桜 / Diary761
3.9.2019

 

 

 

2003SS Gucci by Tom Ford shirt jacket.

 

雛型の中でも特に王道的な区分で、その区分の中でも特に王道的な様式を忠実に, 本当に忠実に再現すると同時に要される全ての職人技術を極限まで練り上げたうえで描かれた徐々に徐々に消えゆく桜。服飾史からお手本を見出しそれらに敬意を払いつつ、全く別の輝きと価値を獲得した、これこそモードという文言に値する存在。以前のそれとは異なる紋様の同じくな熱量の御提案が叶い、至極光栄です。

 

 

SURR by LAILA 福留

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BC / Diary762
4.9.2019

弊店を御愛顧頂いている御客様方なら一度は御覧頂いているとと存知ますが、今シーズンも Best Company の御提案がございます。

 

ものづくりにおいて一貫して Made in ITALY に拘る性質の利口さと反比例するよう “いなたい” 面持ち。

 

“外す” という言葉が御座いますが、恐らく “外す” 事すら拒絶してしまう唯一無二の力があり、写真では伝えられない程ある意味想像を気持ち良く裏切ってくれる色調ですので、店頭にて御確認頂けると幸いでございます。

不幸?幸い?にも「これ、めちゃくちゃカッコイイですね!」と仰っられた御客様を拝見した事は未だ無いし、今後も定かでは御座いませんが、袖を通して頂くと「何かいい。」とこの空気感を共感して頂ければと望んでいます。
 

 

 

90s Best Company work-style cotton jacket

 

一見すると既視感のあるオーセンティックな4ポケットのシャツジャケットの区分に価しますが、気持ち程度の小さな襟と台襟・比翼・ハンドウォーマーポケット裏に配色の切り替えが普通から “らしさ” へ昇華する Best Company らしいテクニックで仕立てている巧さが愉しませてくれる逸品。

ネーミングもクリエーションも意図してニッチな感覚なのか、または堂々たるそれなのかは我々も判り兼ねますが、個性を演出するには申し分の無い強さが其々ございます。

 

 

一周するという考えは持合せていないですが、された方へ二周目の御提案が叶えばと。

 

 

SURR by LAILA 鈴木

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梨 / Diary760
2.9.2019

先日の鈴木の綴りで言えば私もポケットがあった方が有難く想っておりますものの、装いとしてを論点としますと “ 在る ” “ 無い ” がどちらも成立する物質であれば無いことによる美しさにややばかり軍配を上げがちですが、とはいえ在った際には必要に応じて, それこそ鞄を排することが叶えばそれにこしたことはない派ですので、ポケットから “ おいおい、俺はここに居るけど何も入れない方が美しいんだぜ ? 仕付け糸あったろ ? そこまで入れるかね。あーあー ” というぼやきが聴こえてくるほど野暮に活用してしまうことも度々ですので、最も好ましいのはポケットが在ってこそ美しく、かつ活用すべき在り方という意図・意思・経緯で成立した衣類です。梨が入るほどの容量を、とまではもちろん言いませんが。

 

この度御提案させて頂きます一着は、それを成立させているのに加えそれ以上に極めて極めて厄介な求心力を私は一目見た瞬間に抱いてしまい大変に大変に困っておりまして、それは以前よりジレの類が好みで、その派生として “ 仕立て概念による袖が無いジャケット ” という服飾史においてどれほど創られてきたのかを想像すると極めて少ないのではないかというもはや偶像的雛型, 雛型として明らかなる稀有な存在価値を有しながらあまり引き継がれることのない存在を求めているという、それこそ厄介なほど強い強い願望を抱いているからでして、これまで出逢えたとて仕立て概念ではなかったり、仕事目的的な間 ( あいだ ) があまりにも強過ぎているがため私にとって美しさがもう一匙足りなかったりとで叶うことのなかった願望が、ある日のパリのある場所で実を結んでしまいました。しまった、生業において出逢ってしまった。君への溢れる恋心は実ることは、ない。と独り言ちたことはいうまでもありません。

 

1900 年代初頭のフランスにて個人発注によって製作された一着は、その道三十年のスペシャリスト・コレクターにとっても初めての存在であり、文化面にまで縦横無尽に波及して服の魅力を伝え続けてきた彼でさえ明確な背景が掴み切れない本当に厄介な存在です。仕立て概念のみで構築されていながら推測する限り日常的な利便性ないし様々な活動目的を集約させた間 ( あいだ ) によって雄弁な機能と美が溢れるポケットが前面に配置されていることで梨は入りませんが多岐に渡っての解釈が叶うだけでなく、一種類の生地のみでぐるりと身体を包み込む構築によって便宜上ジレと記させて頂くものの、弊店にとって本品は意思に則って袖を無くし着丈と襟を削ぎ落した美しい美しいビスポークのアクティヴ・テーラードという解釈となります。

 

 

 

 

 

early1900s France bespoke gillet for gillet.

この一着は私の中で数年前に発表されたとあるコレクションの記憶と結びつきます。未だに私にとっての歴代最高であるそれは、男性が装うという行為を “ 虚しい ” ものとして捉え、空虚な心を埋めるべく美しく彩り、美しく彩られたことで一層空虚さが際立つの男性像, いや、それこそ紳士像を表現したものでした。当時の職人が真心を胸に設計し, 構築し、百年以上の時を吸収したこちらであれば、もしかしたら虚しさも僅かばかり和らぐかもしれません。心の隙間は様々な方法で埋めていきたいものです。酒であったり食であったり、友であったり恋人であったり、バーカウンターで並んだ見ず知らずの人と共に食べる梨であったり。
 

 

SURR by LAILA 福留

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