これもまた French shoes を編集するうえで欠かせない存在なのですが、その根幹には先に綴りました三国全ての要素が備わっているという特異な特性を備えるメイカーでして、一聴すると複雑に成りそうな三国同居でありながら、実物を眼に, 手にすると心に心地良く寄り添ってくれるのもまた、“ 靴 ” を “ 創る ” という事柄に対して 1935 年の設立以降真摯に向き合い真心を注ぎ込み続けていた賜物である と感じずにはいられないのですが、80 年代に製作された本品に限りましては更に一国が繋がるために四国同居と言えるのかもしれない一層に複雑な一聴ではありますが、やはり申し分なく心に寄り添ってくれる純粋な美しさと芸術的な存在感を秘めております。
近年では同社におけるビスポーク・クリエイションにて稀に姿を眼にすることができる様式ゆえに、“ らしく ” 在りながら “ らしさ ” とは異なる繊細な要素を備えておりまして、三国のうちの一つであるフランスの文化と密接なローファーという存在を雛形に、三国のうちの一つであるイタリアの明るく愉しい創造性の香りを纏わせ、三国のうちの一つであるイギリスで培った技術力にて仕上げるという順序を経ての品質と品位表現が在るうえで、更に注がれる装飾性が何故だか何故だか追加で加わることとなりました一国であるアメリカを, そしてポップアートを代表する巨匠がとあるシューズメイカーに依頼して製作されたそれと大変に近しいという摩訶不思議な一足でして、そのメイカーと同社にどのような関係性が在ったのか、どのような経緯を経たのかは不勉強ながら存じあげませんし、そもそも, これは重要な論点ではありませんが、この装飾性をどちらが先に産み出したのか も解明には至っておりませんが、紛れもないのはこの一足から芸術性と明るく愉しい華やかさからなる “ 苦み ” と言えるほどの求心力を感じ、職人技術から成る軽やかさと重厚さの同居する履き心地を体感でき、角の鋭い大きなスクエア・タンと低空飛行のように伸びる妖艶なトウに白髪に眼鏡のあの人の面影が垣間見える ということでございます。
Newarrival. 80s Aubercy bespoke model loafers
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
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前回の土曜日, 日曜日と急遽の御休みを頂いてしまい、大変に失礼致しました。扉の前までお越しくださった幾人の御客様方には特に心よりお詫び申しあげます。直近では同じような臨時休業は頂きませんで、平常通り月曜日定休がひとまず続く見込みとなりますので、引き続きヴィンテージ・アンティークの品々を御提案させてくださいませ。
人間が何かを行動する時、頭の中では千分の一秒だか万分の一秒だかの速度で信号が流れるものの、行動しようと想い立つのが先か信号が先かは未だに解明されていないそうですが、美しさや格好良さなどの刺激を受けた際に発される信号は既にボールドシグナルとして視認できる世の中のようでして、研究や追及によって解明されること / されないことが ( きっと ) 星の数ほど在り続けるこの世界において何も考えずビールや中トロの握りをただ旨いとだけ感じて摂取し続ける阿呆かつ思慮深さが一かけらもない私ながら、美しいと想う感情や格好良いと想う感情はございまして、その原点を知ろうと想ったら何世代もかけてそれこそ研究しなくてはならないのだと想いますが、阿呆かつ思慮深くない私は研究することなく, 研究に挑戦することなくただただ想うのです。 この美しいと想う感情そのものがまず摩訶不思議である と。
それには好き好みの取捨選択が大きく大きく関わるのでしょうが、この世界には大多数の本能に訴えかける種類の, 例えば生後一カ月の赤子ですらそう想えるような、美しさが在るのではないかと想っておりまして、例えば朝日の輝きであったり流れる水であったり、草花であったり空であったりする中に、私は Berluti の Alessandro が含まれるのではないかと本気で考えております。
それが私の贔屓眼による想い違いである可能性を一旦退けて話を進めさせて頂きますが、それは設立者から現責任者に受け継がれた美意識であったり感覚器官と、継承され続けてきた職人技術の高さであったり真心が主たる理由かと想いまして、イタリアで産まれフランスで居を構えた経緯であったり、それこそ最大の要素であり有無を言わせぬ求心力である踵の美しい一線のみで紡ぎあげられた一枚の革による, 圧倒的な感性と想像の枠を越えた技術力による最上級のエレガンス仕様であるにも関わらず摩訶不思議な出で立ち過ぎてエレガンスを一旦忘れてしまうかのような、迫力であったり、軽やかな芸術性を追求した各所の判断であったり、特殊な製法による同社のみが活用することを許された至極の素材表情であったり、そして何よりも何よりも尊い職人の真心, 真摯さ, 良い一足を生み出そうという真面目な姿勢が背景に在るからこそ、私はこの一足が朝日や水や草木や空のような大多数の本能に訴えかける美しさを有していると信じております。
赤子による実体験はございませんが、先日に晴れて齢五十八となった酸いも甘いもおそらくはそれぞれ限界値近くまで経験してきたであろう、赤坂見附に行きつけのスナックが在り専ら酒とカラオケを愉しむ私の友人は、この一足を見て背景も特徴も知らぬまま美しいと強い感情で評価してくれました。それだけでこの一足と出逢え、皆様方に御提案できたことを嬉しく想います。
Newarrival. 80s Berluti, Alessanndro.
