KARIM HADJAB, couture / Diary613
26.10.2018

 

 

カリーム・アジャブ氏が手掛けるKARIM HADJABについては小林,福留共に、それぞれ11回ずつDiaryにおいて綴らせて頂いておりました。ここで考え,文章に起す作業は、事務的というよりなにかの儀式のようなもので、もしくは言葉通りの対話であり、あるいは対象個体に隠された秘密を暴こうとする邪心や親密な関係を築こうとする好奇心に支配されているもので、いずれにせよ書き終わった際はより一層と愛情が増しているもので、ここで申し上げる事では当然御座いませんが、お客様へ金銭と引き換えにお渡しするだけの運びに留まらない「商品からの超越」を獲得するための一手段であります。ある意味においては。少なからず、わたくしにとっては。
 

 

そのように限定同区分に向けた綴りを11回行わせて頂きましたカリーム・アジャブ氏が手掛けるKARIM HADJABについて。視覚的魅力や明快な出立ちは扨措き、概念性や意味性のほうが専ら強烈なもので、強烈なまでに、強烈なほど、心の奥底に注がれるものですから、カリーム・アジャブ氏が手掛けるKARIM HADJABと向き合い続けた約3年の間に「対話」を成したそれぞれは、過ごした時間を得て感じた今現在は、ワークピースやヴィンテージやスタイルやクリエイションやその他色々をもって向き合う事を辞めたそれぞれと成り得まして、もっと深く、もっと密接で、もっと宿命的な、純然たる 衣 であり、同氏はそこに 命 があると堅固な信念を抱いております。其処に関しては未だ未だ,対話が足りず、おそらく3年という月日では到底辿り着けぬ領域のように憶っております。

 

KARIM HADJABを手掛けるカリーム・アジャブ氏に、「クリエイター」「アーティスト」「表現者」というより、ひとりの男性として,ひとりの人間としての魅力を憶えたのも半年前。衣服1着への汚れのない情熱や、濁りのない愛情が注がれている事実、熱意と強さが入り交じった 鋭気 すら感取する有り様は、【作り手の心の通っていない服作りはとても嫌なんだ。着て美しいだけの服には興味がない。いつも着る人に寄り添い、風に揺られて、鳥の声を聞いて、たまには雨にさらされて。そのようなあり方がとても大事なんだ】というインタビューでボソッと語られた日本語句96文字に凝縮していると、わたくしも大切にさせて頂いているセンテンスです。すべてに通ずるとも憶いますので。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

この度、ご用意させて頂いたカリーム・アジャブ氏が手掛けるKARIM HADJABの衣服は、2点のみの御披露目で御座いまして、2点のみしか向き合えなかったKARIM HADJABを手掛けるカリーム・アジャブ氏より大切に御譲り頂いた衣服でありますが、カリーム・アジャブ氏が手掛けるKARIM HADJABの中で特異的にポジションする実相と詳細で御座いますので、2点それぞれは簡潔的な詳細事実を記したいと思い、いづれも1からの御仕立てと、極稀少の生地をもって向き合ったKARIM HADJABを手掛けるカリーム・アジャブ氏の不可測かつ突然の予測できない衝動に駆られた 【Body Couture】と【Couture】の2着である事、先ずは前置きとしまして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10/27(土)12:00より、御披露目と致します。

 


KARIM HADJAB
location : France / Atelier
creation : Couture / 4Saison
fabric : 1930s cotton herringbone dead stock
idea base : early1900s French work coverall jacket

 

1930年代コットンヘリンボーンのファブリックを用いて製作された個体。1900年代初頭のフレンチワークカバーオールを資料に構築され、立体的なパターンメイクとそれ以降は排除された脇下の可動域生地(2等辺三角形のもの。形状から同氏はこのパーツをナイフと呼んでる)が特徴。随所に手縫いを施し、また補強として裏側各所にアンティークインディゴリネンの生地も配置している。後、1年間自然界へ投下。生物との共存、天水や自然光の恩恵、あるいは自然の猛威という厳しい環境直下での洗礼を受け、1年後に収穫。全体としてマッシュルームトーンからコルク色を確認できるクリーミーな実相。整合的な4つ釦、手作業の行程が多い当時の時代背景を踏襲したショートスリーブレングス。

 

 

 

 

 


KARIM HADJAB
location : France / Atelier
creation : Body Couture / Overdye / 4Saison
fabric : 1930s cotton herringbone dead stock
idea base : 1910s French work double-breasted jacket

 

1930年代コットンヘリンボーンのファブリックを用いて製作された個体。1910年のフレンチワークダブルブレストジャケットを資料に構築され、カリーム・アジャブ氏の身体に併せて設計されたボディクチュールピース。釦ホールや生地端の折り返し部分をすべて手縫い仕上げ、脇下のプリーツも上記資料を精密に表現。染色後、1年間自然界へ投下。生物との共存、天水や自然光の恩恵、あるいは自然の猛威という厳しい環境直下での洗礼を受け、1年後に収穫。同氏表現唯一の深いボルドー色に昇華された本作は、フレンチ・シックとしてのシンボリズムを感取できる素晴らしき実相。絶品です。

 

 

 

 

 

 

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