さて、これなーんだ?
正解はハンドプロテクターでした。
分かるわけない。分かるわけがない。なんですかこの形状、なんですかハンドプロレクターって。これまでも良い意味で変態的でカオティックでカルトティックなファッションデザイナーであると心から尊敬していましたが、この一品で更に存在価値が極まりました。やっべぇです。コレクターが所有する資料がなければこのアンサーには辿り着けなかったでしょう。辿り着ける気が全くしませんで、相変わらず私はファッションデザイナーには向いていないんだなぁと独り言ちました。
確かに90年代に突入してから新たなモードの在り方として既存の衣類を部分的に抜粋してアクセサリーとする,もしくは既存の衣類やアイテムの解釈を変えてアクセサリーの要素性も含ませる独立装飾の概念及びデザインアプローチが誕生しましたが、それらともまた異なる“異質さ”です。
そう異質。とにかく異質。まるで人間は美しいばかりではなくおどろおどろしく醜い存在なんだよとでも言いたげな、純真無垢なふり(意識的にせよ無意識的にせよ)をしたこの世に放り込まれた在るべき異物のような、静かにも関わらず激しく情熱的な存在感と申しますか。とにかく容赦の無い迫力はやはり Carol Christian Poell という稀有な才能あってこそと改めて切に思います。そもそもにおいては氏は手元の装飾品や片手だけのグローヴなどその部位に対して特に積極的に取り組んでいましたので、ある種のフェチズムと申しますか、こだわりがあったのでしょう。私も手というパーツが昔から好きでして、なんでだろうと思っていたある時に何かの本で“人が一生で最も見る自分の身体のパーツは手だ”という一説を目にした時、手が好きなこれまでがふと腑に落ちた次第です。フェチズムというわけではないのですが、なんか手って格好良くないですか?どんな形状にせよ、スリムであろうとマッチョであろうと。なんか根本的に格好良い部位だと思うんですよね。
late90-early00s Carol Christian Poell SAFE leather hand protector.
実際に服を作れるキャロル氏ですから、こういった手を守る防具的なものを活用していたのでしょうか。もしくはギブスといった医療関連?など幾らでも妄想できそうですね。いずれにせよ弊店にとってはブレスレットの派生・亜種として,手元を彩るアクセサリーとして,痺れるほどに格好良い“アイテム”として御提案させて頂きます。
SURR 福留
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