店頭にてご説明させて頂く度、より一層と没入感を憶える同社至極のバルマカーンということで、本日改めてエントリーを試みているわけですが、その魅力を言葉に置換する行いはその実際的魅力を損なわせる可能性も大いにある程、破壊力に満ちた実際的魅力なわけで、それは言葉ならず写真を撮るという行いですらその者の能力にとっては処置しかねる種類の困難であり、あるいは努力によって乗り越えられる種類の困難ではない、と悟った個体が本作含め、Newarrival0921新作中,2着御座いました。少なからず私にとっては。
そのような御品との出逢いが はじめまして であれば蓄えた知識や見識から最も遠いところで憶える 感動 に近い無垢な感情で御座いましょうが、邂逅なる また逢いましたね にもかかわらず初期感動が完全なるカタチで損なわれていないというのは如何なものかと憶うわけです(白状しますが嫉妬に近い)。ひとは其れを傑作と呼び、わたくしは此れを「完璧な外着」と呼びます。
正統的な実像に添えられた控えめな襟、小振りなホーン釦、柔和でコシのある織り、軽やかで、ミルキーで、何より力強く、そしてフレンチシズムを超えた紳士性は万人のための万人に向けた万人と共鳴する御仕立てで御座います故、ファッショナブルに向き合うべき実相ではないというのが私の独り言でして、そもそも外套(本文では主にバルマカーンコート)というはたらきを深く理解致しますと外界から身を守り,衣服を守り,相手様に失礼のない装いという事で純然たる外着の意味性が落ち着くところ、室内で脱いだとき初めてその者の個性が表出し,成立するスタイルがあって宜しいのだろうと熟熟憶いまして、仮にもひとが傑作と呼ぶ此のコートは、所有者様の盾となり、雨風から守り、室内では目と手の届くところに掛け、モールスキンの上澄みの上澄みを掬い取ったような驚異的な肌触りと、身体を包み込みながら生地の分量から成るドレープでは決して誤摩化せない美しきプロポーション、傾斜させた平織りの決定的な物理的強度、あとはそう、都会に生きる御心を少しばかり豊にして頂ける「完璧な外着」としてわたくしはエントリーさせて頂きたく憶い、同社人間の前に描かれた何方も乗っていない直径約2.5cmの馬車に込められた憶いというのをご査収頂き、純然たるバルマカーンコートとして御賢察を頂けましたら大変光栄に憶います。
80s Hermes balmacaan coat
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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