この美しさに狂って頂けましたら、幸いです。
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
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弊店は男性に向けてのヴィンテージ専門店の形式にて運営致しておりまして、僭越ながら “ ヴィンテージやアンティークの存在価値を高めたい ” という至極独善的な想いを陰ながら胸に秘めさせて頂いており、それらを御提案する過程におきましてはこれまでも歴史や史実に則った内容に加えて時に想像や妄想や主観を織り交ぜさせて頂いておりますが、これより綴ります // から // の内容は一貫して主観となりますので、それこそ歴史や史実などの “ 実際 ” と交わらない可能性、そもそも全く誤った捉え方である可能性がございますことを御留意頂けましたら幸いに想いますし、そもそもにおいて当 Diary はこれまでも, これからも “ また SURR が独りで何か言っているなぁ ” といった具合に移動や待ちや一服などの時間つぶしとして、またはスクロールによるささやかな指の運動として御利用頂けましたらなにより我々の存在らしく相応しく想います。
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装いの方向性における幾つかの国々がある中で、概ね諸々の意味合いにおいて大きな存在として捉えられることの多いイギリスとフランスとイタリアというそれぞれの国を弊店は同等に好み純粋に愉しませて頂いておりますが、こと職人技術が関わる区分におきまして私は、時に交差する要素が在りながらも基本的にはそれぞれに個や傾向が存在するように感じておりまして、三国とも同等に特級の職人技術と品格, 表現力や実行力などの土台が在るうえで、イギリスからは “ 実直で重厚な美しさ ” を、フランスからは “ 芸術的で軽やかな美しさ ” を、イタリアからは “ 明るく愉しい美しさ ” を直感的, 六感的な印象として、勝手ながらかねてより抱いておりました。
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弊店には未だ叶っておりません幾つかの夢と申しますか野望と申しますか、が陰ながら在りその内の一つが六感的な印象である芸術的で軽やかな美しさを現わすフランス靴の御提案でして、その実現には幾つかの鍵となるメイカーの存在致しますものの想像の通りそれらヴィンテージ・ピースとの出逢いは想ったり願ったり, それこそ頑張ったりすれば叶うものではございませんでしたが、ヨーロッパ各地を点と点で結び続け, 各地のコレクター様方と交流し, 社内行事である新年参拝を二度ほど経ました前回の旅にて、ようやく夢と申しますか野望と申しますか、が叶う運びと相成りました。
職人技術の神髄を御体感頂ける一足であったり, ポップアートのあの人を思い浮かべて頂ける一足であったり, フランス社会そのものを現わす一足であったりと、職人の想いと手仕事量, 品格と品質に対する追及心, 表現力と実行力を土台とした、我々の想うフランスならでは芸術的で軽やかな美しさをこの度の新作にて編集させて頂きました。
Newarrival. Vintage French shoes collection.
これにより弊店における新たな区分として Vintage Berluti ならびに Vintage Aubercy が加わりましたことを併せて御報告させて頂きます。いずれもおそらくは極めて極めて不定期な御提案になるであろうことが予想されますが、引き続き二本の手足と一つの頭と御愛顧くださるコレクター様方の御尽力と都合の良い神頼みを駆使し精進致します。
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
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