


街中にいたのかネットスナップで見つけたのかはたまた映画か、今となってはきっかけを忘れてしまいましたが数年前から乗馬ブーツをファッションとして履きたいと思うようになりまして、日本では全く見かけないもののフランスだとやはり御国柄か無いわけではないんですよ男性用の本物の乗馬ブーツって。もちろん沢山ではありませんよ、私の仕事環境では男性用の特に上質なファッションプロダクトを専門的に扱っているコレクターのもとならば数足出逢えるといったところでしょうか、まぁこれは御国柄と言うか文化柄でしょうね。この欲求においては乗馬ブーツ風ではなく本物の乗馬ブーツであることが直感的に肝要だったのですが、となると私の身体には合わないったら合わない。筒の部分が太過ぎたり長過ぎたりに加えてそもそもにおける足のサイズが大きく関わりますから自ら本物の乗馬ブーツに固執した結果、選べない要因となったのは本物の乗馬ブーツたるゆえんそのものという落語のようなオチだったものの、先日の旅順でたったの一足ではありますがようやっとファッションとして履ける乗馬ブーツに出逢うことができました。しかもParabootsの大元会社でありフランスにおいて無形遺産企業に登録されているRichard Pontvert社の一足という弊店においては奇跡とも言える個体であり、筒形状が独特ゆえこれまた面白いことに普段25.5cmの私の足でも26.5cmの古川の足でも心地良いというユニークなスペックに着地。もしかしたらこれが最初で最後のファッションとして御提案する本物の乗馬ブーツになるかもしれませんが、人生を彩る伝統的でありながら良い意味で馴染みのない鮮度に満ち溢れた靴として、是非にいかがかと存じます。



そのフランス文化に満ち満ち溢れた翌日に出逢えたのがこれまたフランス文化マキシマムな一足。革靴の会話において度々“最初の一足”的な話題になるのですが私は一貫して内羽根のキャップトゥを挙げてきました、まぁ本当の意味合いで強いて言えばではありますが。あくまで参考値でありそれに縛られる必要がないと言うか、それに固執することを私は良しとしませんし好みませんが知っておくことには意義があり縛られずに固執しないのはあくまで認識したうえでという気持ちな要素がTPOで、そのTPOを加味した時に当てはまりやすい・ある種有用性が高いのが内羽根のキャップトゥ、さらに言えば表革のブラックカラー。これが個人的に強いて言えば最初の一足に相応しいと思う理由です。それは個人の体感ではありますものの社会的に奇をてらった要素性が一欠片もないのでイコール誰にでも当てはまると思っておりまして、となると“世界中に需要なあるものには滅多に出逢えない、なぜなら一度手に入れたら手放す必要がないからだ”の弊店におけるヴィンテージあるあるが隅から隅まで当てはまりますから、本当に久しぶりです内羽根のキャップトゥ、さらに言えば表革のブラックカラー。しかもオリジナルシューキーパーとシューズバッグとBOXが付属した完全体状態、かつ一度数時間履いたのみ(ファーストオーナー証言)という条件を加味すると言うまでもなく初めての個体です。こんなことを言うと身も蓋もないのですが、このような条件をヴィンテージで探し求めるよりもとっととオフィシャルブティックに行って揃えた方が早いし確実ですが、十数年でもレザーポテンシャルは充分過ぎるほどに変化しますし、同じ意匠の内羽根キャップトゥ,オフィシャルの言い方だとキャップトゥのオックスフォードは存在しませんのでサイズ表記6Eの御足の方、今がチャンスです。そもそもにおいてとやかく言うまでもなくシンプルに滅茶苦茶格好良いですからキャップトゥのオックスフォードでブラックカーフ。

New 70s Richard Pontvert leather jodhpurs boots & 00s J.M.Weston cap toe Oxford black calf shoes
ジョッパーとオックスフォード、全然違う見え方と在り方ですが共にフランス文化マキシマム。前回のグリーンコートもそうですが、先日の旅順は本当に革に恵まれました。
SURR 福留
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弊店が愛し敬愛するヴィンテージカルチャーの一つにEast Westがあります。ちょうど10年前にささやかながら弊社の真のアーカイヴを交えたエキシビションを催したりと弊店では勝手ながら馴染みの深い存在ながら深淵まで御紹介するとなるとちょっとした小説ぐらいの文字量になりかねませんので、元々楽器屋だった会社が興したレザーウェアブランドのため正式にはEast West Musical Instruments Companyという長名であること,サンフランシスコに居を構えていたこと,当時のミュージシャンや銀幕のスターたちがこぞって愛用していたこと,突如現れたレザーテーラーリングという新たなファッション哲学によってその業界が盛り上がり結果的にパイオニアであったEast Westが10年弱で姿を消したこと,そして生み出すデザイナーも受け取る顧客たちもドラッグ愛用者が多数であったこと,そして弊店の感覚ではありますが服飾史を彩ってきたモードデザイナー全員が影響を受けた存在であること。触れるのはこれくらいに留めておきます。
控えめに言って伝説的なブランドであったEast West。前述の通りレザーテーラーという新たな哲学と称されることが多いかと思いますが私はそれ以上にモードなレザーウェアの原点がそこにはあると思います、バイカーだったりアヴィエイターであったりといわゆる防護服・防寒服であったレザーの洋服にファッションの概念を,後のモードデザインの源流を見出したのがEast Westであると。そして様々なモデルが存在しそれぞれに名前が付いているという素敵さでも知られていますが、私はこれまでそれぞれのデザインに過去のファッションカルチャーの気配を感じることはありませんでした。あくまでEast WestのデザインはEast Westから、それ以前には無いと思い切っていたのです。そしてそれはドラッグカルチャーという時代と土地の縁があって育まれたものであると。
ゆえに個人的にこの一着との出逢いは衝撃的でした、アレ?日本だと人気ランキングTOP10には食い込むであろうモデル,Winchesterじゃんか、がその実クラシックでオリジンなフレンチワークプロダクトだったのですから。




