革命と転換 / Diary1260
25.9.2024

経済難に陥っていたミラノにおいて1970年代当時モードという存在は人々において非現実でありファッションデザイナーという職は軟派で時代錯誤的だとされていた時代に独立し、逆境の中で行ったセカンドショーである1976AWにおいて既存のモードカルチャーにはなかった“紳士服の世界に女性的モードの概念を注入“することで歴代幾人かの先人たちのように既成概念を壊し文化をアップデートさせたジョルジオ・アルマーニ。この出来事を弊店のはかつてココ・シャネルが行った“モードカルチャーにおける女性の解放“その男性版であり、幾度か訪れた服飾史の革命であり転換期の一つであると捉えています。

 

 

当然ながら結果的に男性像の可能性と視野を驚異的に広げることとなったアルマーニさんの革命と転換はこのなんでもないようなオーセンティックを極める御散歩を起源に開発された敬意を有するバルカラーコートにもしっかりと注入されています。いやなんでもないようでオーセンティックだからこそその味付けとスパイスは際立つかもしれません、うん。

コットン×ヴィスコースの配合によってオリジンヴィンテージの類であるコットン×ポリエステルのそれとは一線を画す極端に軽やかな表地とピュアウールの着脱式ライニングという贅沢な要素性によって極端に重厚な裏地というそれぞれ真逆なベクトルを積極的に突き進んだ異常なまでの重さのコントラストによって着用時に生じる揺れ動きや着こなしで生じるドレープがより大胆にドラマティックに演出される、これこそまさに女性的モードの概念で軽やかなコートや重いコートは紳士服に数あれど重さのコントラストを前面に押し出すような正統的男性用プロダクトのなく、まさしく革命と転換となりました。言わずもがな彼の代名詞でもある生地量のたっぷりとしたオーヴァーサイズの独自設計は完璧なシンフォニーを生み出します。

 

 

またね、裏地が猛烈に良いんだ。シンプルに考えて上質で複雑な一着のセーターくらいは軽々仕上げられるクオリティは真の贅沢ではありますがある一定の上質な目線を超えるとこの拘りと時間と労力のかけ具合が当たり前になる。この感性が根底というか根幹にあるからこそ本当に好きですモードカルチャー,ラグジュアリーカルチャー,そしてヴィンテージカルチャー。心身が真摯に癒されます。

 

 

 

New,80s Giorgio Armani pure wool attached lining oversized bal collar coat

 

ちなみにライニングは袖無しのベスト形状でキルティングも配置されているのでかなりの防寒性を期待できそうです。ライニングを外したらオーセンティックでドラマティックにモードで軽やかなオーヴァーサイズコート、季節感の振り幅の広さと有用性の豊かさは説明不要ですね?

 

 

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