狐 = 〇〇〇〇ちき / Diary574
8.8.2018

遥か昔になんとなし選んだ丸眼鏡は当時周囲から事あるごとに指摘され、そのほとんどに誉れではない意味合いを感じておりましたが、時を経た今では市民権を獲得し今や女性が身に着けていることすら珍しくなくなりました。約 10 年ほど前でしょうか、これまたなんとなしに選んだ薄い色付きレンズもまた、当時の周囲から誉れどころか失笑の意味合いを感じる指摘を受け続けてきましたが、今や幅広い人々が御愛用されている印象です。その2つの逆転現象を肌身で感じ ( そして純真無垢な性悪人間への道を邁進し ) た私はある日 “ 全く市民権を得ていない印象の、大好きなあのオプティカルスタイルも近々日の目を浴びるのではないか ” という一つの愉しい未来の可能性に想い至りましたが、約 4 年ほど経った現在、その気配まるで皆無。

 

 

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いくら記憶を掘り返しても掘り返してもそのきっかけは想い出せず、真の意味合いで気付いたら好きになっていた存在でして、遥か遥か昔、進学の節目に親族から頂戴した金一封でそのスタイルのサングラスを勇んで買っていたほどなのですが、どうしてもあの下膨らみに魅了されたきっかけを想い出せません 。ここ数日折りに触れては考えているのですが、やはり駄目です。
ファブリシオ・モレッティ → 彼より前に愛用していた。 『 ラスベガスをやっつけろ 』 → 観ていない。  シャネルズ → 聴いていない。  『 アルゴ 』 → そういう演者はいたけれど。  『 ナポレオン・ダイナマイト 』 → とても好きな映画だけど。

しいて、しいて言うのであればフィリップ・シーモア・ホフマンが何かの映画でかけていたような記憶 ( 劇中でボーダーのトップス着ていたような ) がありますが、曖昧です。曖昧なので違うのだろうと想いますが、しかしながらフィリップ・シーモア・ホフマンは心から尊敬する色気溢るる人間像の一人ですので、取り急ぎ暫定的に彼と致しましょう。

いずれにせよ、今回の新作群に私の想い焦がれる “ オプティカルとしてのそれ ” が在り、心から嬉しく想います。 “ オプティカルとしての ” という基準が極めて厄介でして、それら基本的にサングラスとしての用途が多いためレンズサイズがたっぷりしている品しかございません。そしてそもそも出逢える機会が少ないのはやはり需要と供給が天秤にかけられた結果なのでしょう。その残酷な現実は長らく魅了されてきた愛用者にとって不服千万以外の何ものでもありませんが、考えてみれば御客様方から御要望のお声を頂戴したことがございませんので、今回もまた独り善がりの狐でございましょう。

 

 

 

 

 

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late 60s Algha Works, teardrop optical

本品が敬愛する名工 “ アルガ・ワークス ” の希少年代であることも大きな大きな喜び。金無垢をたっぷりと纏わりつかせたとろける金属質感と、アルガらしい角の強調された形状調和と、ティアドロップならではの広い視界とティアドロップならではのサイコパシーな色気をどなた様かと共有できたらと切に願っておりまして。これだけはどうか独り善がりのこんこんちきになりませんように。

 

 

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