パ二ナロ / Diary1335
18.9.2025

 

1980年代にイタリア(ミラノ)で生まれた、若者を象徴するカルチャー”パニナロ”。 始まりは、当時の裕福な家庭の子ども達が留学先としてアメリカに行き、そこで目にしたファッション・ファストフードをイタリアに持ち帰り、それがパニナロのスタイルに直結したのである。 今回はファストフードではなく、ファッションスタイルについて触れていきます。彼らの定番は、鮮やかなジャケットにリーバイスを穿き、ティンバーランドのブーツ。自分自身の最初の印象としては、ダサいなと思いましたが、深く知っていき、当時の写真を見ていくうちに、ダサさはあるけど、かっこいいなと思うようになりました。このバランスを表現するのって難しいと思いますし、私は、このパニナロのスタイルからは、たくさんのインスピレーションを受けたと思います。 彼らは、モンクレール・ストーンアイランドなど、複数のブランドを好んでいましたが、その中から今回ご紹介するのは、”Best Company”です。

 

 

 

1982年にオルメス・カレッティによって設立され、1992年までの短期間で終了してしまいます。アメリカのワーク・カレッジ・スポーツスタイルをベースにポップなカラーリングや大胆なグラフィック・刺繍が特徴的なイタリアのブランドです。 この羽織は、アメリカのベールボールシャツをサンプルにしており、生地には柔らかなスウェット素材を採用し、配色にはグレー×イエローの鮮やかなコントラストを効かせることで、イタリアブランドらしい遊び心と洗練を加えています。アメリカンスポーツ をイタリア流に再解釈するという姿勢は、Best Companyならではの持ち味だと思います。

 

 

バックプリントには、Newport Beach Californiaの文字、これは、アメリカ西海岸の高級リゾート地で、当時の若者にとってアメリカは一種の憧れで、自由でリッチなライフスタイルを具現化したものだと思います。

 

 

サイズはLサイズのゆったりとしたシルエットで、肩の力を抜いて着こなせる一方、裾や袖口のリブが全体を程よく引き締めてくれます。今回は、パ二ナロスタイルでデニムを合わせましたが、綺麗なスラックスを履いて、少しドレスに振ってもカッコイイですし、気温に合わせてインナーをフーディーやシャツに変えるだけで印象が大きく変わるんだろうなと思いました。各スタイルの中で、様々な合わせで楽しんでいただきたいです。

 

 

SURR 古川

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