色々です / Diary1336
19.9.2025

秋冬の一番最初に着られるカシミアって超軽量かシルクとの混紡なんじゃないかなって思う。で、こちらは超軽量でカシミアシルクの混紡セーターという弊店にとっては特に希少種の一つ。ナチュラルフィット設計でモックネックで冷たいホワイトカラーっていうのも嬉し過ぎやしませんか?

/ 90s malo light cashmere silk sweater

 

 

巨匠全盛期のカジュアル提案でワークSTYLEの味付けとデニムテクスチャーのスパイスで自然体ながら確かに響くデザインシルエット。今までも大切な存在でしたが今まで以上に大切に感じざるを得ない。私は簡単にRest In Pieceなんて公の向けて言わないで心の中でもっと大切に想う。

/ 90s Armani Jeans work-style denim shirt

 

 

オリジンカルチャーだったら重さや硬さすら内包した“原始の革の上質さ”とかデザイナーズカルチャーだったら唯一無二の“デザイン性”とか“スタイルバランス”とか“クレイジーな個性”とか、レザーウェアの判断基準って幾つかあると思うんです。で、個人的に思う重要な判断基準がやはり“品質”なのですが、となるといかんせん候補がギュッと少なくならざるを得ない茨の道なので親愛なるブルネロ・クチネリさんがレザーウェアを贔屓目なくらいに愛してくれるのは本当に助かると言うか嬉しい、だって彼ほど間違いない人物ってそうそういないんだもの。彼ならではのクラッシックカルチャー目線の“レザーウェアとしての普通さ”にさりげないデザイン感性が注がれたとんでもなく軽やかで柔らかな最上品質のレザーウェア。これってきっとコンサバティヴだと思う、そしてコンサバティヴって最強だと思う。

/ 00s Brunello Cucinelli biker-style design leather jacket

 

 

一つのミスが即座に命の危険に関わるってミリタリーおける様々な環境の中でも稀なので、空挺部隊,パラトルーパーのために設計されたプロダクトの数々は自ずと特に特別なものとなり特徴的なものとなり、結果的に必然的により濃くモードカルチャーと繋がることとなりましたのでどの国でも空挺部隊のプロダクトって特出して格好良いんです。ベルギー軍のこれもまさにそう、パズルを組み合わせたかのような象徴的な迷彩紋様に空挺部隊特有の個性的な意匠の数々。

/ 1963s Belgian Airborne Forces jigsaw camouflage paratrooper jacket

 

 

Uomoの最初期頃のヴァレンティノ=男性に向けてのイタリーモードの基準。造形的な肩を筆頭としたデザイン概念にピュアウールギャバジンのテクスチャーに落ち着いたカラーリングに明らかなる軽量感といった良い意味で最老舗のアチラやアチラのトレンチコートとは異なる要素性が“コート屋のコート”と“デザイナーによるコート”のそれぞれがこの世に存在して然るべきな意義を示しています。

/ early80s Valentino Uomo wool gabardine trench coat

 

 

超厚切りの食パンを小脇に掲げるくらいのサイズ感。何言ってんだこいつと思われるかもしれませんが僭越ながら個人的には適切な比喩ではないかと思っています。そして超厚切り食パンくらいのサイズ感なので財布系も小物系もスマホ系もスッポリ入るのでものすんごく使いやすい はず。

/ New 1985s Hermes cross body small leather bag

 

 

 

 

 

New

 

あとBest Companyのスウェットジャケットがありますが前回古川が書いたので割愛します。色々な新作、機会ございましたら。

 

 

SURR 福留

1995-early00s PRADA Uomo / Diary1334
12.9.2025

個人インスタで自分なりに一応は積極的に私的な内容を書いているつもりなのですが、これはどうにもこうにもそこに書く気分になれない話。ずばり皆様は好きなブランドはありますか?

厳密に言うと好きな今のブランド,今のメーカー,今のクリエイション。ランウェイなのかプレゼンテーションなのかルックブックなのかで新作が発表されたらワクワクして、今期は何買おうかなアレ買おうかなと背中を追いかけられるような今のものってなにかありますでしょうか?そういう存在があるってなんというか心が励まされるというか暖められるというか、良いと思うんですよねシンプルにワクワクできますし。自分の軸として頼りになるし、極論ではありますがそれだけ買っていれば自分の中でちゃんと着地できるというある種の最後の手段が在るっていうのも有意義だと思う。だからとっても良いと思うんです、今の好きなブランドがあるって。解釈を広げるとしたら“この人が着ている服が欲しい”と思わせてくれるような好きな人だったり“この店で買いたい”と思わせてくれるような好きな店も含まれますね。