でも実際問題としてはEast Westメンバーがこれらフレンチワークだったりのカルチャーを見ていたか・知っていたかで言うと、私は見ていないし知っていなかったのではと思います。いわゆる御手本としてリソースとしてヴィンテージカルチャーをヨーロピアンカルチャーを探求していたか,追求していたか,勉強していたか、うーんどうなんだろうなぁ正直全然想像つかないなぁ。とはいえデザインチームを組んでいたのでその中にいたのかしら?フレンチワーク好きのドラッグ愛用者、うーん正直に言って分かりません。でもこれもEast Westが唯一無二過ぎてこれまでに一度たりとも頭の中で繋がったことが無かったのですが、考えてみると観察してみるとEast Westにおけるデザインラペルのサイズ感だったりバランスにフランス服飾史特有の大きな襟の文化を感じることができます。

New 50s French Work Government Worker sheep leather green coat
それと同時に単純明快にアラヤダこのレザーコート、グリーンだなんて素敵過ぎるしコンディションも良過ぎるしシルエットバランスとスタイル性も申し分無さ過ぎて最高!と心の中でガッツポーズを取ったのも事実です。これまで様々御提案してきたフレンチワークのGovernment Workerプロダクトですが、真緑なんて存在したんですねぇ。いやーシンプルに滅茶苦茶格好良い。
ちなみに実物からはきっと御想像以上に真緑を感じて頂けると思いますし、きっとその点もより一層楽しく感じて頂けるのではと思います。真緑のレザーコート、良いなぁ。
SURR 福留
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規則正しく夜中2時に目が覚めるという著しく強烈なジェットラグに襲われている今回。皆様方とお会いすることで諸々を吹き飛ばしてなんとか日々が過ごせておりますが体感的には過去最も引きずっています、だってまだ治っていない気がするから。前回の旅順では帰国日に眠くても寝ないで強引に日本時間と合わせる大作戦によって初のゼロ・ジェットラグを実現したので今回も同作戦を敢行したのですが残念ながら功を奏さず、参ったねしかしって感じ。まぁ特段取り組んでいることも無くケセラセラにしてしまっていますが、シンプルに万全ではないですねぇ。あと今回は帰国してからお米と豚汁しかほぼ食べていません、なんだかどんだけ食べても美味しくて美味しくて。日本もしっかりと寒くなってくれたので豚汁作り置きが無理なくできて嬉しい限り、今年愛用のスープジャーが活躍してくれる楽しい季節がやっていました。スタンレーは本当に凄いよ。
そう、寒くなりましたので皆様御風邪などはひかれませんようにお気をつけくださいませね、この風邪はパリのかリヨンのか分からない福留との約束ですよ。危ないなと思ったら豚汁食べてください明太子おにぎりと共に。

ヴェロニク・ニシャニアンの大傑作であり弊店が誠に勝手ながら御愛顧くださる皆様方のクローゼットに一着づつと思い続けているプロダクト。48サイズ表記ブルーカラーと50サイズ表記クリームカラーのハントに成功しました。ヴェロニクさん、勇退ですね。是非ともより一層ごゆるりとお過ごし頂きたい!

キルティングヴェスト。Olems Carrettiさん感バッチリなので何気ないようで何気なくない感じが好き。

今回の旅順でもジッパーネックセーターにだいぶと救われました。年々手が伸びる率が高まっているような気がしないでもありません、いや間違いなく高まっているな。この世界観は良い意味でニット“メーカー”には出せないデザイナーの業有りなんだよなぁ。

ライム色のスポーツジャケット、洒落ています。未使用品というのも引き続き嬉しい限り。

弊店にとっては滅多に出逢えない良い意味で普通な感じのスーツ、なのですがV狭めで4ボタンでエロティックなシルエットとDolce & Gabbanaらしい強さで社会からしたらほぼ間違いなく普通ではないんだろうなぁ。こんなんだから親戚の集まりで悪目立ちするんですよね。

Levisらしいボアライナージャケットながらディティールが小さくない?な感じやなんかやたらとゆったりしてない?な感じにやはり本国ではないヨーロピアンクリエイションらしいファッション目線の美学を感じます。1984年の個体なのですがMADE IN FRANCEってそんな古くからあったのですねぇ、これ大好き。

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以上、今週の新作群でした。もう一度言いますが風邪引かないでくださいね。豚汁ですよ、豚汁!
SURR 福留
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