桜 / Diary1196
9.2.2024

地産地消ってわけではないですが、買付の旅をしていて度々に噛みしめるのは“本国だからこそ出逢える”という現実でして、どれだけ慣れ親しんでいたとしても新たに驚かせてくれる存在がまだ在り続けてその都度楽しくて堪らないのは私のこの生業における大きな原動力の一つですし、仕事として向き合っていながらもそう思える瞬間があるのは本当に幸せなことだと切に思いますが、その逆で“本国じゃないからこそ出逢える”ってのは在りそうでなかなかどうして無くって、前者が高確率で興奮させてくれるのに対して後者はほとんどさほど興奮できないのですが、不定期ながらかなり興奮する縁を結んでくれるのが先日御提案したレザーウェアを所有していたフレンチカルチャーの専門家であり心の師でもあるコレクターさん。以前もリーバイスの2ndジャケットを譲ってくれたのですがそれこそ約10年前なので本当に不定期なんですよ。

 

 

“どうケンタ、パーフェクトだろ?”と着ているコートを自慢してきたと思ったら譲ってくれるコレクションピースで、いわく気に入ったので着ていたとのこと。本当に本当にパーフェクトなそれは70年代のクリエイションでコットン×ポリエステルのバーバリークロスの個体だったのですが、御散歩コートの名に相応しいBIGサイズかつ稀有なフレッシュコンディションというこの世界観における類まれなる存在価値でして、こんなの本国でも滅多に出逢えないよと独り言ちずにはいられない逸品中の逸品でした。これまでに数多く目にして手にしてきたプロダクトで改めて驚けて興奮できるって、本当に本当に幸せ。

 

 

しかもそれ表地が定番のベージュよりも薄いクリーミーなカラーリングなのですが、裏地がピンクがかっている影響でうっすらとピンク色なんです。例えるなら桜でしてあの花びらって一枚でじっくり見るとほぼ白じゃないですか、でも木としてみるとうっすらピンク色。そんな素敵過ぎる色なんです。余談ですがメインカメラのLEICAではどう頑張っても裏地のピンクが表現できませんでした。色調整しても良かったのですが試しにSIGMAで撮ってみたらバッチリ、良かった良かった。

 

 

 

 

 

New arrival,70s Burberry one piece sleeve bal collar coat

 

“どうケンタ、パーフェクトだろ?” タバコを咥えながら口角を上げてニヤリとこちらを伺うあのドヤ顔は今でも目に焼き付いています。うん、本当パーフェクトだよ。

 

 

SURR 福留

ちょっと先、ちゃんと春 / Diary1195
8.2.2024

数年前からもうなんとなくいらないかな時代的に な気分になったのでそれまで定例であったシーズンの立ち上がりという概念と言うか感覚と言うかを無くし、より今着たいし着れるようなその時その時の旬を意識するようになっていますが2月ってだけであら不思議、一気に春な気分がムクムクと沸き上がってきてしまいまして、MYプライベートインスタアカウントの何着てたか投稿を遡ると去年の3月1日は薄くないけど暑くもないカシミアセーターにレザーシャツを被ってブルージーンズとけっこうしっかりと春な格好をしていたので(何着たか投稿、こうやってかなり重宝しています)、あと一か月もすればそんなテンションかぁということで雪も降ってやっぱりちゃんと寒くなりましたがやはりちょっと先、ちゃんと春な御提案をしたくなり今週の新作群に至ります。気分的にはSPRING SUMMERの1stセレクションです。

 

 

 

相変わらず秀逸な80年代ヴァレンティノのアウターシリーズ、こちらは名門Jeansレーベルによるバルカラーのデニムハーフコートwithワークディティールという秀逸な一着です。ヴィヴィットなグリーンのロゴ刺繍ハーフライニングって、粋過ぎー。

 

同じくヴァレンティノクリエイションでこちらは滅多に出逢えないRainレーベル、PUREコットンツイルのリバーシブルという素晴らしい一クリエイションです。ちなみに首後ろのブランドラベルが縫い付けてあるのですが、もちろん気にしない人はそのままどうぞ。

 

