Court / Diary1067
29.7.2022

まずラベルに手書きでSpecialと書き殴ってしまうコレクターの感情表現にキュン。希少性よりもそう思う気持ちをそのまま表せる素直な姿勢が素敵と言うか、貴方が言うならもちろんそうだよ、ましてや貴方ほどの専門家ならスペシャルうんぬんとか言うまでもないよという強者なので私は説得力よりも人間的な可愛らしさを先に感じてしまいまして。でも大事だなぁと思いましたよ素直な姿勢。見習わなくちゃ。

ちなみにスペシャルの理由はラベルにも記載されている通りCourt、“着丈短い”モデルでした。ん?Court?

 

 

 

向かって左がCourtで右がノーマル着丈の個体。王道の王であるカバーオールジャケットはこれまでも様々な丈感がありましたし、それこそ上の右は身体を包み込む設計意図が強い長めの着丈ですが、ここまではっきりと短くCourtと名付けられたモデルの存在は認識していませんでした。いやはや相も変わらず奥が深いったらありゃしませんが、それにしても面白過ぎて困ります。ポケットのバランスや各所の意匠などに変更点も個性も一切無しなうえで単純明快に着丈が猛烈に短いという一瞬見逃してしまいそうなほどにさりげないながら、いざ向き合ってみると不自然で違和感でしかない意外性。鳴々、たまらん。

 

 

 


ほら、明らかにおかしいバランス。水が一度も通っていない完全未使用のデッドストックということもあってそれこそ“フレンチワークの世界観に敬意を払って忠実に再現しつつ、オーヴァーサイズに再構築したオリジナルのショート丈に仕上げました”的な現代のプロダクトないしデザイナーズ的な雰囲気を醸し出しているかもしれませんが、完全無欠のフレンチワーク・オリジナルプロダクト。そこには着飾るためのファッションではなく働くための衣類としいう意図しかありませんで、このCourtは見たまんま動きやすさを特に求めた構築個性ですが、だからこそ御洒落。おしゃれでもオシャレでもない純真無垢な真の御洒落です。

 

 

 

50s French work Court coverall jacket,deadstock.

例えるならばリーバイスのデニムジャケット的トラッカージャケット的なすっきり丈感。でも丸い襟しかりポケットの構築感しかりカラーリングしかりが王道の王であるフレンチワークカバーオールなので、混乱。しかも設計意図がそもそもにおいてオーヴァーサイズなので綺麗に広がるヘムラインとか素晴らしく“今”のムードですよ。
私、王道のプロダクトにさりげなくて,でも確かな存在感で,かつ無駄じゃない個性であったりアレンジが注がれるの猛烈にツボなんです。もうまいっちんぐ。

 

 

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