改めて御礼とご紹介と。 / Diary412
19.6.2017

 
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Karim Hadjab New collections / Diary403
 
絶対的な『個』 / Diary403
 
さて、何を基準に選ぼうか / Diary404
 
5/30 〜 6/4 まで開催しておりました「Kalim Hadjab」新作お披露目会ですが、1st pieces含め、New collectionsともに多くのお客様にお愉しみを頂けたようで、大変に嬉しく思っております。
遠方からお越し下さったお客様、新作を長らくお待ち頂いたお客様、期中足をお運び下さった皆様、深く感謝を申し上げます。
本当に有り難う御座いました。僭越ながら、此の場を借りて、御礼の言葉とさせて頂きます。
引き続き、新作のプロダクトピースは店内にて特設ステージを設けてご用意をさせて頂いております。また、1st,2nd collections piecesも一部ご紹介は可能で御座いますので、ピクチャーから気になる作品や、クリエイション、ディテール、クレジット、お気軽にお問い合わせ下さいませ。
 
さて、文頭の過去エントリー通り、新作からは各種じっくりとご紹介する機会を設けておりませんでしたので、勝手ながら私がご紹介したいプロダクトピースを、クリエイションを含め、一着の衣類としてエントリーをさせて下さい。
全作品のご紹介は叶いませんが、代表的な作品と、マニアックピース含め、連日のご紹介とさせて頂きます。
恐縮ながらも、御付き合いの程をどうぞ宜しくお願い申し上げます。
 
 
 
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Karim Hadjab crew neck cotton cardigan
 
CREATION – 4Saison –
LOCATION – North France –
BODY – 00s maison piece –
 
 
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ベースはとあるメゾンのプロダクトピース。クルーネックのディテールを有したカーディガンというひとつの衣類を目撃しますと、不思議とセンシティブに感じるのはおそらくオーソドックスの位置づけと理解に到達していないから。いえ、語弊でしょうか、オーソドックスに位置づける必要性こそ不必要。“ V ” でなければならないと法で定められているわけでもないのに何故今まで手に取ってこなかったのだろうと、不思議にさえ思います。上部2つの釦は極めて狭い間隔幅。しっとりと密のあるコットン素材は繊細というよりミリタリーライクなデューティーさも。しかしながらジャケットではなくあくまでカーディガン。そしてクルーネック。全体の1%に宿ったワンポイントをご覧頂ければ、内側より湧き出る豪壮さをご理解頂けるかと存じます。
ともあれ、この1着に、直径約12,742 kmの広大な球体上で唯一無二かつ完全たる “ 個性 ” を与えるために選択したクリエイション「4Saison」。この衣類に最適だと選定したロケーションは北フランス。約1年間、燦々と降り注ぐ自然光と真っすぐに吹き渡る北フランスの風、天水の享受を経て、獲得した確かなテクスチャーは各カットから十二分に視認頂けるかと思います。人為的では成し得ない色差と陰影,自然の恩恵をたっぷりと吸収した柔らかなコットン。
 
よって、完璧なまでに自立した1着のカーディガン。
 
大変にお勧めで御座います。
 
 
 
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Karim Hadjab french jacket
 
CREATION – 4Saison & Hand finish –
LOCATION – France & Kaim’s atelier –
BODY – fabric from 30s french antique –
 
 
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1920年〜1930年代に織られた貴重なファブリックから1着のフレンチジャケットを丁寧に仕立てる。後、フランスの地で約1年間、自然界に解き放つ。後、自然の恩恵と蓄積した作為性のない裂傷、瑕疵、変調に対し、ハンドソーイングによる整合、治癒、チューニングを施し、さらに、ヴィンテージの釦をジョイント、1着のジャケットそして成立させる。生地の段階から生粋のフランスメイド。「4Saison」と「Hand finish」という2段階のクリエイションを経て獲得された不規則かつ自然性を帯びた表情こそ、完全たる “ 個性 ” で御座いますが、この1着に関しましては、何よりもファブリックこそ素晴らしいと先ずは謂わせて下さい。それこそ、クリエイションにより昇華されたポテンシャルは確かなもので、「そこを経たから」と理由付けられるのも確かなものですが、純粋にもファブリック自体が極上のムードを発揮して御座います。繊細な面持ち、いえ、これでいてヘビーデューティーな質を感じることができる驚異性。脱いで,着て,脱いで,また着る という単純な動作のみで、“ ヘビーデューティーな質 ” というのを確実性を帯びて伝わってくる、その上、細部に目を凝らすと釦が少しずれていたり、クリエイション上の産物かフィッティング概念が一般的な線の“外側”にあったりと、なんともまぁ、偏屈かつ最高の1着。
Karim氏は、服は人間と同じようにひとつひとつ自立していなければならない、という信念を掲げておりますが、センテンス通り、「服」に命を宿すべくクリエイションを行ってきました。
“生地から仕立てる” ないし “0からの挑戦” は初めての試み。「ひとつの生地に惚れ込んだ」という単純明快なベクトルながら、この生地で仕立て上げた唯一の1着に自然の恩恵と共に命を吹き込みたいという、表現者としての強い想い。我々も純粋なまでに、“見たい” という明快なもので御座いましたが、ともあれ、1930年から膨大な時間を経て、ひとりの男に渡り、時には雨に打たれ、時には生物と共存し、自然淘汰に打ち勝ち、丁寧に癒しを受け、仕立て上げられた其の1着は、直径約12,742 kmの広大な球体上で唯一無二かつ完全たる “ 個性でしかなく ”、そうでなくとも、いえ、そうであるからこそ、純粋なまでに、1着のジャケットとしまして大変にお勧めさせて頂きたい心持ちです。
 
10年,20年、毎日にでもご着用を頂き、「人が着続けることによって発生した裂傷や瑕疵」は、もはや人為的でなく自然性のみを有した変調ですので、丁寧にチューニングを施し、末永くお召し頂きたい逸品で御座います。

 

 

SURR by LAILA 小林

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