
弊店が愛し敬愛するヴィンテージカルチャーの一つにEast Westがあります。ちょうど10年前にささやかながら弊社の真のアーカイヴを交えたエキシビションを催したりと弊店では勝手ながら馴染みの深い存在ながら深淵まで御紹介するとなるとちょっとした小説ぐらいの文字量になりかねませんので、元々楽器屋だった会社が興したレザーウェアブランドのため正式にはEast West Musical Instruments Companyという長名であること,サンフランシスコに居を構えていたこと,当時のミュージシャンや銀幕のスターたちがこぞって愛用していたこと,突如現れたレザーテーラーリングという新たなファッション哲学によってその業界が盛り上がり結果的にパイオニアであったEast Westが10年弱で姿を消したこと,そして生み出すデザイナーも受け取る顧客たちもドラッグ愛用者が多数であったこと,そして弊店の感覚ではありますが服飾史を彩ってきたモードデザイナー全員が影響を受けた存在であること。触れるのはこれくらいに留めておきます。
控えめに言って伝説的なブランドであったEast West。前述の通りレザーテーラーという新たな哲学と称されることが多いかと思いますが私はそれ以上にモードなレザーウェアの原点がそこにはあると思います、バイカーだったりアヴィエイターであったりといわゆる防護服・防寒服であったレザーの洋服にファッションの概念を,後のモードデザインの源流を見出したのがEast Westであると。そして様々なモデルが存在しそれぞれに名前が付いているという素敵さでも知られていますが、私はこれまでそれぞれのデザインに過去のファッションカルチャーの気配を感じることはありませんでした。あくまでEast WestのデザインはEast Westから、それ以前には無いと思い切っていたのです。そしてそれはドラッグカルチャーという時代と土地の縁があって育まれたものであると。
ゆえに個人的にこの一着との出逢いは衝撃的でした、アレ?日本だと人気ランキングTOP10には食い込むであろうモデル,Winchesterじゃんか、がその実クラシックでオリジンなフレンチワークプロダクトだったのですから。




でも実際問題としてはEast Westメンバーがこれらフレンチワークだったりのカルチャーを見ていたか・知っていたかで言うと、私は見ていないし知っていなかったのではと思います。いわゆる御手本としてリソースとしてヴィンテージカルチャーをヨーロピアンカルチャーを探求していたか,追求していたか,勉強していたか、うーんどうなんだろうなぁ正直全然想像つかないなぁ。とはいえデザインチームを組んでいたのでその中にいたのかしら?フレンチワーク好きのドラッグ愛用者、うーん正直に言って分かりません。でもこれもEast Westが唯一無二過ぎてこれまでに一度たりとも頭の中で繋がったことが無かったのですが、考えてみると観察してみるとEast Westにおけるデザインラペルのサイズ感だったりバランスにフランス服飾史特有の大きな襟の文化を感じることができます。

New 50s French Work Government Worker sheep leather green coat
それと同時に単純明快にアラヤダこのレザーコート、グリーンだなんて素敵過ぎるしコンディションも良過ぎるしシルエットバランスとスタイル性も申し分無さ過ぎて最高!と心の中でガッツポーズを取ったのも事実です。これまで様々御提案してきたフレンチワークのGovernment Workerプロダクトですが、真緑なんて存在したんですねぇ。いやーシンプルに滅茶苦茶格好良い。
ちなみに実物からはきっと御想像以上に真緑を感じて頂けると思いますし、きっとその点もより一層楽しく感じて頂けるのではと思います。真緑のレザーコート、良いなぁ。
SURR 福留
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