創業から 143 年後の 1999 年に、かねてよりラベルの旗に記されていた “ 前へ ” のラテン語をそのまま冠した新たなクリエイションライン, Burberry Prorsum Collection を立ち上げたバーバリー社。古きを知り歴史に敬意を払い新しきを生む、まさに Prorsum な意欲と挑み続ける姿勢から受ける感情の波は、やはりいつまでも喜ばしく心地良いものですが、ロンドンの親愛なるコレクターの下で出逢えたこの一着から受けたそれは、私を感動という名の深淵な海に連れ流してくれ、おかげで帰りの電車に乗り遅れました。
バーバリークロスから始まるマテリアル開発、トレンチコートから始まるスタイル精査。バーバリー社によるそれは英国式ファッションの歴史そのものと言ったとて、決しておかしくはないほどに膨大な時間をかけて累積された実績であり事実の一つ。145 年間のそれをふまれて 2001 年に生み出された本品は、ミリタリーの要素, ワークウェアの要素, カルチャーウェアの要素をそれぞれの部分的に、時に複合的に感じさせてくれます。歴史がお手本になることはモードにおける定石ですが、私にとってこちらは一味異なる印象を受けまして、例えば定石が累積された歴史から一つのスタイルをベースにし、足し引きを経て生み出されているとしたら、こちらは歴史から様々なパーツをピックアップして並べた後に、それらをゼロから組み上げている印象と申しますか、新しきを目指すクリエイションにおいて、特に “ 生み出す ” という要素を濃密に感じさせてくれる一着です。
と、申しましてもこれらは所詮、連れ流された大海原に浮かびながら紐解いたことであって、結局のところはプロダクトとしての純粋な美しさ、着用時の圧倒的な高揚感。いわゆる “ 物質としての品格 ” が一番の衝撃。
01s Burberry Prorsum Collection , cotton jacket
SURR by LAILA 福留
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