




私はつくづくアメリカンヴィンテージを知らない人生を過ごしてきましたので昨今のヴィンテージフックアップ・モードアプローチの御陰もあって特に新しく知る機会が増えるのと同時にデザイナーズヴィンテージの文化においてもいかにアメリカンデザインが多いかを、ヨーロピアンデザイナーたちがいかにアメリカンカルチャーを吸収していたかを再確認するここ数年ですが、だからと言ってアメリカンヴィンテージを勉強しようと思うかというとそうでもないのは結局のところファッションを好きになったあの頃の自分の根っこがまだ腐らずにあるんだなぁと独り言ちます。もっともっと月齢を重ねまくったら興味を抱くかもしれませんねもしかしたら、還暦からのG⚪︎Pとかカーハー⚪︎とか。
でもやっぱりモードカルチャーとヨーロピアンデザインが好きだし、何よりヨーロピアンデザイナーによるアメリカ解釈が好き。だから引き続き私の中でのアメリカンカルチャーの解釈はワンクッション入っていてイコール捻くれているんだと思う。とは言え特に油が乗り始めるのがやはり80年代に突入してからで、となると往々にして生産背景の精査によってメンズウェアはヨーロッパ圏外アトリエでのクリエイションがほとんどになってしまいまして、もちろんそれらも立派なデザイナーズプロダクトだし素敵な品も存在するのですがなかなかどうして個人的に比喩じゃなくて本当の意味で手が伸びなくてもどかしい限りですが、その傾向は昨今国内でメンズヨーロピアンヴィンテージの提案店が増え始めたなどは全く関係なく遥か昔からそうでしたので、ある種諦めの境地に達しているレベル。まぁ心境的に一番健康なのは生産背景を気にせずにブランドラベルで選ぶことですが、それをしたら私ではなくなってしまうもんなーと。
だからブルーデニムとグリーンピケのコントラストが心地良いこの一着との出逢いは嬉しかった、80年代Yves Saint Laurent Jeanswearクリエイションのイタリア・アトリエによる一着。これまた心地良いアメリカンSTYLEで濃度はきっとほぼMAXに近いけれど明らかに服飾史的美意識が際立つ立体構築と色彩感覚が光ってくれ増すし、なんと言っても最大の個人的求心点は生地感で、イタリアの糸と染料だからこその上品なエイジングは同時代・同ヨーロッパ圏外アトリエクリエイションではほぼ間違いなく辿り着けませんし、良い意味でオリジンカルチャーとも異なるベクトルの説得力。これは本当に稀有な到達点です。

New 80s Yves Saint Laurent Jeanswear quilting lining denim & pique half coat
見た目で一目惚れして掘り下げたら驚きと喜びに満ち溢れた納得の実情。生産背景にこだわり過ぎるのは時に野暮ですがしっかりと条件が揃った際には徹底的な意義と圧倒的な価値になります。仕立てに長けたイタリアの立体構築で糸も染料もイタリア本国が手掛けたことが無意味なんてことは絶対にあり得ないでしょ。
SURR 福留
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