至極シンプルに 他との差別化 や 好奇心 あるいは 自己表現のリリースと確保 その連続な気も致しまして、【人と物=店長小林とミリタリー】【物と物=シルクとジーンズ】何より【物と場=ヘヴィデューティー物とドレスフィールド】こそ、様々な考え方や動き方や捉え方や立ち位置や社会的ポジションや溝やギャップなど余計な事々を鑑みず、誠に勝手ながら注視を注いで参りたいチャーム・ポイントと想っております。例えばそう、コンバットブーツとドレスアップの相反性を笑顔で御過ごしになられるキャラクター性、既に何処かに辿り着いた様子を感取せずにいられず。そこに頭をあたため、雨風を凌ぎ、古きよき礼儀としてのヘッドギア、今現在あまり御愛用されている男性も街で見かけないハットなど在れば尚更と憶い、そんな男性を相反性論として自分に足りぬものを求める心のはたらきと深く理解し、2018,12,11,現時刻19:10、ゆったり座りながらゆったり考える永い妄想で御座いました。明日よりまた宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SURR by LAILA 小林

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老舗による変則的な製作背景のコート / Diary638
7.12.2018

 


 

 

 

 

この度の新作である “ フランスにて製作された、それぞれに一人の注文主が居たコート ” 其の完結となる三着目を御披露目させていただく数ヶ月前に弊社で行われた商品検討会において熱視を浴びる事となった其の一着の変則的製作背景に対して疑いを隠せずに居たわたくしですが、ハウスプレートに刻まれたParisの印字と注文コード、そして一人の注文主の軌跡として記されるオーダータイム(年月日)の確固たる証拠を目の当たりしても尚,素直に受け入れることが困難であった理由を敢えて述べますと、今現在最も獲得困難と囁かれる同社フレンチビスポーク・コートである事、そのうえ当時得意とされた提案要素の主軸であるコットンギャバジンの組成,頭脳ど真ん中に仕入れていた情報を根底から覆す本品の御素材事実に尽き。総じて全的な裁量権を握る注文主とハウス基底に沿って要望を具現化するアルチザン=職人との応酬の末 Tweed / ツイード の精選が成された1956年10月11日に想いを馳せずにはいられず。

 

 

 

 

 

 

アイリッシュ・ツイードと憶われる重厚な平織りを視認できますが、油分を含んだような瑞々しいテクスチャーと謂いますか柔らかでコシのある強さは永い歳月をかけて行渡らせた油と湿気,其の非計画的な連続と丹念に向き合い続けた 主 と 衣 の厳然たる関係性,ゆえのエイジングと謂いきるにはどこか不十分で、あるいは毛羽立ちを許さない織り込みの細密さは丁寧なブラッシングとケアリングを習慣化しただけでは裏付けることができない根幹的な組成起因と憶い,率直かつシンプルに申し上げまして恐ろしいほど見事なツイードで御座います。幾重に同種類の御素材を嗜好されてきた方ならばおそらく御感取頂けるのではないかとも、僭越ながら憶う次第です。

 

 

正統的ベクトルをたっぷり注がれた御姿は例によってチェスターフィールドコートとして迎えられるわけですが、通常設置されない前立て裏のシガレットポケット(大きさから推定)が追加オーダーのように想起させる特異点と偽りのない純度を披露する三つ釦,比翼,シングルベント、そして潤沢なツイードを精選しながら外套=古き良きオーバーコートとしての意図を全的に感取しきれない明確点として同社においては極めてマニアックレンジなショートスタイルである事、さらにフィッティング・プロポーションとして全体的にコンパクトに抑えられていながらレングスを13cm程出せる余裕を保った御仕立てである事、以上から御身体が完全に仕上がる30代より以前、20代の内に注文された背景を推測する其れはファッション・モードとは遠いところに或るパーソナル性と洗練性と仏青年性/想像性の凝縮容姿のように憶い,完璧なる個人物を個人様に御譲りしたい,伝えて参りたい想いも褪せる事無く,ゆえに引き続きご提案したくてたまらない Bespoke piece であり French bespoke coat で御座います。おっと謂い忘れました、

 

最後に変則的な製作背景のコートを仕立てた老舗店を記しておきます。
皆様どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


Burberrys bespoke in Paris

 

 

 

 

 

 

 





1956.10.11 order, Burberrys french bespoke chesterfield coat

 

“ フランスにて製作された、それぞれに一人の注文主が居たコート ” より最後のエントリーと成ります本品 “ 老舗による変則的な製作背景のコート ” は明日 12/8 ( 土 ) 12:00 に御披露目させて頂きます。

 

 

 

 

SURR by LAILA 小林

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