CHIRICOからもろに影響を受けてセレクションしたAdidasトレーニングパンツ、いざ向き合ってみるとジョガータイプじゃなくてクラッシックな70s個体って、地味に稀有な気がしました。

 

猛烈に久方ぶりなGucciのビットローファーはAdidasと同じコレクターさんの下で出逢えたのですが、目に入った瞬間にトレーニングパンツと合わせてほしいなと思ってしまいました。バンブー付きってまた洒落ていますねぇ。

 

これこそ真のスリーシーズンコートなフルセットトレンチコートもまた猛烈に久方ぶり。ほとんど着られていない真っ新なコンディションと様々な御提案が叶う理想形に近しいサイズ感ということもあって、真っすぐで圧倒的な説得力の衝撃破をしとどと浴びてしまいました。そうだよなぁこれが本物だよなぁ、ずっと店頭に並べておきたいなぁと心から思う弊店にとってのスペシャルです。

 

これも問答無用にスペシャルな真っ新に近いコンディションで理想的なオーヴァーサイズ、色も王道なようで絶妙に個性が宿っているんです。先のトレンチと異なるベクトルながら同じくの衝撃波を浴びせてくれた一着。

 

モードヒストリーには時代やデザインの転換期を創った特に最重要な人物が幾人かいますが、私はジョルジオ・アルマーニもその一人であると心から思っています。女性を解放しスタイルを飛躍的に進化させたシャネルに対して、それまでの文化に女性的な要素性を混在させることで男性を解放したアルマーニ、1976年に発表されたその独自服飾論によって男性の可能性が格段に広がったからこそ昨今の幅広いメンズモードが在ります。このコートはその初期衝動性を特に秘めた80年代初期のクリエイション、弊店はこれをトレンチコートと呼びません。トレンチコートを再構築(REBUILD)したデザインコートと呼びます。

 

 

 

 

 

New arrival,2024SS 1st Selection.

 

 

SURR 福留

新しい顔その2 / Diary1194
2.2.2024

リュネット・カルティエに続きましては不変で不朽で王道のフレンチフレーム、新作15点中13点です。高まり続ける市場価値や復刻によって既に市民権を得た感があるクラウンパントの存在価値などヴィンテージアイウェアの世界もここ数年でだいぶと変化してきましたが、例え姿かたちが近しい現代のそれらがあったとてヴィンテージカルチャー特有の職人技術力の尊さは変わらないし時間を吸収した素材感の説得力は圧倒的なので私はやっぱり眼鏡はヴィンテージ一択で在り続けてきましたしこれからもそうでしょう。初めて買ったのがフレンチフレームってのもあってこの世界観は馴染むと言うか落ち着くと言うかしっくりくると言うか。好きよ好き好き。

 

 

 

40年代から60年代まででメタルフレームが4本、プラスティックフレームが9本。今回は全て室内でもかけられる薄めなカラーレンズに統一したのですが私が初めて私用した薄めのカラーレンズが濃さ30%のブルーだったので今回のレンズセレクトは13点中4点がブルーになってしまったことを先にお詫び申しあげます。当時は周りに薄いカラーレンズかけている人がいなかったのですこぶる不評だったのですがなんだかんだで好きなんです。もちろん必要に応じてレンズ交換してくださいませね。

 

 

 

 

 

New arrival,40-60s French Frame Selection.

 

視力が良い人はフィッティングさえすればすぐにかけられるしより感覚的に選べるから羨ましいなぁと思いつつ、まぁ視力が悪いからこそ素直に眼鏡がかけられるし羨ましがっても仕方ないかと思いつつ、皆様の素敵な新しい顔を横目でチラリと覗かせて頂けましたら幸いです。ちなみに私は長年のアイウェア生活によってどんな眼鏡でも私は似合うと思い込むようになり、事実その気持ちで向き合うのでほとんどが似合います。もちろんレンズの中央に黒目の中心が位置した方が良いなど幾つかのガイドがありますが、それもあくまでガイドな印象でその他ファッションプロダクトと同じく“まずその物が好きに成れるか”が最初であり最大の必要条件ではないかと思う次第です。

やっぱり寒くなってくれましたね、御自愛くださいませ。

 

 

SURR 福留

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