便乗 / Diary 774
10.10.2019

普段からニュースを見る習慣は正直稀ですが、たまたま目にすると某有名人夫婦の娘が初のミラノコレクションを歩いたと取り上げられていまして。まずショー自体あるの?と思いましたがデザイナーが変わり初のランウェイ。タイミング良く?弊店にも Made in Italy プロダクトの ” FILA ” の御案内が御座いまして早速ですが便乗させて頂きます。まず、 FILA と想像すると勝手ながらスポーツ衣料の区分に属すと思われがちですが元を辿れば 1911 年からイタリアのある地方にて衣類の生産を行う列記とした衣料メーカー。昨年のメゾン、ストリートブランドとのコラボレーションにて再熱しているスポーティ且つ、エレガンス、その物づくりに御興味お持ちの方もいらっしゃるかと存じます。勿論、他王道スポーツメーカーも面白味のある均衡のとれた物づくりも多く、愉しいですがある種外れた ” FILA ” という存在。私の勝手な想像ですが今回のスポーツジャケットには何故か音楽の匂いと共に ” Casuals ” 的着こなし ( 良い意味でなんでも成立してしまいますが ) を御提案したく、 80s 気分でデニムやノータックの普通なチノやウールトラウザーズ。ジャケットは開けずに全部、もしくは半分閉めて、足元は有りがちなキャンバススニーカーで。と是非に雑に考えずに楽しく御推奨させて頂きます。

70s Italy FILA sports coat

 

 

SURR by LAILA 鈴木

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明日は週末に向けた御紹介を。

 

欲_ size44 の silk100% でございます / Diary 773
6.10.2019

肩であったり脇であったり、腰であったり足であったりと幾カ所にて程好さを御判断頂くスーツという存在はヴィンテージ / アンティークを専門とする弊店にとってそれら品々が時代を経る過程で離ればなれになってしまう運命を辿ることが多いなどゆえ御提案が容易ではない鬼門の一つであり、男性であれば頻度は人それぞれながら好き好みとは別に必要な機会が必ずやってくる存在であり、そう成った時に探しものは見つからないメソッドが発動しがちであり、時流によってはより御注目頂く御方が増えたりとするようですし、根本的にやっぱり格好良いので御提案を模索しつつもなかなか叶わず、叶った暁には例え身体のどこかが寄り添わなかったとて全体的な調和などなどを鑑みて御推奨させて頂く時は御推奨させて頂きますが、やはり光栄にもどれほど好ましく想って頂けたとて御推奨が叶わない機会, 前向きに御止めせざるを得ない機会がどうしてもございまして、その際に贈る言葉で “ 次の旅で必ずや ” と申しあげられればどれほど良いかと想いますが、我々の力不足ならびにヴィンテージ / アンティークの世界が残酷にも突き付けてくる現実という名の鬼門から、スーツという存在に対してこれまでにその言葉を口にすることはございませんでした。

ゆえに先日の旅にて海沿いの田舎町で数多の仕立服を所有するコレクター様の下でそれら全てを仔細に眼を通す過程にこの一着に出逢えた後に海沿いで呑んだビールは、結果的に膨大な貯蔵量の中でそのサイズ表記ならびにフィッティングが一着のみであった事実と、最良の一つである素材感である極上の条件と、敬愛するイタリアン・モードデザイナーにおける稀有な時代の一着である事実が相まって、それはそれはそれは美味しゅうございました。

 

 

 

 

 

独自文化の一つであるサルトリアルならではの柔軟性ならびにお国柄や人々と結び付けずにはいられない美的な軽やかさを土台に、UOMO 初期時代ならではの古典性と前衛性を兼ね備えた各所は、リラックス・テーラーリングの呼称に相応しい余白の魔力とリラックスさせながらも縦軸の美しい洗練性が入り混じる出で立ちで、結果的には不変的でありながら上品な苦みを御体感頂ける装いになることと想います。男性的な肩の色気ならびに強さはございますが決して過剰ではございませんで、前立てはさも縦に引き伸ばしたかのような抜け感が従来威厳味に溢れるダブルブレストにほど良い柔和なスパイスを追加し、トラウザーはウエストポイントの高いツータックにてこれまた強い男性性とドレープの妙技とヨーロッパ文化が培った曲線美を存分に御愉しみ頂けます。

上記全ての要素は size44 の silk100% という条件下にて構築。

 

 

70s Valentino uomo silk suits

50, 52 ばかりか 54 や 56 も当たり前の世界で出逢えた 44 。前述の通りヴィンテージ / アンティークでスーツに出逢えた暁には例えどこかが御身体に寄り添わずとも御似合いであれば御推奨させて頂きたい所存ですが、本品であればより寄り添う御方も多いことと存じます。それがシルク。シルクでございます。しつこいですがシルクでございます。

 

 

SURR by LAILA 福留

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欲_これぞなツイード / Diary 772
5.10.2019

ツイードという存在の表情であったり特性に対しては素直に惹かれているものの私はなかなか選ぶことができませんでして、その理由は肌触りと重量という単純明快ながらツイードそのものの特性に伴う要素ゆえ非常に歯がゆい心持ちになりますが、選べないものは選べないものとして前向きに捉えて旅を続けますと稀にこれぞなツイードに出逢えることがございまして、それは本品にせよこれまでの数点にせよ “ ツイードを専門的に手掛ける看板ではない看板が製作した品” もしくは “ 専門的な看板とそうでない看板が手を取り合って製作した品 ” のどちらかです。

 

 

私は基本的に服飾の品々を着るもの / 身に着けるものと捉えておりますので、アートである, 芸術的である等の表現を容易に行うことを良しとしませんものの、こと同社の織り表現に関しては芸術的であると素直に想うのはやはり夫妻がアートの作品群から得た刺激を服飾製作に活かしていたからかと想いますが、羊毛を主軸としたツイードの織りは専門看板のそれら的な重厚感と説得力があるうえで、それらではなかなか得られない領域の素材表情となにより軽やかさとしなやかさによる装いの存在感は少々異常でして、屋上や道路や廊下やベランダで試行錯誤してみたものの眼で感じる圧倒的な “ 強さ ” をカメラに収めることは叶わず、この生業に就いてから常に感じ続けている “ どれだけ撮っても実物の魅力には到底敵わない ” という法則を改めて切実に強く感じ、人の眼はすげぇなぁ~という想いと、写真と実物の印象が良い意味で乖離する尊さと、それがツイードで在ることの喜ばしさを抱いた次第です。

 

 

 

 

 

 

 

 

80s Missoni uomo, tweed bal-collar coat.

私は身体つきであったり顔立ち ( 道端でスカウトされて10分後に明治時代を舞台とした映画のエキストラを演じなくてはならないとしたら、そのままいけると自負しております ) を踏まえて紆余曲折を経たことで、クラシックな品であったり古典的な装いが好みであると同時に、前衛的であったり現代的な品や装いは心に寄り添わなくなりました。しかしながら強い雛型性とデザイナーの感性が融合すると、稀に本品のような古典的な装いと現代的な装いの両面を備えた存在が産まれることに気付き、私自身の在り方にも新たな欲を抱き愉しく想っている次第です。簡単に申しあげますとダンディズムを好む人が着ればクラシック・スタイルに, 洗練性を好む人が着ればモダン・スタイルに という柔軟性ですが、これは相当に相当に面白いです。

 

 

SURR by LAILA 福留

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