
皆様は、ジョージ・ジェンセンという人物をご存知でしょうか。
1904年にデンマークで設立され、本人の名が冠された Georg Jensen 。
シルバーを専門的に細工する会社として始まった同社は、カトラリーなどのテーブルウェア、ジュエリー、時計など
様々な分野に発展し、デンマークやスウェーデンの王室御用達とされる等、
名実ともにヨーロッパを代表する存在として今も世界中で愛されています。
創始者である彼が愛したエレメントの一つは『自然』。
デンマークの小さな村で生まれたジェンセンは、まるで絵画のように美しい森や湖畔の近くで育ち
類稀なる芸術的素養を育んできました。
もう一つのエレメントは『アールデコ』。
自然と共に育まれた感性が描く、自然にしかない曲線や直線をオブジェクトで表現する方法として
アールデコが最も適切だったのでしょう。
いや、もしかしたら、彼自身が素直に生み出したフォルムを人々がそう呼んだのかもしれません。
それほどに “ ミニマムかつ際立つ ” という驚異的な着地点を秘めています。
そして『シルバー』。
デンマークで製作されたものは欧米のものとは配合が異なり、圧倒的に資産価値が高いとされていますが
そういった予備知識がなくとも、圧倒的な “ 違い ” を感覚で認識させてくれます。
彼はそんな輝きを “ 月光のような美しさ ” と愛しました。
この度、世界中からじっくりとセレクションしたジョージ・ジェンセンのヴィンテージジュエリーをご紹介。



企業方針によってデザインリニューアルが図られたため、現在は見る事の出来ない品々や
何より、1つを完成させる為にかけられる時間が圧倒的に異なる時代のジュエリーには
細部に至るまで、静かな自然と芸術が敷き詰められています。
偉大なシルバースミス、ジョージ・ジェンセン。
「ブランド」としてくくるのはピンと来ず、「企業」というのもちと違う。
どちらも内包しながら、それ以上が在る存在だと
私は思います。
SURR by LAILA 福留
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暑さ厳しい真夏日にも関わらずデニムを見にご来店くださった皆様、本当にありがとうございました。
( 旧店舗時代から数えて ) 13年間で初めてのデニム・ラック
一般的なヴィンテージにおいて定番のアイテムにも関わらず、私自身この空間にそれらがある事を本当に新鮮に感じました。
本日はその中から、ヴィンテージ・デニムの旨味をご紹介させて頂きます。
長い歴史を有するLevi’sには、時代や文化に応じた様々な変遷がありましたが
概ねまず挙げられるのが “ XX ” の存在。
生地の丈夫さ・上質さを示すこの表記は、おおよそ60年代初期に無くなったとされ、
XXであるかないかが、ヴィンテージ・デニムの価値を大きく左右します。
今回のラインナップでは1点のみですが巡り合う事が出来ました。
モデルは「503」
先にご紹介した 501 のボーイズVerとされるこちらは、王道に様々差し引きされた個体です。

テーパードというよりもスリムストレートなレッグラインは
コンパクトなサイズ感も相まって、見事なまでに現代的な印象。
今のスリム・デニムと近しい感覚でお楽しみ頂けますが、XX の生地感がそれらとは一線以上を画します。
インディゴを蒼で終わらせない、特徴的な色調。
織りが迫力に成る XX ならではの表情。
その魅力は、知識を有さずとも感覚的に感じて頂けるものであり
それらがデニムの基盤から外れていないからこそ、圧倒的な存在感としてお楽しみ頂けます。
ヴィンテージ・デニムの中でも特別な旨味として扱われるのも、現物を目の前にすると素直に納得。
そして、同じく特別な旨味である ” 愛着の形跡 “。
これが本品の中核を担います。


長い期間をかけて着用を重ねる事で生まれる色落ち。
それと並行して生じる擦れ・摩耗。
これらはデニムを楽しむ過程の必然であると同時に、世界でただ一つに仕上げるため欠かせない要素です。
色落ちの経過を楽しむ、擦れを補正する、摩耗を改善させる。
日々変化するデニムに対して着用者は適切な対応を施すのです。

デニムからの Call に対して着用者の Response 、それに対しての新たな Call。
この対話の繰り返しこそがデニムを楽しむうえでの重要なキーになるのです。
本品はすでに数回の対話が重ねられています。
一つ一つには様々な想い入れがあり、少なくない人数が関わっていることでしょう。
全てに意味があり、意図があるからこそ生まれた偶発的デザインリペアの数々。
通常であればマイナスとされる直しがプラスに反転するなんて、実に実に興味深い。

1950s Levi’s 503 , denim trousers.
これからも対話が必要になると思いますので、それを存分に味わって頂きたい。
そのつど生まれ変わり、まるで “ もう一度買った ” かのような感覚を抱いて頂けると思います。
それはおそらく、驚異的に楽しいはず。
SURR by LAILA 福留
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こんばんは。今 Gonzales のピアノ聴きながら書いています。

先日、ご紹介させて頂きましたヴィンテージ・デニム、身支度が無事に整いましたので
予定通り12日(土)よりお披露目させて頂きますが
本日はまずは、リーバイスの『 丁度真ん中 』をご紹介。
皆様ご存じのモデルかと思います、501。
その均整の取れたレッグラインは世の中に出回る様々なボトムスのお手本とされてきました。
時代によって細部が繊細に異なりますが、今回 SURR が出会えたのは60年代の一本です。
時に男性的、時に抒情的。
スタイルのみならず、季節や時間帯、はたまた気分によってその印象を変えてくれる 501 のテーパードは
世界中の人々を魅了し、今なお愛用者は増える一方。
同モデル最大の魅力とも言えるシルエットを、より実感して頂けるのがこの年代なのではないかと個人的には思います。


腿周りに極めて若干のゆとりを持たされた事で生まれる秀逸なカーブライン。
太くなく細すぎない着地点で、王道デニム・トラウザーズにおいての丁度真ん中な存在感を発揮します。
コーディネートの妙技はもちろんの事、穿くという行為そのものが意味を成す。そんな一本です。


ビッグE 特有の表情は、いつもの通り美しく
たとえデニムに興味の無い方でも何か感じて頂けると思います。
生地の特性や魅力など、細部の細部までひも解かれているアイテムですので
掘り下げようと思えばいくらでも可能です。
それが魅力的なコンテンツである事が間違いないからこそ、
私はシンプルに、ただの一本のデニムパンツとして対話するのが一番楽しく感じます。
言うまでもありませんが、それだけの力を秘めていますので
良くないわけがない。まぁある種の出来レースみたいなもの。
様々な想い出と共に芳醇な愛情が注がれた一本ですので、ただシンプルに足を通して頂きたい。
話はそれからのような気がします。

1960s Levi’s 501 , denim trousers.
トラウザーズとして単純にお薦め。
それだけのこと。
明日は XX をご紹介させて頂きます。
SURR by LAILA 福留
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