East West Musical Instruments Company / Diary145
5.6.2015

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前回のエントリーで触れました “ ファッションという名の食卓がより華麗になるよう、ヴィンテージという名の市場から食材を調達 する目論み ”
その一つが諸々滞りなく完了しましたのでここに御報告させて頂きます。

この度のメイン食材は East West ( イーストウエスト ) というレザーブランド。
1967年にサンフランシスコで設立された会社で、元々楽器を製作していたためタイトルの一文が正式名称です。長い服飾史に対して約10年という短い期間しか存在していませんでしたが、だからこそ濃密な活動を続けミュージックスターを中心にその名を轟かせていました。
イーストウエストは本当に様々な魅力を秘めており、全て挙げると短編小説くらいの文章量になってしまいますので一つに留めさせて頂きます。となると挙げるべきはやはり、装飾美です。

 

1960~70年という時代特有の社会,風潮,習慣などがダイレクトに反映されたデザインは、現代ではなかなか生み出せない特異性を極限まで盛り込んでいます。個人的にはトレンドよりカルチャーの方が重要度が高いと考えているのですが、イーストウエストの構築するデザインやスタイルの要因は、まさにカルチャー。

その特異な ( 現代において ) 非現実的自由度のデザインによって、イーストウエストもやはり様々なデザイナーやメゾンの教科書とされてきました。近年も大々的にフューチャーされたコレクションが幾つか存在し、さりげなくフューチャーされたものも併せるとかなりの量になりますが、その繋がりが表立って語られる事はほとんど無かったように思います。しかしながら様々なデザイナーがイーストウエストから影響を受け、お手本にしているのは紛れも無い事実です。

 

『 伝説的 』 と言って差し支えないこのレザーブランドは弊社にとって重要な存在のため、かねてよりアーカイヴとして非公開で保管してきましたが、この度大々的にお披露目させて頂きます。

 

 

 

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なお、当エキシビジョンは17日 ( 水 ) で終了を予定しており、その後は再びアーカイヴとして保管となります。
宜しければこの機会に触れてみてください。

デザイン面、スタイル面でのお好みによって差異はあるかと思いますが、 “ 初めてファッションに感動した瞬間 ” のような 『 高純度な楽しさ 』 を、きっと御体感頂けるのではないかと思います。

 

 

 

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60 – 70s East West Musical Instruments Company, leather jacket exhibition

 

 

どうぞ宜しくお願い致します。

 

 

SURR by LAILA 福留

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華麗なる食卓 / Diary144
3.6.2015

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デニムを試してくださる皆様を目の前にしますと、千差万別な見え方 ( 魅せ方 ) にいつも驚かされ、楽しい感情が溢れ出ます。ある人は重々しく、ある人は都会的で、ある人はエロティックで。
いずれにせよ皆様が今まで培われたパーソナリティあってのスタイル、本当に純粋に素敵でした。沢山の御来店、心より御礼申し上げます。

デニムに限らず衣類は一種の添え物的なファクターで、大切なのは “ 人間性と意志 ” という考えは依然ですが、添え物であっても心躍るのは間違いなく、副菜が充実する事で主菜が一層引き立ちますので、引き続き御探究と共にのんべんだらりとお楽しみ頂きたいです。

 

 

引き続き皆様のファッションという名の食卓がより華麗になるよう、ヴィンテージという名の市場から食材を調達させて頂きます。
今月は可能であれば2度ほどラインナップを大幅に変化させたいと目論んでいるのですが、諸々の兼ね合いがございますので確定しましたらまたご報告させて頂きますね。私自身も非常に楽しみに企んでおりますので、ご期待頂けましたら幸いです。

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取り急ぎまずは新入荷のラストチェック。整い次第店頭にお出しします。

 

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限りなく無限に近い個性 / Diary143
29.5.2015

お客様とデニムと私。
このトライアングルが結ばれた状況で様々お話させて頂く機会がありますが、何をどれだけ言おうと結局のところは大切なのは “ デニムとお客様の相性 ” と “ 自分をどう演出したいか ” 。この二つなのではないかと思います。

これから御紹介します2本は、共に 『 リーバイス 』 というメーカーの 『 501 』 という品番の 『 デニムパンツ 』 というアイテムですが、ここに至るまでの環境因子の差異によって、全く異なる姿を獲得しています。

 

 

 

 

 

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70年代中期~後期頃に生まれた本品。
501 という品番はテーパードというスタイルを貫きながらも、そのフォルムは極めて微細に変化しており、この時代は特に洗練された現代的なテーパードラインが魅力の一つです。

着用を重ねる事で生まれる爽やかなサックスブルーに潜む、ヘヴィーデューティーの香り。明白なエイジングにそこはかとなく染み込んだ野性的な色調から、本格的なワーカーもしくは野外での着用がメインだったのではないかと想像させる、アンニュイさ。

 

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膝のクラッシュも洒落っ気ではなく、リアルな環境下で生じたものではないでしょうか。

 

何より興味をそそられるのは、裾部分の “ 内側に折り返した形跡 ” です。カットせずに折り返していたという事はシューズに応じて変えていたのでしょうか。さらに、いわゆるロールアップではなくあえて内側折りを選んでいたという事はスーツトラウザーズを意識していたのでしょうか。
全ては推測の域を出ませんが、過去着用者が丈感に対して美意識を持っていた事は間違いなく、その配慮に純粋な美しさを感じずにはいられません。

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続いて御紹介しますは40~50年代の一本。
品質を表す 『 XX 』 の愛称で知られる生地は言語化できない質実剛健・威風堂々な奥深さが最大の魅力。上と同じく労働環境で現実的に穿きこまれたと推測される仕上がりですが、特徴的なのは過去着用者のサイズ感性です。

 

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着用を重ねる際、サイズがフィットしていればいるほど濃淡が明確に現れるのですが、こちらは不思議なほどにフラットなエイジング。インチを上げてゆったりと着用したのは所有者の純粋な好みでしょうが、その非作為的かつ非装飾的な行いが、結果的に新鮮かつモダンな XX に仕上げる要因となったのが興味深い。

 

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そのモダニズムに年代特有のステッチカラーがプラス。モダンとクラシカルの未計算なアンサンブルをお楽しみ頂けます。

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過去所有者の趣味嗜好はもちろん、時代,環境,空気,水など様々な因子が重なり合い混ざり合うヴィンテージデニムは、同じ物が二つとありません。その “ 限りなく無限に近い個性 ” こそヴィンテージデニムの本質的なポテンシャルであり、それぞれに特性と魅力があるからこそ、自分に合う一品に出逢えた時の喜びはひとしおです。

 

残る判断基準は自己演出。是非意思に沿って頂ければと思います。

 

 

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ちなみにここ最近の私は、ダサいを通り越して “ もはや残念 ” な自己演出を心の底から楽しんでおります。お気に入りのデニムに足を通した時の残念さに満足感を覚える自分は、正直なところ何か欠落している感も否めませんが、突き詰めれば何かの答えに辿り着けるはずだし、完璧な人間はきっといないし、そもそも自己満足だからイイのイイのと酒を煽る日々。

 

 

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