長年着れる洋服 / Diary1358
4.12.2025

 

このタグを目にするだけで、テンションが上がる!そう感じる方は少なくないはずです。現代において、最も”ホット”なデザイナーズブランドの一つと言っても過言ではありません。近年の流行りで言えば、Y2Kファッションが大きなトレンドに。しかしその流れが落ち着き、明確な流行が見えにくい今においても、ヴィンテージのアルマーニは変わらず最前線に存在し続けていると感じます。 私が初めてヴィンテージのアルマーニを手にしたのは、大学1年生の時でした。購入したのは一着のレザージャケットで、“なんかいいんだよね”というシンプルな理由から、今でも大切に着続けています。直感的に「いい」と思える洋服には、不思議と欠点がありません。自分の中の流行が移り変わると、サイズ感の好みや色味の気分など、様々な理由で以前の服を着なくなることは自然に起こり得ます。しかし、大学時代に手に入れたあのアルマーニのジャケットだけは、気分が変わってもつい袖を通してしまうのです。 本日は、そんなふうに流行の変化に左右されず、長く“なんかいい”と思わせてくれるジョルジオアルマーニのコートをご紹介いたします。アイテム自体はすでにInstagramにも掲載しておりますので、今回はその着用感を見ていただきたいです。

 

 

 

サイズ表記は50で、正直、細身の自分からしたら「さすがにオーバーでしょ」と思っていましたが、数字だけ見れば、肩も身幅もけっこう余る感じを想像するじゃないですか。でも実際に着てみたら、そのイメージが一瞬でひっくり返りました。 というのも、このコートはウールギャバジンならではの光沢と伸縮性があって、生地がすっと縦に落ちてくれるんです。ほんの少し伸びる感じもあって、体のラインを拾うというよりは、沿ってくれる感覚に近いです。 本来オーバーに見えるはずのサイズ感なのに、変に膨らんだり広がったりしないで、自然と形がまとまるんですよね、肩に入れた瞬間にストンと下に落ちて、余白はしっかりあるのに、ルーズすぎずのちょうどいいバランスになってくれて、これを着た瞬間、「あ、これ表記は関係ない洋服だな」ってすぐ分かりました。 私にとってオーバーサイズになる、50の表記がネガティブに働かず、むしろ“このくらいの余裕がちょうどいい”と感じさせてくれる。 それぞれの体型に自然と馴染んでしまう洋服、肩幅や身幅の数字だけで判断するのがもったいない一着です。

 

 

 

着てみて初めて分かる良さってまさにこういうことで、アルマーニが長年愛されている理由のひとつが、この「体型が変わっても不思議と合うパターンと生地」にあるんだなと改めて感じました。

 

 

SURR 古川

根幹にある性2 / Diary1357
28.11.2025

先週のバッグに御興味くださった皆様方、誠にありがとうございます。これまでと同じく一点ものゆえ御一人への御案内しか叶わないことは相も変わらず心苦しい限りですが千古不易だからこそヴィンテージはアンティークは心躍るというもの。しかしながらその節は弊店においては身に余るほどの御興味と御注目を承りまして嬉しい限りでしたので、その御礼と言っては偉そうですがその気持ちをささやかながらフロントポケットにこっっそりと忍ばせまして今週もバッグを御披露目することにしました。

 

 

皆さまクロスボディバッグはお好きですか。私は好きです、というか人生で初めて特に強い意識と意志を胸に秘めて選択した“ちゃんとした鞄”がクロスボディバッグでした。その選択は自分にとって急ぐべきではないし急げるものではなかったので結果的に数年を費やしたのですが、その期間様々なブランドやメーカーを調査して精査した結果辿り着いたのがHermesのそれでした。せっかく人生初のちゃんとした鞄なのだからレザーが良い→このブランドのこれは格好良いけど本体が重い→そのメーカーのこれはシンプルに好みに届かない→本体が重くないしレザーの風合いも格好良いしシンプルにデザインが好み=Hemresだったわけでして、この経験がSURRで御提案する鞄のほとんどがVintage Hermesである要因なことは言うまでもありません。形状は迷いましたが当時の私は自分が必要とする適切な容量のサイズ感が好みかつ両手が空けられることの優先順位が高かったのでクロスボディバッグを選択したのですが、まぁ余裕がある容量の強みであったり身体にストラップの負荷がかからない良さであったりとクロスボディバッグと日々を過ごすことで感じることも思うことも様々。とはいえ人生のフェイズにおいて変化する必要条件ながら今でも愛用していうことはこれまた根幹にある性と合うのでしょう。

今回御提案するクロスボディバッグは共に同一のモデルで色違いなのですが、これは本当に良いプロダクトです。男性的な要素性が強いクロスボディバッグが著しく少ない歴代Hermesバッグモデルですが、こちらは申し分なくメンズスタイルにフィットするサイジングとデザイン性とストラップの長さ。それこそ某ファッションデザイナーのメンズクリエイションの初代レベル?で最初期に製作され今なお探している人が多いであろう象徴的な鞄はこちらのプロダクトが元になっているほどですから、シンプルにストレートに男性のチャンネルに合わせていただけると思います。あと容量がとってもとっても良い感じ、結構入りますが構造がシンプルな箱型ですのですっきりと御利用頂けるかと。外側のスリットポケットが間違いなく猛烈に便利なんですよねぇ。

 

 

 

 

 

New 1998−1999s Hermes Taurillon Clemence cross body bag

 

Hermesレッドカラーが1999年のクリエイションでブラック×キャラメルフラペチーノカラーが1985年のクリエイション、バックルの配置やジッパーなど細かな違いがありますが同一の個体です。ちなみにキャラメルフラペチーノカラーなんて色名はありません、ただ私が気分で名付けました。ちなみにHermesレッドという色名はあります、素敵やん。

 

 

SURR 福留

 

 

肩掛けスタイル / Diary1356
27.11.2025

 

店内の入り口近くにディスプレイしているマネキンが、肩にセーターを掛けたスタイリングだったことから、ふと「この着こなしのインスピレーションはどこからきているのだろう」と気になり、福留にお伺いしたところ、2013年の『POPEYE』を数冊持ってきてくださり、ページをめくると、そこには複数の“肩掛けセーター”のスタイルが並んでおり、少しラフで、力の抜けた雰囲気がとても新鮮に映りました。

 

 

 

今でこそたまに、コレクションルックで見かけることのある肩がけスタイルですが、まさか10年以上前の2013年からすでに提案されていたという事実には素直に驚かされました。そして何より惹かれたのは、難しく考えずに「家にあるセーターを、マフラーのような感覚で自然と肩に掛ける」という、純粋さです。

 

 

 

スタイルを作り込むというより、日常の延長線上で生まれる自由さが感じられ、改めて考えすぎない大切さを実感しました。

 

 

SURR 古川

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