Italy maison, 退屈から遠い座標 / Diary630
26.11.2018


プレタポルテ要素, サルトリアル, 質。この 3 本柱がどのような太さと長さで構成されるかによってイタリーメゾンの出で立ちと居様が変化致しまして、プレタポルテに特化するもサルトリアルに特化するも正解で正統であり、どちらを良しとするもお気に召すままですが、私個人としてはただ型にはまってしまうだけの綺麗さや慣習に捉われ過ぎるきらいはなんと申しますか、まぁ非社会的社会人特有の癖として退屈に感じてしまいますので選びませんが、とは言え型にはまることや慣習に捉われ過ぎることを好ましく想わないのも結局のところ “ そのような型 ” と言われればそれまでではありますが、その矛盾を取り急ぎ良しとして前を向こうと少し前に十数メートルから飛び降りて想うようになりまして、余談ではありますが飛んでからというもの酩酊時に理性を飛ばす思い切りが極めて極めて良くなり記憶と財布の中身が著しく消失する夜を愉しく愉しく過ごさせて頂いております、それはもう。

ここ数回の新作御披露目におきまして御来店くださいました皆様に心からの御礼を申し上げると共に、手前どもが至らずじっくりと御提案が叶わなかった方々、多大にお待たせしてしまった方々に心からお詫びを申し上げます。それら新作群にはプレタポルテの要素がそれはそれは色濃い品やサルトリアルが存分に主張された品、その看板独自の旨味を十二分に封じ込めた品や質を極限まで研ぎ澄ませた品など様々ございましたが、本日はその中から 3 本柱の屹立が特出して美しい, その様が特出して心地良い一着を御提案させてください。

 

 

 

 

 

プレタポルテの柱が太かった前回と対比を成す本品におけるサルトリアルの匂いですが、そのうえでしっかりと注がれるイタリー・プレタポルテとしての威信はやはりものの見事に芳醇でして、肩から胸にかけての強調力から成る滑らかなサルトリアらしい形状成型と、長く主張する襟の豊かな存在感にフラップを排除する, イコール室内向け, イコール肩の力を抜く提案というさりげなくも強烈に粋な演出といった “ その看板 ” ならではのプレタポルテとしての主意の協調力。そして本国において正統に精製されたウールとカシミアが文字通り織り成す蕩けるような表情, 英国特有のツイードとは良い意味で一線を画す、イタリアならではの軽やかで明るく楽しいツイードの表情が相まったその出で立ちと居様は、型にはまり過ぎることも慣習に捉われ過ぎることもない、私にとって恒久的に御提案したいと想う退屈から遠い座標に在る紳士像です。

 

 

 

 

 

early80s Cerruti wool & cashmere tailored jacket

これは今期の一個人的な御提案ですが、是非とも 真冬を越えるテーラードジャケット として捉えて頂きたい一着でもございます。衣類諸々の性質を明確に組み合わせて寒を防ぐという、現代を闊歩する男性として真摯かつ正統な真冬の装い。テーラードジャケットによるそれも一つの粋なのではないでしょうか。なお、それには手袋やマフラーなどの要素がすべからく必要になることと想いますが、それら全てを弊店から御提案することはおそらく叶いませんので御興味頂ける暁にはそれらをどこかで御手配頂く必要がございますが、御容赦くださいませ。

 

 

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