1881 couture / Diary626
19.11.2018

 

 

栄光を手に入れた1980年代同社の衣服を検分した結果は決まって同じで、そうはいっても同年代同社の其々との出逢いというのはそう容易いものでもなく、ましてやプレタポルテ最高品質レーヴェルに位置する “1881 couture” の冠を有した個体と成りますと今までの検分結果が自動オーバーライトセーヴされるほど,其の上の上の上をゆく実際力と圧倒性を放つファクターとして申し上げねばならないやはり 素材 について。

 

 

 


 

late1800sから続く家族経営の姿勢と良質なファブリックを提供し続ける成り立ちから発展したメゾンネーム、そう多くはないと憶いますし、指を折って言ってみろといわれると必ず最初に申し上げたい Cerruti社 が表現する最盛期80年代の衣服を検分した結果は決まって【素材の良さの際立ち】で御座いますが、それがプレタポルテ最高品質レーヴェルに位置する冠を有した個体との出逢いがどれほど嬉しい経験とさせて頂いたかは素材への純粋無垢な納得に次いで、御仕立てを拝見したこと以上に、軽くてとても暖かい/羽織りというのが冬を越すうえでは至極最強だという言明を前に、例えばそれが総裏仕立てのテーラードであるとして、芯や硬さを完全に撤廃したテーラードジャケットであるとして、とろけるような羊毛を用いて着心地を実現した Cerruti 1881 couture である事実と、どれほど素晴らしい cashmere / カシミア かなんて筆舌には尽くし難く、猛烈に感動を致しました。

 

 

 





 

謂わずもがなビスポークとは真逆に位置するほどフィッティングアプローチも逆行しているもので、イージーフィットを見事に実現させた独特のテーラード基底には既成ルールが無い自由意志と、テーラードの上にテーラードを着ることも正解とされるフリーダムフィットなわけで、だからこそ立体的な構造性で勝負しない成り立ちがプロポーションを極めて難しくし、均衡が崩れるとルーズになり、だらしなくなり、テーラードであるして無いに帰結してしまう最もディープな構成と憶いますので弊店としてもシビアで厳格な検分規律と精査基準を設けさせて頂いている中で、その均衡を紳士提案として素晴らしいほど成功させた90s Dries Van Notenはご提案続けてきたイージーフィット / テーラードの唯一区分で御座いますが、それ以前に、90年代以前に、ましてやイタリア構築的アプローチが盛んな1980年代,同社が最高品質を謳うカテゴリで御披露目された本作の存在事実は嬉しくてたまらず、綿密かつ正確に運ばれた針、直角的なカッティング、2釦の本切羽、パッティングや立体的な部位は全て排除、スリットほど短いサイドベンツ、生地の分量を操るダーツ,整合的な釦数,骨組みとディテイルが息づく完璧なプロポーションで成功している本作のイージーフィット / テーラードを、冬を迎える此の頃に、街に溶け込む愛すべきミルクグリーンの特異点で常用できるチャンスを与えてくれた同社の伝統性と発展性に深く感謝を申し上げたいと同時に、完全無欠な milk green / ミルクグリーン を絶対的カシミアの力で常用できるチャンスは本作以外考えられやしないとエネルギーをもってご提案させて頂きたい所存です。永い,永い、御付き合いに成り得ますので。

 

 

 



80s Cerrutti “1881 couture” cashmere tailored jacket

 

 

 

 

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