ブランドに措けるブランドフォント、ロゴを改新する背景にはデザイナーの交代、リブランディングでのイメージの一新。賛否のある中、メゾンブランドが歴史的なイメージを覆してまで変える意味はあるのかと考えつつ、 SNS が発達した現代に措いてストリートブランドの様な一目見て判り誘目を促すようなキャッチーさを求めているように伺えたりと、伝統的な部分に変化を与えたところでそもそもの固定概念に影響を及ぼす点、勿論更新されることによりプラスに働く点もあり、何を変える、何が変わるというのはリスクと成功の隣合せで近年も多く見受けられる事柄だと感じますが。これから紹介する現代に措いても一貫した物づくり、私の尊敬して止まない彼もまたロゴの変更を過去を行っていまして、その理由は明確ではないのですが個人的考察と共に御紹介させて頂きます。聞かれれば彼の物つくりが一番好みだとと答えますが、どこがと聞かれると少し詰まります。なぜなら一言では言い表せないのです。
Ealry 90s Dries Van Noten oversized wool , silk & nylon sweater
御存知の方も多いと存じますので、彼の略歴は割愛しますが、初期から 95 – 96 A / W まで DVN タグ ( 恐らく私しか使っていない名称 ) 、上記の旧タグが使用されています。それまで彼の物つくりは身体へストレスの無い、包み込むようなフィッティングを厳選された素材で表現していたように思え、現代の意図のあるオーヴァーサイズではなく、男性像を彼のフィルターに通した際に強さではなく温かみのある、肩肘貼らない女性的な感性を感じることのできるモダンな物つくりだと私は印象を受けます。こちらは年代の確定が出来ず、92 SS から始まったコレクションショーを発表する以前のピースである可能性もあり、個人的にも興味深い一着。wool × slik × nylon と部分的に編み込みを変えた変則的な構築且つ身体を包み込む無駄の無い ” 余白 ” が当時の彼らしいリラックス且つエレガンスを感じられます。
96 – 97 A / W Dries Van Noten work-style wool jacket
こちらのジャケットに関しましてはタグが変更後、 96 – 97 A / W コレクションの一着。それまでの物つくりに敬意も伺えつつ、時代の変遷にも影響を受け始めたような身体のラインが強調される現代のコレクションにも精通する物づくりへ。ショールックですとブルーストライプのシャツをスリムな同系色のトラウザーズにタックインした正統な佇まい、着丈の短いワークジャケットベースではありますが、ハンドウォームポケットの付く利便性の高さも伺えます。
この 96 – 97 A / W のショーは真冬のパリ郊外の市場で行われ、雪が降りランウェイに焚火が設置されている中モデル達が自由に寒さに耐えながら歩くのですが、こちらを着用していたモデルは凛とした佇まいでウォーキング。なぜならメルトン × キルティングライナーと防寒性にも特化した一着にもかかわらず膨らみの無いスリムな美しいカッティングと申し分の無い逸品。もしくはモデルの彼が寒さに強い体質だったかは定かでは無いですが。生地違いで鮮やかな色味のチェックパターンも確認しましたが、個人的にも襟、身頃の同系色のこちらはとてもでデイリーかつモードな印象にも感じる振り幅のあるとても巧い物づくり、中々無い丁度良さ。
「 時代を超えたタイムレスな服を目指している。 」
彼の言葉が届けばと。
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2018 年間題目であった “ イタリアの風 ” 。厳密にはその以前から主にデザイナーズヴィンテージの区分におきまして精錬し御提案を続けさせて頂きましたが、先日の旅にて私にとってまた新しくかつ念願であった表現区分の出逢いが叶いまして喜ばしく想うと同時に、2018 年以前にはさほど強く想っていなかった方向性が 2019AW 期の今にそれらとようやく巡り合って向き合って触れ合った際に、今までにないほど強く想うようになりました。
Military を Military らしく、Work を Work らしく。Antique を Antique らしく、モードをモードらしく。いずれにおいても私は自分が装う・装わないに関わらず、そのような “ らしさ ” を避けて, もっと言ってしまえば倦厭してこの生業と向き合うように成ってどれほど経つか, いつからかが解らないほどに そういえば気が付いたら のことですが、その想いが弱まることはございませんで、それは例えばどこかのブティックにふらりと立ち寄った際に最新のコレクションで全身を包んだ誰それが居られた時、例えその全身が税の限りを尽くしていたとて驚くほどに惹かれなかった記憶と、弊店を御愛顧くださる皆様方が全て異なる方向性に向いて居られ、かつ様々な世界や分野から自由気ままに抜粋されて組み合わされている姿を眼にし続けている記憶が最たる要因なのだと想いますが、きっとそれぞれの分野をぞれぞれ “ らしく ” 組み合わせて着こなすことは形に成るでしょうしきっと絵にも成るのでしょうが、簡単に申しあげますとそれら通説は弊店が御提案させて頂く必要はなく、であれば想像すらしなかった組み合わせや着こなしを御提案したいと, 御提案する挑戦がしたいと想い続けている次第でして、しかしながらそれらもまた時に結局のところいつかは通説的に成ってしまうのでしょうが、それに気付けた時や想い付けた時や見つけた時の高揚感は確実に、その時間のその瞬間にしか在りません。何を言いたいかと申しますと、皆様方には引き続き是非に、それぞれ異なる方向性を向いて自由気ままに御愉しみ頂き、時に弊店が何かと御縁結ぶお手伝いをさせて頂けましたら幸いです ということでございます。
