ウール×シルク×カシミア混紡のニットとヌバックレザーをドッキングというカーディガンという存在枠組みを軽々と越えたプロダクト。実用性と美意識を両立させモード概念と職人技術を融合させるHermes hommeですが、ここまで贅を尽くすとさらに“ロマン”が乗っかってくれますねぇ。設計的にもカラーレスのスクエアジャケット的に捉えることができるユニークな一着です。
皆様、ブルネロ・クチネリは御存知ですか御好きですか?私は大々々好きです。店に行ったら何故か帰り際にチョコくれるところとか〇〇万円のクッションを作るところとか、愛する妻(当時は彼女)の地元が好きになってそこを復興させるために古城を買い取って会社を作るところとか、さらに学校を作って地元の人々に通わせるばかりか給与を支払って学ばせて卒業後には自社に残っても良いし他社に就職しても良いところとか、災害などが起きたら自社にある製品を無償で贈るところとか、初期のクリエイションテーマが“貴族の私服”なところとか。
そんなクチネリさんによるヴィンテージクリエイションは畔編み特有の無機質さインダストリアル感と時代性を感じさせるスポーティーなバランスとクチネリさんらしいラグジュアリーが調和する特に現実的なウールボンバージャケット。様々な着こなしとシーンとスタイルを想像させる間違いない一着です。ポケット付きもうーれしー。
こちらは内モンゴル産のカシミア100%のニットジャケット、私にとってマジで至高で至福で至宝の一着です。時代が00年代初頭のためその時代性を反映させたミニマムでシャープなフィッティングがまた痺れるのですが、なんと言っても色味が独特でして、グレージュ系統の表に対して裏がグリーンという、どうなってんの?な構築ですので着用時もそこはかとなくグリーンを感じるグレージュ系統のカラーリングというなんだそりゃな色調もまた貴族の私服ゆえか。ちなみにこちらはポケット無し、前述のフィッティングコンセプトゆえ我慢してくださいまし。
以上、今週の新作でした。たった三着ですが私にとって三着もまとめて御提案できた至極のニットジャケットたちです。
SURR 福留
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真冬っぽく寒くなってくれましたね都内、とか言いながら明日の最高気温は14℃なのですが、なんとなく気分がとっぷりと冬に浸ることができたので、そりゃ寒いのは辛いっちゃ辛いですが獣毛のムードやらフランネルの空気感がより一層楽しく感じられてレイヤードの可能性も広がるのは楽しいですよねぇ、冬。
50s PARIS bespoke/ピュア“Crombie”カシミア
80s Missoni/ウール
共に80s Herno/ウール70%×カシミア30%
1958s PARIS bespoke/ウール
80s Trussardi Sartorial/ウール40×アルパカ30%×ナイロン15%×モヘア15%
2001AW Hermes homme/ピュアウール×ポイントラムレザー
late90s(もっと古いかも) Hermes homme/ウール74%×アルパカ10%×モヘア10%×ナイロン6%
気候以上に気分的にやっと本格的な旬が来たなって感じですね。私は172cmで普段48サイズ着用ですが、これらは全てもっと細身の方でも良体格の方でも様々な角度と見え方で素敵に映ることと思います。きっと高確率でモダンな印象になるんじゃないかな、私はTHEクラッシックにしか見せられない身体なので。昔はそれが微妙に思う時もありましたがだいぶ前にもう良いかなってなりました、嫌がっててもどうしようも無いし幅広い服が着られない身体つきってことはハマル時はハマルってことだし~ と思うようになったので。
SURR 福留
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先にインスタグラムで御挨拶させて頂きましたが既に10日となってしまいましたが、こちらでも謹んで新年の御挨拶を申しあげます。今年も皆様の日々が少しでも豊かで穏やかになりますように、そしてその過程においてファッションやカルチャーと触れ合う際に、そして時にショッピングで心身の栄養補給をする際に弊店が僅かでも御役に立てますよう精進致しますので2024年も機会ございましたら宜しくお願い致します。
さて今年はどんな刺激に出逢えるのやらどんな初めましてが待ち受けているのやら、かねてから心に留めていたアレやコレとの念願の出逢いはあるでしょうか一度も思ったことはないにも関わらず圧倒的に惹かれる何かはあるのでしょうか。服飾史には世界中の様々な文化にはまだまだ魅力的な何かが沢山ありますし世界には初めましてだらけで、探しているものに限って見つからないメソッドがありますが引き続き頑張りたいし衝撃的に惹かれる出逢いは時に困っちゃけどやっぱり喜ばしいもの。いずれにおいても引き続き皆様には家族や生活や仕事が第一なことは前提なうえで服飾史及び世界中の様々な文化から魅力と刺激を得て頂きたい所存です。なお私の今年の目標は減酒、休肝日ルーティーンの確定がファーストフェイズです。
私はこの生業において定期的に新たな刺激や出逢いを味わうことができるのは役得というか本当に贅沢であり有難いことであると思っていると同時に、それらが必ずや自分の物にはならないというのは因果応報というか宿命であることを胸に刻みながら仕事をしています。しかしながらその喜びと宿命を胸に刻んでいながらも“プロダクトとしての出逢えなさ度”と“自身の身体にフィットする度”が高ければ高いほど宿命に抗いたくなる=自身の物にしたくなる欲求が心を沸騰させます、それが私の愛するクラッシックカルチャーであればあるほどに。

