急に寒さが増してきましたね。ここ数日は、朝外に出るとひんやりした空気に包まれて、思わず肩をすくめてしまうような気温になってきましたし、そろそろコートの出番かと。 コートはただの防寒具ではなく、冬のスタイリングを考える上で欠かせない存在。シルエットや素材感、カラーの選び方ひとつで、その日の印象がぐっと変わりますし、シンプルに羽織っても十分に決まり、逆にインナーや小物をどう組み合わせるかで全体のバランスや表情も大きく広がっていく。だからこそ、この季節は「どのコートを主役にするか」から考えるのが楽しいんです。 ということで本日は、そんなコートを主役に据えたスタイリングをこれからご提案していきます。自分らしい着こなしを意識してみましたので、是非イメージを膨らませながら見ていただけたらと思います。


インナーは、カシミヤのニットにカシミヤシルクのベストを重ねています。やわらかくて軽いカシミヤの心地よさに、シルク特有の光沢感が加わることで、ただ暖かいだけじゃなく、着る人の気分まで上げてくれるような組み合わせで、インナーだけでしっかり存在感がありつつ、あくまで自然に馴染むところが気に入っています。 パンツはヴァレンティノ。落ち着いた色味とほどよいゆとりのあるシルエットで、全体を下から支えてくれる存在で、ラフさもありつつ綺麗に見えるバランスが、このスタイリングの土台を整えてくれています。 そして羽織ったのはジョルジオアルマーニのトレンチコート。自分は重厚感のあるコートよりも、軽さのあるオーバーサイズ気味のものを好んで選ぶことが多く、インナーをしっかり重ね着することで、調整するスタイルが好きなんです。そうすることで肩肘張らずに着れますし、レイヤードそのものを楽しめるのもポイントかと。アルマーニらしい余白のあるシルエットが、そんな自分の好みともぴったり合っています。
全体としては、インナーは、カシミヤを重ねて暖かさを作りながら、外側は軽やかに仕上げるスタイリングで、防寒だけじゃなく、着ていてストレスのない心地よさや、自分らしい空気感を大事にした冬の装いです。
SURR 古川
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最近、お客様から「メンズでもスカートに挑戦してみたい」というお話を耳にすることがあります。性別や固定観念にとらわれず、ファッションの幅を広げて楽しみたいという気持ちをとても素敵だと感じています。そこで今回は、そのテーマにフオーカスして店頭の商品を軸にスタイリングを組んでみました。実は自分自身も今年に入って既にスカートを3点購入しており、日常のスタイリングに取り入れる楽しさを体感しています。今回はそうした実体験も踏まえてご提案させていただきますので、ぜひ新しいバランス感を楽しんでいただけたらと思います。


今回のスタイリングは、スカートとトラウザーズをドッキングさせた特別なボトムを中心に組み立てています。シューズの甲が見えるか見えないかぐらいロングなスカート、そこにロングコートを重ねることで、縦のラインが一層際立ち、全体のシルエットがすっきりと洗練された印象に引き上げられますし、シンプルな配色ながらも、裾にかけて重なり合うレイヤードが、見る角度や動作によって異なる表情を見せてくれるのもポイントです。特に、横や正面から感じられる奥行きは、このドッキングデザインならではのユニークさと言えます。
スカートとトラウザーズが融合したボトムス、挑戦的に見えながらも実際には自然に取り入れられるデザインですので、おすすめです。ボトムス・ジャケット・コートは、店頭にてご用意しておりますので、直接生地の落ち感やシルエットの揺れを体感していただければと思います。
SURR 古川
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オリジンヴィンテージ,ワークだったりミリタリーだったりアメリカンプロダクトだったりと、ヴィンテージファッションがある程度根付いた頃から在る文化のヴィンテージを勝手ながら弊店ではこう呼んでいます。まぁクラッシックなヴィンテージですかね、もしくは平たく言うと“ベタ”ないし“王道”なヴィンテージでしょうか。の、レザープロダクトを前回セレクションしたのが丸々一年前くらいで、その頃は本当に幸運なことに直前の買い付け旅順でしっかりと出逢うことができたので弊店としては相当数のラインナップが叶いましたが今期は予想通りと言ってはなんですが、そうはいきません。でも一着でも二着でも出逢えただけ幸運に思えるのが正直なところ、負け惜しみでもざれごとやうわごとじゃなくてね。ヴィンテージカルチャーで上質な品々に出逢うのってかねてより本当に大変ですから、それは昨今特に感じるヴィンテージの流れ(ありますよね?)とは大筋関係はございません、元々上質な品々に,“ちゃんとした”品々に出逢うのって本当に大変なんです。



なのでこんな時代にも関わらず親愛なるコレクターのもとでフランス空軍のアヴィエイタージャケットと出逢えた時は本当に嬉しかった。しかも三着まとめて、しかも一着は着脱式襟完備で一着はこれまでに出逢ったことがない“とある個性”を秘めた非王道個体で。このフランス空軍のアヴィエイタージャケットを初めて目にした時の衝撃ったら今でも忘れていません、“何これクッソカッケーじゃん!” “しかも軍モノなの?超デザインカッケー!” “うわ着てもカッケー!”。今でも全く同じくに思います。こういった幾つかの服飾史に濃密な影響を与えたオリジンのおかげでヴィンテージがどんどんと好きになっていったんだよなぁ。



この文化に置いて実は相当に細かく細分化されているので個体によって著しく諸々が異なるダブルブレスト構築の政府関連企業及び国営企業のためのフレンチワーク・レザーコート個体、これは本当に“当たり”です。テーラードジャケットを若干香らせるスタイリッシュでスッキリとした雰囲気ながらしっかりとガバッと羽織るコートで居てくれるシルエットバランス、オリジンヴィンテージらしくある程度着込まれていますがおかげで生じているこの時代の最上質なシープレザーならではの異常なまでに美しい迫力のテクスチャー。そういえば昨年オリジンヴィンテージのレザープロダクトをセレクションした際あまりにもコンディションが良過ぎてボタンが留められないなどの支障をきたしてコンディションが良いことが現代の着こなしに置いてマイナスになるという異常な逆転現象が巻き起こっていたなぁ。これはその逆、即心地良く身体を守れるヴィンテージコート。



90年代フランスのアノニマスデザインレザーコート、その旅順においてBEST3に位置したハイライトの出逢いでした。Anne Marie Berreta hommeかな?Claude Monatanaかな?Thierry Mugler hommeかな?それらいずれかではありませんが、それらいずれもを内包したモードデザインの歴史が産んだギミックギンギンの謎のクリエイションでヴィンテージハーフコートという楽しい個性、しかもしっかりと上質なバッファローレザーの大迫力でちゃんとヴィンテージの風合いが感じられる、かつちゃんと重過ぎない。良い意味でこれまでに弊店で御提案してきたヴィンテージプロダクトと異なるベクトルでそれが何より楽しい。そういえば何周もして逆に最近使ってないかも“モードな”って形容、これは素直に思える“モードな”ヴィンテージレザー。

New 50−90s French Vintage Leather Selection
SURR 福留
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