この度御披露目となります新作群は全てイタリアの仕立て、サルトリア職人による品々。きっと通説に則られ続けて今に至る存在かと想いますが、弊店では同じ看板でありながら時代を遡ることで変化する諸々, 例えばハウスの規模が小さくなるからこその美しさの要素であったり時代の独自性と結果的な不変性の緩急であったり, 素材の精製職人と仕立て職人による純真無垢な姿勢とそれに伴う仕上がりであったりとした現在の品々との差異、場合によっては違和感を弊店なりに精一杯の誠意を込めて、通説に則ることなく御提案させて頂けたらと存じます。
これらにおける通説は言うなれば着こなしなのですが、それは結局のところ不変的ですので良し悪しという概念でもございませんし、一個人としてはとても好きな世界観です。ただ単純に手前どもが御提案するまでもなく、生活を共にしたら時や場合や気分に応じて必ず成されるものであり、好き好みで様々な微調整あれど格好良くないはずがないということでして、なによりもきっと通説に則られ続けて今に至る存在だからこそ想像の枠組みというものが出来てしまっているのではないか、向き合う前に選択肢に入らないのではないか と想うがゆえ、この表現区分に関しましては特に通説に則らない, “ らしく ” 向き合わないという御提案をさせて頂きたく想います。
New arrival, Vintage sartorial collection.
カシミア100%, カシミア100%, ニュージーランド・メリノウール, カシミア100%, カシミア70%とウール30% 。スーツ的であったりビジネス的であったりトラディショナル的な解釈は絶対に大丈夫ですので、是非ともピンクのスウェットであったり着古した肌着であったりジャージであったり、“ それ、ごわつかない? ” 的な郷愁溢れるニットと共に今を闊歩して頂きたく想います。
全て視界を無くし “ 着心地 ” のみでの判断を入口に選択致しました。引き続き弊店にとって欠かせない要素であり、御興味頂ける御方とそうでない御方に別れるテーラードジャケットですが、私にとってこの着心地はこれまでのそれらと良い意味で異なります。これこそまさに Maker vintage 。
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気温も落ち着いたところで保温性に特化したものを御探しになられる方も多く感じる良い季節に入りました。私的にもどうも上着上着と考えがちですが、装いの愉しさ、豊かさには下半身の重要性を感じます。一週間に毎日異なる洋服で過ごす方はごく少数だと私は思い、お気に入りの上着は毎日で着たい性分ですので、それに付随するとあいつ毎日同じような服装だななんて一人の出っ歯の友人を思い浮かべますが。一つのアイデンティティーに感じる要素もあり、 ” 自分らしさ ” を主張するには何も問題は無いせすが、気分を変えた目新しさを御提案したい、感じて頂きたいと思える季節感溢れるトラウザーズを御紹介をさせて頂きます。
New Arrival ➡
80s Valentino Jeans wide wale corduroy trousers ” navy ”
90s Armani Jeans slim wale corduroy trousers ” dark navy ”
50s French work corduroy trousers ” brown ”
日本に措けるコーディロイ素材を考えるとアメリカントラッド、IVYから派生したイメージが大きく、その流れを受け=カジュアルな装いと捉えるベースがあるかと存じますが、時代背景は 16 世紀後期にこの素材を気に入ったルイ 14 世が仕事着の為に王宮の庭師の制服とした、又はイギリスの毛織産業から始まったと所説あり、その後は上流階級の為のハンティングジャケット、ワークウエアに使われる素材へ。面白いことにアメリカでのコーディロイの流行も、エリートへ向けた大学から派生している何とも知的な素材。Armani Jeans 、Valentino Jeans に関しましてはその名の通り気品溢れるマテリアル。テーラードジャケットを合わせても決して劣らない滑らかな質感、カッティングも上品且つ自然な美しさですのでそれこそ普段通りの装い +α で。French work Trousers に関しては文句の無い、某メゾンのサンプルソースとしての認識度の方が高いと疑うくらいに完成形。ボタンフライ下の金具、言う事無いです。上記3点とも美しいナチュラルなカッティング、太畝=カジュアル、細畝=ドレス的要素と一つの定義文を目にしたのですが、私は関係なく普段の装いに合わせて、凹凸から生まれる空気を含ませた保温性の高さからなる実用面をと御推奨させて頂きます。
補足ですが、日本国内に措けるコーディロイ ( コール天 ) 産業の 90 % のシェアは静岡県遠州地域、産業の立役者は現・豊田自動車の創設者だそうです。面白い。
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