
オフィシャルサイト掲載のアーカイヴモデル。数年ぶりに入手致しました。

名作。喜ばしい限りのコンディションです。

エレガントハットの代名詞。貴重なサイジングですので宜しければこの機会に。


常識を覆す発想力と、それを成立させる実力。
そして、前回の御紹介に次いで大変濃密なミリタリーアイテムのセレクトに成功致しました。
今まで一度も御紹介した事のない国のアイテム。その名を耳にしても全くご想像出来ない方もいらっしゃる事と存じますが、引き続き高純度なディティールデザインは知的好奇心を刺激し続けます。
一先ずご覧頂きたいのは活動に支障をきたさぬようボタンが露出しない仕様。素晴らし過ぎるミニマリズムです。

先日立ち上がりという事もあって立て続けにエントリーを重ねさせて頂きました。次回からは通常通り標準をコンパクトに絞って御紹介させて頂きたい所存です。
どうぞ宜しくお願い致します。
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
[email protected]

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機能性という美学に標準を合わせ、世界各国各年代様々創られてきたミリタリー。その数多くが “ デザインの教科書 ” としてモードと結びつきますが、数多く目にしてなお刺激的な品々が後を絶ちません。

英国直属陸軍, ロイヤルアーミーのコンバットトラウザーズ。
1950年代の限られた期間にのみ製造されていた事もあって実物を手にする機会が極めて少ない一着ですが、これもまた見事な機能的ディティール・デザインの集合体です。


特徴的なフロントポケットに各所のアジャストバンドなど環境や装備の TPO に適応する為のディティール、過酷な状況下にも耐えうるコットンサテンとライナーによって実現する立体的なフォルム、機動力を求めて配された裾絞りのアレンジパーツなど、全ての要素は当時の英知を結集させ生み出されたものであり、それら “ 意図のあるデザイン ” の説得力たるや、デザインを行う人々にとって極めて重要な事でしょう。

そして、今なお稀に姿を現し心の底から驚かせてくれる初見のモンスターピース。

向かって左は英国直属海軍,ロイヤルネイビーにて空母に属する人々が着用していたスモックパーカと呼ばれるアイテムで、ご存知の方もいらっしゃる通り既に様々なデザイナーにサンプリングされてきた名作ですが、この度その後継モデルに出会う事が出来ました。



スモックパーカとの対比からも御認識頂けるように、近しいようで一線を画すディティールはシンプルに申し上げますとよりミニマムな印象ですが、何より大きな違いはプルオーバーからフロント・ジップアップへのモデルチェンジです。



大胆な比翼かつダブルジップという機能性はそのまま芳醇なファッション性にシフトされ、高度なパターンメイクがアヴァンギャルドなシルエットを描く圧巻のミリタリーウェアです。
特出して市場に出回りにくいロイヤルの中でも空母という条件ゆえに現存数の少ないスモックパーカですが、本品もそれと等しいか場合によってはそれ以上の一品と考えられます。
国家が威信をかけて、時代ごとに最善・最適の諸々を詰め込んで産まれたミリタリーの品々は、言うなればデザイナーが “ 国そのもの ” であるがゆえ、ハイクオリティで然るべき存在です。それを現代の目線と感覚で、今のファッションアイテムとして消化する事には、大いなる意義と流儀を感じ続けておりますので、今期は再び大きな要素として抽出させて頂きます。
上記のような希少で濃密なアイテムからベーシックでユーティリティーなアイテムまで、ミリタリーの懐深さと奥深さと、時に奥ゆかしさを存分に御体感頂けましたら幸いです。
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
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1900年代初頭にメゾンが産声をあげて以降、服飾史は “ MODE ” という概念によって華やぎます。
時代沿ったカルチャーならではのスタイルやデザインは、時に受動的に時に能動的に世界各国各地域で産まれましたが ( 以前御紹介した East West もその一つです ) 、それら全ては本当に, 見事に, 素晴らしいほどに刺激的で、向き合えば合うほどモダンです。誇張ではなく純粋に心から面白いと思える要素で溢れております為それぞれ掘り下げると時間がいくらあっても足りませんので、ここでは控えさせて頂きますが ( 余談ですが、今期の LAILA VINTAGE は、それらにより強く焦点を当てておりますので、ご興味頂けましたら是非に ) 、 年代や国や文化において様々あれどモードの根幹であり原点であり、常に背骨で在り続ける存在はやはりフレンチメゾンではないでしょうか。
20年代に “ ベージュの女王 ” と呼ばれた ガブリエル・シャネル。常に時代の先を行く姿勢が “ 先見性の情熱 ” と称されたパイオニア, クリストバル・バレンシアガ。ファッションと宇宙を繋ぎ合わせると共に、メゾンビジネスに新たな概念を与えたピエール・カルダン。女性の膝頭を解き放ち、新たなスタイルを提示したアンドレ・クレージュ。今なおモードに影響を与える “ ニュールック ” 産みの親,クリスチャン・ディオール。そして “ モードの帝王 ” イヴ・サンローラン etc etc.
幾人ものデザイナーが時代の流れと人々の機運に寄り添って、時に孤独に時にシンクロしながら積み重なてきたのが “ フレンチメゾンの歴史 ” です。その歴史は今のモードにとって過去でありながらも現在そのものであり、そして未来だと私は考えます。
SURR の前身である 旧 LAILA VINTAGE の根幹は、それらモードの歴史そのものである “ Maison Vintage ” でした。無論 SURR にとっても引き続き重要な要素の一つです。
“ Maison Vintage ” は女性のためのアイテムが大半を占めるのは事実ですが、 mm 単位まで計算されるパターンや極限まで追求されたマテリアルなど、歴史を創った Maison の心配りは数少ない男性用アイテムにも健在で、それらは今でも, 今だからこそ新鮮で、これからも色褪せません。







男性用衣類として完成されているアイテムだからこそ、Maison の心配りが如実に現れます。
袖を通した時に発揮される全方位隙の無い出で立ち、絶妙なディティールアレンジ、何よりメゾンだからこそ辿り着ける,実現出来るマテリアル・チョイス。
美意識が繋がって一つの円となり完結する世界観を、今期は様々なスタイルとアプローチでご覧頂きたく思います。
なお、前述致しましたモードの歴史をより明確に視認して頂き御実感頂く最善を思案致しましたところ、とある一着に辿り着きました。

大変貴重な60年代のクリスチャン・ディオール。本場であるヨーロッパやアメリカのヴィンテージ市場において明白な立ち位置を誇り、Maison Vintage において紛れも無いコレクターズピースです。
本品はマルク・ボアンがディレクターを務める時代に作られたもので、クリスチャン・ディオール,イヴ・サンローランに次ぐ3代目のデザイナーであるボアンはディオールの歴史に大きく貢献した人物。彼の世界観は昨今でも他メゾンのコレクションテーマに選出されるほど、モードにおいて重要な存在とされています。


彼の代表的な世界観である “ オリエンタリズム ” に則った直線的なパターンと、ドローコードやフーディーなどのミリタリーライクな要素を最終的にモードの美意識として集約させる平衡感覚。モードの歴史を体現しつつ現代にも通じる感覚でお楽しみ頂ける一着だと思いますので、これも一つの “ 純粋に楽しいファッション ” としてご興味頂けましたら、幸いです。

SURR by LAILA 福留
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