私は長らく背中を追い続けてきたファッションブランドがありましたが2021年に目の前から煙のように消えてしまい、ふと現れたと思ったら名前が同じ違うブランドになっていました。それ以来ランウェイを楽しみにしたり今期は何買おうかなアレ買おうかなと思えるような好きな今のブランドは私にはありません、まぁ元々ヴィンテージ贔屓だったので今のブランドに本腰を入れるタイプでは無かったのですが。でも楽しかった、今のブティックで今の洋服を買うという行為は。もしかしたらヴィンテージ贔屓だからこそ良い濃くて恋コントラストだったのかもしれません。でも今は無い、そのブティックはSURRから歩いて10分の距離に二箇所あるけど私にとっては違う。私はPRADA Uomoが好きのではなくミウッチャ・プラダのPRADA Uomoが好きなのだ。

 

 

ということで今期も粛々とミウッチャ・プラダによるVintage PRADA Uomoを御提案致です。区切りがはっきりしているし今のブランドとして数年前から特に勢いがあるmui muiやデザイン目線でキャッチーなPRADA Sportは今年もセレクションしていません、弊店は2025AWも見た目の要素性が少ない傾向(平たく言えば地味)ながらミウッチャ・プラダの震えるようなモード哲学のエナジーとシナジーの力強さが色濃く注がれたVintage PRADA Uomoの“ファーストライン”のみとなりますが御了承ください。

 

 

 

 

 

New 1995-early00s PRADA Uomo Selection

 

これは純粋な幸運なのですが1995年から1997年の最初期クリエイションが今回は多めと相成りました。成熟した完結された世界観だからこそ“いつのクリエイションか”よりもプロダクトとしての求心力と着る人の相性が重要ですが、御提案する弊店にとってはランウェイショーも行わずプレゼンテーションのみで発表され展開も世界3店舗という限られた規模であり、最初の数回のコレクションで後々のほとんど全ての雛形が存在したと言っても過言ではない最初期クリエイションはやはり特別。今回も凄いですよ、同ピリオドにも関わらず良い意味で方向性バラバラですもん。天才ミウッチャの感性はヴィンテージという存在でこれからも圧倒的に輝き続けます。

 

 

SURR 福留

パ二ナロ / Diary1335
18.9.2025

 

1980年代にイタリア(ミラノ)で生まれた、若者を象徴するカルチャー”パニナロ”。 始まりは、当時の裕福な家庭の子ども達が留学先としてアメリカに行き、そこで目にしたファッション・ファストフードをイタリアに持ち帰り、それがパニナロのスタイルに直結したのである。 今回はファストフードではなく、ファッションスタイルについて触れていきます。彼らの定番は、鮮やかなジャケットにリーバイスを穿き、ティンバーランドのブーツ。自分自身の最初の印象としては、ダサいなと思いましたが、深く知っていき、当時の写真を見ていくうちに、ダサさはあるけど、かっこいいなと思うようになりました。このバランスを表現するのって難しいと思いますし、私は、このパニナロのスタイルからは、たくさんのインスピレーションを受けたと思います。 彼らは、モンクレール・ストーンアイランドなど、複数のブランドを好んでいましたが、その中から今回ご紹介するのは、”Best Company”です。

 

 

 

1982年にオルメス・カレッティによって設立され、1992年までの短期間で終了してしまいます。アメリカのワーク・カレッジ・スポーツスタイルをベースにポップなカラーリングや大胆なグラフィック・刺繍が特徴的なイタリアのブランドです。 この羽織は、アメリカのベールボールシャツをサンプルにしており、生地には柔らかなスウェット素材を採用し、配色にはグレー×イエローの鮮やかなコントラストを効かせることで、イタリアブランドらしい遊び心と洗練を加えています。アメリカンスポーツ をイタリア流に再解釈するという姿勢は、Best Companyならではの持ち味だと思います。

 

 

バックプリントには、Newport Beach Californiaの文字、これは、アメリカ西海岸の高級リゾート地で、当時の若者にとってアメリカは一種の憧れで、自由でリッチなライフスタイルを具現化したものだと思います。

 

 

サイズはLサイズのゆったりとしたシルエットで、肩の力を抜いて着こなせる一方、裾や袖口のリブが全体を程よく引き締めてくれます。今回は、パ二ナロスタイルでデニムを合わせましたが、綺麗なスラックスを履いて、少しドレスに振ってもカッコイイですし、気温に合わせてインナーをフーディーやシャツに変えるだけで印象が大きく変わるんだろうなと思いました。各スタイルの中で、様々な合わせで楽しんでいただきたいです。

 

 

SURR 古川

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