Dearest, / Diary1071
19.8.2022

“親愛なる老舗ワークウェア各社様及びワークカルチャー様。貴方たちが紡いできたファイヴポケットパンツというヘリテージの糸は無事ピュアロウシルクに繋がっていますよ。安心してくださいね”
私は胸の内で虚空に呟きました。実用性とスタイルに直結したクレイジークリエイションは本当に尊い。変人万歳。

 

 

 



ランドリーバッグやコーヒー豆の保存袋で御馴染みのヘンプ生地。その見事なまでに容赦なくざらついた独特なテクスチャーを時になんとか滑らかにして、時にざらつきですら面白みとしてファッションクロージングに作り変える手法はこれまでにも幾度となく行われてきましたし、その中には時にアップサイクルと呼べるようなクリエイションもあったことと思いますので、こちらと出逢った時には“いわゆるそれらね”と独り言ちたのですが、いざ触れてみて驚天動地。全くもってざらつかないどころか異常なほどに滑らかで美しい光沢感を有していたと思ったらピュアシルクときたものですから、冒頭の呟きに至ります。

揃っているようでやはり揃いきっていないものの充分過ぎるほどに丁寧かつ圧倒的な暖かみが共存する手織り機であろうと想像できる異常なテクスチャー,オーガニックなカラーリング,時代性を感じさせながら独特な洗練性を感じずにはいられない風土の滲む世界観。このファイヴポケットパンツという王道に意外性と異常性をマリアージュさせたクレイジーな一本を製作したのは80年代後期に誕生したフランスのローカルメーカーで、レディースメインのそこが90年代の最初頭に数シーズンのみ製作したHommeのクリエイションピースという、これまた本国ならでは本場ならではの出逢いでした。

T:3と記されているのがサイズ表記と推測できまして、フレンチワークの文化でも0,1,2という表記があることからもLくらいなのかしらと思い足を通してみると普段48サイズの身体で丁度良かったのですが、それ以上にトロンないしトプンという音が聴こえてきそうな(聴こえたかも?)生地のドレープ感とナチュラルなレッグラインイメージからかけ離れた異次元のシルエット表現に驚かされました。それらはこれまでに体感してきたどの素材感にも当てはまりません。ピュアロウシルクで手織り機でヘンプ調にどっしりと織るとこんな感じなるのかと勉強になりましたが、近似値に出逢える気が全くしないので勉強は無駄になりそう。ちなみに全然涼し気でした。きっとシルクの特性上寒くなったら暖かく感じるのでしょうねぇ。

 

 

 

 

 



New arrival,early90s French pure raw silk 5pocket pants.

寿司を食べたらステーキも食べたいようにスラックスと同じく惹かれるカジュアルの代名詞ファイヴポケットパンツをピュアロウシルクにて。希少な構築で実用的で格好良くて王道の要素性もあって快適、“これぞファッションデザイナーの仕事”の中でも最高位だと思います。

 

 

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