イタリアの僻地で / Diary1070
17.8.2022

しかも英語が通じなくて建物の中に入ったら電波が無いような私の大好きな田舎町でバッグに一目惚れしたんです。




ロゴがどこにも無いものの、バックルやベルトループの裏側の小さな小さな留め具にまでしっかりと刻印を刻んだクラシック年代らしい“姿勢”が際立つなんとも可愛らしいバックパックは70年代のGucciクリエイション。いかんせん私はバックパックに明るくないのでしっくり加減が分かりませんし弊店でも数年御提案していない鞄スタイルなのですが、これは問答無用に完全に一目惚れ。巾着型の小動物的フォルム、背嚢だからこそのフラップないしバンドないしの独自設計、不可思議なピスタチオカラー、しっかりとエイジングが効いた上質なレザーテクスチャー、大型犬宜しくガンガンがつがつ日常を過ごしたくてたまらない、類似の無い存在感。これもまたGucci一族の美意識あってこそでしょうか。彼ら/彼女らなりの鞄におけるカジュアルとデイリーの在り方を静かかつ確かな贅沢で具現化すると、こうなると。

 

 

 

 

 

New arrival,70s Gucci leather backpack.

私はだいぶ以前に意識的に時間をかけて鞄を探してとある一つに着地しまして、その時にあぁこれで私の人生における鞄探しは終わった(と言うか終わらせることができた)と一安心したんです。そもそも鞄あまり好きじゃなくて持たなくて済むなら手ぶらと方が良いし、でも仕事する時はやはり手ぶらというわけにはいかなくて、でもいざ向き合ってみると価格面において天井が高いアイテムなので探すのも大変だし必要予算もシビアだしで面倒な存在だったので、ガツンと手に入れて終わらせようと思っていたんです。でも終わらせたと思って過ごしていたら他のバッグスタイルが欲しくなり、人間は欲深い生き物であり自分は愚か者であること、そしてそう簡単に終わらせることなどできないことを再確認しました。道具として必要ですしねぇ鞄。ことヴィンテージで出逢える品々は見事に格好良いですしねぇ。
モノグラムでもシェリーラインでもないフルレザーバッグ、こんなのがあるとは。フルレザーのバックパックって滅茶苦茶格好良いですよね。憧れです。しかしながらタフ&エレガントの調和はヴィンテージならではハイエンドの老舗ならではで、似たものや近しいムードと出逢えることはなさそうに思った一目惚れでした。
 
やっぱり現地及び本場はいつまでも強いし面白いなぁ。

 

 

SURR 福留

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