とあるデザイナーさんと物の価値ついてお話する機会がありまして、彼は現代のものづくりに対し「間(あいだ)」がないものが増えていると。
本来はクリエイションの過程に意図・意思・経緯としての間があったにも関わらず、皆が声を揃え同じ方向を見るようになってしまったことで間が無くなり、結果酷似したものが流通するようになってしまうのかもしれないと、私は彼の言葉を聞いて思いました。
勿論、服や文化を愉しむ一個人として敬意のある方のクリエーションは無条件に好み、触れたいですし。それも捉え方によっては一つの「間(あいだ)」だと。
現代のものづくりに対して強い関心を暫く持合せて無いのと、物事を斜めから見てしまう私の物の見方としての一意見となりますが。
さて本題にはいりますが、 19 世紀から 20 世紀初頭のフランスの馬商、家畜の仲買人がきていた作業着の一種。
本来ハサミやブラシを収める大小異なる前後についた胸ポケットは装飾性の高く、先日の Diary にて綴ったように
私にとっては贅沢な逸品です。
ショルダーの仕様もスプリットスリーブ(前身頃がセットインスリーブ、後身頃がラグラン)とアクティブな可動域の広さ、
現行のものづくりにも通じるたっぷりとした身幅による包まれるようなフィッテング、
一見リップストックのようなコットンベースで化繊が織り交ざったしっとりとしつつもシャリ感を持合せた生地。
これら古くからその原型に変化の無い点からこの一着は、もはや更新する必要性の無い一つの典型であり、それこそ「間(あいだ)」そのものだと私は感じています。
うん、良いっす。
何と合わせても成立する許容の詰まった一着ですので、適当に扱って頂ければ幸いです。
50s French work coachman coat
SURR by LAILA 鈴木
03-5468-5966
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装飾の好みとして「ポケット」の存在が大きく、それは言うまでもなく「実用性」であり、付随する機能美=デザインであると。
私はアウトポケット派(そんな派閥は勿論無いですが)でものを詰め込んだ際に起こるシルエットの変化が面白く、単純に両手に何も持たずに生活のできる一つストレスを省いた心身的な要因が大きいのです。
普段鞄を持たず、必要最低限な所持品のみを詰め込むガサツな私ですが、それを定位置にしまう安心感と実用的な立ち位置に生まれた美しさに心惹かれる要素がございます。
無いものをフォーマルなドレス要素、有るものをカジュアルな日常着という定義に対し様々な意見と賛否があると存知ますが、ある日に私は後者が男性の象徴であるという1900年代初頭のとある記者による論文を目にしました。
そこでポケットはジェンダー(性の区別)に属する存在であり、イコール男性の象徴であると論じていまして、理由は時代背景に伴う政治的な要素であったり当時の男性・女性に対する概念にまつわる内容でしたので割愛いたしますが、私は結果的にその主張から自由度の乏しさを感じ、考えさせられました。
その後、時代を経て政治面や男性・女性に対する概念に関わらず平等であり自由な存在となったポケットですが、現在においてとある女性議員は敢えてポケットのないパンツスタイル選ばれているそうです。
ポケット = 自由の象徴
話が脱線しましたが、秋冬の立ち上げも始まり弊店にも沢山の実用美が皆様をお待ちしております。
私が伝えたいのは困った時に煙草が一本、小銭が一枚出てくればと
只々願っております。
SURR by LAILA 鈴木
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先日のDairyにて福留から紹介ありました鈴木 ( スズキ ) と申します。
既に御挨拶をさせて頂きました御客様方も多く、とても嬉しく想っております。
私事の話をさせて頂くと福留の関係性は5年程前、友人の紹介で SURR に初めて訪れてからでして、真面目な話から下世話なそれの話まで酒を交わしてきました。
今回 SURR に参加するにあたって、自分に務まるのだろうか、、、、
と不安要素もありつつ、好きなものと向き合える期待値で今までに感じた事の無い感情を抱いたのも事実であります。
私は福留に成ろうとは考えておりませんので、異なる目線、言葉で御提案させてくださいませ。
今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
SURR by LAILA 鈴木
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