1945年より外から見えるロゴを必要とせず、例えば買って着た数ヶ月後に“ここがこうなっているから美しく心地良いんだ”などと着用者本人だけに服そのものが語り掛けるようなプロダクトを製作し続け、自らを流行ではなくファッション及びスタイルそのものと定義し、ラグジュアリーなビスポークテーラリングに特化し続けてきたBrioniが“ローマ(設立地)人のスタイル”、そして“メンズハイファッション”とイタリア語で正々堂々と刻んだラベルが縫い付けられたこのジャケットの存在感と価値は、私にとって目が眩むほどに高いです。




しかもなんとモーニングジャケット、モーニングジャケットです。旧体制では何度か、SURRになってからはアンティークカルチャーから一着御提案させて頂いたくらいのプロダクトでして、近年でも存在するとは言え正装(礼服)以外で御目にかかる機会は私の環境下では皆無な、1850年頃よりテーラードジャケットに至る進化を遂げたほぼロストプロダクト。それがBrioniのハンドメイドによって現代のファッションシーンに投入されていただなんて熱過ぎるったらありません。
純礼服として機能させないことで現代のスタイルとして、それこそBrioniが想うRoman Styleとして楽しんで欲しかったのでしょうか、チャコールグレーの繊細な密度なフランネルもモーニングジャケットとしては新鮮ですし、ちょっと大きく感じる襟も低めに感じるボタン位置も良い意味でアンティークカルチャーには属しません。なんと言ってもシルエットが美し過ぎて震えます。
モーニングジャケットをファッションに落とし込んでいる実例に出逢う機会は前述の通り皆無なので、きっと日常でこのプロダクトに出逢っていたらラグジュアリーなメンズスタイルがやはり心地良く適正に感じていたのだと思いますが、日本から遠く離れた建物に一歩足を踏み入れるだけでWifiの電波がゼロになるような僻地にて買付旅順Ver.のカジュアルスタイルの上から羽織ってみたらそれはもう素敵に感じられまして、なんならオリジンヴィンテージ的なミリタリーパンツやらジーンズなんか合わせたい気分にすらなってしまって、まだ自律神経の乱れが整っていない心がとにかくとにかく掻き乱されまくりまくったことは今となっては良い想い出。


New arrival,90s Brioni hand made morning jacket.
いやぁまさかモダンかつ着崩したいと素直に思えるモーニングジャケットに出逢えとはなぁ、驚いた驚いた。本当、世界にはまだまだ素敵な物があるなぁ。
SURR 福留
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