数年以上前のことになりますが、私は元々「ミリタリー」というジャンルの洋服があまり得意ではありませんでした。どこか無骨で、強さが前に出すぎている印象があり、自分のスタイルとは少し距離のある存在だったように思います。そんな価値観が大きく変わるきっかけになったのが、French Air Forceとの出会いでした、初めて袖を通したとき、無骨すぎるという先入観が一気に覆され、ただ純粋に「カッコイイ」と驚いた記憶が、今でも強く残っています。 機能服でありながら、どこか品があり、空気感はむしろモードに近い、その佇まいに、自然と惹き込まれていきました。元々デザイナーズカルチャーが好きだったこともあり、その相性の良さは想像以上でしたし、構築的なシルエットや素材選び、スタイリングの自由度は、デザイナーズの洋服と組み合わせることで一層際立ち、気がつけばほぼ毎日のように着ていた時期もありました。ミリタリーでありながら、スタイリング次第で表情が大きく変わる。改めて服の面白さを教えられた気がします。 今回は、そんな自身の体験も踏まえながら、ミリタリー × デザイナーズという組み合わせを提案させていただきます。


装飾も必要な分だけで、過不足がありません。「足す」よりも「揃える」ことで形を作っている印象で、色は深く、少し鈍さのあるグリーンで、明るさや鮮やかさはなく、その分、全体の印象を落ち着かせていて、背景を加味したイメージと自然につながり、違和感が残らない色です。 着ていて目立つというよりは、ふと目に入ったときに「いいな」と思わせる何かがある。そんな魅力があるなと毎度思います。


Louis Vuittonからショールカラースタイルのスカーフ。一般的な「巻くためのスカーフ」とは発想が大きく異なります。最大の特徴は、首に巻く行為そのものをデザインの中心に置いていない点です。むしろ、首元に預けるような感覚で成立する、極めて構築的なスカーフと言えます。首に触れる部分は柔らかく、圧迫感を感じさせない一方で、前に垂れるパネル部分はニットの目がしっかり立っています。これにより、無造作に掛けただけでも自然とVラインが整い、スタイリングに品と奥行きが生まれます。

全く文脈の違うもの同士を合わせることで、それぞれが持つ良さは削がれるどころか、むしろ輪郭がはっきりと浮かび上がり、ミリタリーの文脈は、スカーフよって中和され、反対にこのスカーフの持つ上質さは、ミリタリーウェアの実用的な空気感によって過剰にならず、自然に日常へと引き戻されます。全く文脈の違うもの程よりマッチする気がします。

インナーはお好みで。
どちらも手元にあれば、スタイルの幅を広げてくれると思いますし、何かときっかけを作ってくれるかと。
SURR 古川
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