混乱の向こう側 / Diary794
19.11.2019

防寒においても機能においても有用性が高く、“ 今年は ” という文言が良い意味で付随しない不変的なコートの類の中でも、外套における変化の過程の中でも特に眉目秀麗さを目的としたことで産まれたチェスターフィールド・コートは、これぞな一着に出逢うことで “ 私の人生におけるこの種別は、もうこの一着で上がりだ ” と長く永く愛したい存在, 愛してしかるべきでありながらも、装いや存在感の細分化が豊富であるがゆえ、これもあれもと惹かれずには居られない蠱惑的な存在でして、こと私も五年以上これぞな一着を探し求めながら出逢い叶わず拗らせ三昧なのですが、この度の新作群のような品々を眼にし, ことこのような一着を眼にしてしまうことで私のチェスターフィールド・コートを求める旅は今まで以上の一層暗礁に乗り上げ、混乱の向こう側に辿り着くことは明白です。

 

 

 

 

セットインスリーヴの確かな男性的妖艶さと豪奢なピークドラペルに、むせ返るような紳士香を漂わせる肩。現代において繊細かつ確かな核としての効能を発揮するそれら時代性は全てサルトリアルの確かな職人技術とバランス感覚によって成り立っており、真に重厚な男性性を発揮しつつもそこはかとなく華やかな、それこそ男性の装いにおける美しさを追及して産まれたチェスターフィールド・コート元来の眉目秀麗さを感じます。


 

なんと申しますか力業一本の無双感と申しますか、無意識に “ 鳴々格好良い ” と口にしてしまいそうな問答無用感と申しますか、強く在り美しくも在る男性的な刺激性に心血全てを注いだかのような存在感の最終的な決め手と成ったのはここでもやはり生地でして、漆黒と灰に朱赤を文字通り散りばめたヘリンボーン・ツイルの無口な紋様を決して詰め過ぎることもなく緩くもない織りで仕上げることによっての滑らかさとしなやかさと重厚さの調和, 羊毛の視覚的な親和性, そして素材表情は、その分野における専門家であり老舗である当看板ならではで、サルトリアルの職人技術と相まることでの怪物のような格好良さは、チェスターフィールド・コートならではの存在価値と不変的な男性像の存在価値と時代を越える上質さの存在価値の三要素を簡潔に現わしています。


 

 

 

 

 


80s Ermenegildo Zegna double-bleasted chesterfield wool coat

 

 

SURR by LAILA 福留

03-5468-5966
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純 / Diary795
20.11.2019

こう在らなくてはチェスターフィールド・コートではない

 

 

なんて言うつもりは毛頭ございませんが幾つかの要素が重なることでより雛形性が強まる側面が在るのも一つの事実でして、そのようなヴィンテージ / アンティークに出逢い, 更に選びたいと想える確率は個人な印象ながら極めて極めて低いものですから、より礼節性と華やかさを演出してくれるヴェルヴェットの上衿や、着丈が短くなってゆきテーラードジャケットが産まれたことを如実に感じさせてくれる曲線的な仕立てや装飾性や、行儀の良さと正統性の証と成る膝丈の調和などが相まる一着に出逢えると、そしてそれが反論の余地も否定の余地も許さないほどに威風堂々とした美しさを有しているとなると、さらにそれは純正のイタリー・クリエイションという同社において極めて異質な製作背景が実現したものという事実が在ると、品としての存在価値ならびに装いとしての存在価値に心から敬意を称し、先日鈴木が綴っていたとて御提案せずには居られません。

 

 

 




 

 

 

 

 

70s Itary Burberrys chesterfield coat for DAVIDE CENCI.

純チェスターフィールド・コート。

 

 

SURR by LAILA 福留

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正統と装飾 / Diary 793
18.11.2019

70 s Burberry ‘ s chesterfield coat for DAVIDE CENCI.

模範の様な正統派チェスターフィールドコート。Roma ・ NY ・Milan に店舗を構えるおよそ 90 年続く老舗のブティック ” DAVIDE CENCI “ による Made in Italy の物つくりの背景に、しっとりと滑らかな Lana Wool の表地に。本来強調されるはずのショルダーラインもとても穏やか。英国的なクラシカルな厚みのある生地、ショルダーラインも勿論好みの上、紳士的な要素を多く感じられますが、生産背景が異なる今回のコートはまるでイタリアンテーラーの様な身体に馴染む、色気を持ち合わせた美しいリラックスムード。上襟がベルベットのデザイン性の意味は当時弔いを表していたそうです。近年の Burberry ‘ s のコレクションを伺ってもダブルが主流、前合わせがシングルのチェスターコートは見当たらないのは個人的に少し寂しく感じました。インラインにはあるんですかね ? 伝統的ノバチェックでは無いシンボルマークが散りばめられたのビスコースの裏地もまた乙です。

98 – 99 A / W Dries Van Noten chesterfield down coat.

個人的解釈ですが、当時のコレクションの映像を目にしても相当資金を掛けて取り組んでいるシーズンだと感じ、現代のコレクションで発表しても引きを取らない程圧巻な内容。レイヤードのバランスが素晴らしく色彩も含めとても好みなシーズン、この 2 シーズン前のモデル達が全員ニット帽を被っている秋冬コレクションも好みですが。先程、御紹介した Burberry ‘ s の正統派チェスターフィールドコートとは異なりこのシーズンは遊び心のあるデコラティブな要素を取り入れ始た Dries 氏、前立て裏に仕掛けられたファーと裏地には保温性に特化したキルティングライナーのコントラスト、表地にはコットン & 化繊の混合だと思われますが、光の加減により色味の見え方が変化するシャンブレー織りの様な生地。太陽光の下では下糸のオレンジとカーキの中間色の様な黄味の強さ、室内ではネイビー、チャコールグレーの中間色の様な御色味。素材で 2 way 気分が味わえるなんて何とも贅沢だと。装飾的に見た目とは裏腹に軽量且つ保温性にも優れている逸品、個人的に襟を立て、前ボタンの一番上まで留めて頂くと良いバランスを愉しんで頂けると感じます。

 

上記 2点 共サイズ 46 – 48 相当のグッドサイズ、是非店頭にて御待ちしております。

 

 

SURR by LAILA 鈴木

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