騒めき / Diary727
5.6.2019

私自身が品そのものや御客様方との交流にて強い影響を受けるという性質が主たる理由ではありますが、御陰様で綿のテーラードジャケットを着るという行為そのもの, 着るという選択肢が “ 在る ” ということ自体に強い愉しさを感じ、改めてこの生業はなんと有り難いものであろうかと想いまして、様々な襟の形状やポケットの構築性, ベンツ有り無しといった各所の部位に秘められた意思の発信はどれも装うという根本的な愉しさを高い純度にて表現してくれますが、こと綿のテーラードジャケットに関しましては素材の表情, 細やかで素朴なそれらの優しく乾いた表情に一層の説得力を感じるのですが、この度の新作に在ります一着に対して密やかに抱いていた、それらを踏まえたうえでも特に問題児かもしれないという直感はやはり紛れもない確信に変わりまして、大いなる心地良い心の騒めきを独り胸に秘めております。純白であるという時点で既に一つの極地的な独善性にも関わらず、それを頭に過ぎらせないほどの要素を集約させたその出で立ちはもちろん特別ではあるものの、それ以上にこれまでの感覚や判断基準が心地良く騒めくような特異性を秘めているのです。

 

 

 

と、続いて特異性に関して綴っておりましたが 446 字まとめたところで一服した後、思い立って全て消去致しました。題目と致しましては仕立て文化における主に 1940 年代以前の “ 袖の付け方 ” と “ フランスにおける男性性の美意識表現 ” と この一着に秘められた “ とある融合性 ” が在るのですが、それによる心地良い心の騒めきは文字からではなく実物からの物質的な印象を皮切りに抱いて頂きたいと、ふと強く想った次第です。現段階で不肖な私が抱いている印象とは全く異なる着地点があるのではないかという予感を抱きつつ、いくら千差万別とは言えどこまで予想外な姿を魅せてくれるのであろうという未知への畏怖も抱きつつ、このような現代社会の装いにおける異物的でありながら有意義な存在感、捉えきれない不確定な予感でありながら高ぶる感情を抱かせてくれるこれらヴィンテージ / アンティークという世界は、引き続きなかなかどうして蠱惑的であると、独り口角を上げながら当エントリーを閉めさせて頂きます。

 

 

 

 

 



 

 

 


30s Belle Jardiniere double-breasted white cotton summer tailored

 

 

SURR by LAILA 福留

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Je te veux / Diary726
30.5.2019

ささやかな勝手な願いの一つに “ テーラードジャケットを沢山の御方に御愉しみ頂きたい ” がありまして、一個人的な印象で恐縮ながら日常的に, 日常的でないものの布陣の一つにされている方とされていない方がはっきりと分かれるように感じており、それは SURR 設立から現在に至ってなお変わることがございませんで、男性における 不変中の不変 という表現がこれでもかと似合う存在でありながらも、これまた私のささやかな癖である行き交う人々を眺めていた ( in Japan) 時にふと、テーラードジャケットのような男性における不変的な装いの方が “ 今 ” は街中で際立つのではないか?という想いが去来し、とても不思議かつなんだか愉快な気分に独りで成った瞬間がございまして、季節を問わず時流を問わず不変中の不変を纏う愉しさを直線的に実感でき、季節に応じて時流に応じて細やかに, 時に大胆に変貌を遂げるそれぞれが常に不変である意義を示し続けるテーラードジャケットは、やはり男性における数少ない男性としての存在意義を具現化した存在で、基本的にモードは, ファッションは女性のためのものと考える私にとってテーラードジャケットに袖を通した際に湧き上がる “ 男性として命を受けた喜び ” を共有させて頂きたく 引き続き僅かでも御興味頂けましたら是非に を胸に、僭越ながら今夏の御提案は純白ないし乳白の綿でございます。

 

 

 




幾つかの時代, 背景, 目的性に分布しながらいずれも夏季に羽織ることを目的として産まれた品々は、皆様方にどのような感情にて御査収頂けるのか、初めて KARIM HADJAB や Antique fine jewelry を御披露目したあの時のように心躍りつつ正直に申しあげましてどこか不安でもある自分が居り、本品らに関しましては私も街中などで着こなし例を眼にした機会が少なく、そもそも街中などで眼にする可能性が低いであろうと想われるそれぞれに異なるながら等しく “ 品位溢れるえぐみ ” が極端に秘められた品々ですのでやはり妄想・夢想が叶いませんが、それと同時に皆様方との化学反応の具現, 御人によってきっとやはり異なるであろう千差万別で全てが正しい御姿を陰ながら拝見できる瞬間を心の底から心待ちにしている素直な自分も居ります。

 

 

 

 

 

Newarrival,1930 – 1999s White cotton summer tailored.

Je Te Veux の旋律のように不変的で、足が躍るような爽やかと共に明確な説得力を御愉しみ頂けますことを願って、これからマツモトキヨシに行ってまいります。

 

 

SURR by LAILA 福留

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運動量を経た精査 / Diary725
29.5.2019

御人によって異なる判断基準, 趣味嗜好, そしてそれに伴う視え方の違いたるや、その千差万別で全てが正しく、きっと厳密にそれらはぴったりと重なることなくそれぞれの方向に向かって, それぞれが等しく美しい結果に向かって進み続けることが本当に本当に素晴らしいと, 尊いと想って止みませんで、そんなそれぞれに対してほんの僅かでも豊かになる要因に成りたいと願っていることは以前綴らせて頂きましたが、弊店にて御提案させて頂く品々には “ 時を重ねることで変化する一つの基準 ” と “ 変化しない二つの基準 ” を除いて制限を一切設けていない理由の一つは、前述の通り御人によって向かう方向や結果が異なるがゆえと我々が想って止まないからでして、その点を 節操がない と言われましたら何一つ返す言葉がございませんが、それ以上に節操がないからこその感覚器官の運動量と、その運動量を経ての精査に重要性と魅力を感じておりまして、例えばこと足元に関しましては制限を設けていない, 制御をかけていないうえで現状は革靴しかございませんで、それも運動量を経た精査の結果なのですが、それこそサンダルそのものもスニーカーの新作も御提案できていないことは我々にとって恐縮と反省の繰り返しでありながらも引き続き現状を打開する予定はございませんので、今年一年も革靴を御提案させて頂くことと、どうやら相成りそうです。

その現状は決して正しい / 正しくないといった概念ではなくあくまで我々の基準と判断ですので、それこそ皆様方それぞれに在られます向かう方向と結果に沿っておりましたら心の底から嬉しく感じる次第ですが、こと右足と左足で一つとなる、国や時代や文化に基づく構築理念と美意識と、何よりも職人の技術力を結晶化させた物質的に単純明快な美しさに関しましては、例え沿っておられずともほんの僅かでも御興味頂けましたら是非にと強く強く想わずにはいられない説得力と求心力を、初めて感じたあの日から一切変わらぬ熱量にて抱き続けている次第です。それは望郷の念と美意識が同居した王道なようで異質な注文靴にも、“ サイド・エラスティック ” という機能性と美しさを両立させた知的な一足にも、堅牢さと繊細さを丁度半分で融合させた反則的なほど明確に格好良いブーツにも、最上級の技術と経験値と実行力にて仕上げられた全てにおいてタフでカジュアルにも関わらず履くと脳内にエレガンスが響き渡る一足にも、それこそそれぞれ向かう方向と結果が異なりながらそれぞれに等しい熱量と美しい熱意が込められておりまして、精査を経て我々にとっての “ より厳選 ” という現状に成りながらも、このように千差万別な存在を物質として認識・経験, なんと言っても御提案できることは、やはり幸せだ と想います。

 

 

 

 

 

それではささやかな癖である夜の散歩に行ってまいります。

 

 

SURR by LAILA 福留

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