『made to Italy』
この11文字が視界に入るや否や、あぁ、この洋服は良い仕立てだ。と、認識してしまうイタリマジックを感じたことがあるのはおそらく私だけではないはず。
“made to Paris” や “made to USA” とも違う、品の良さや生地の良さのみならず、“仕立ての良さ”を感じることができるのは、“made to Italy”の文字本来のポテンシャルか。いいえ、決してそうではないはず。先入観ではないと証明できるのは、ファッションが活き続けてきたミラノという街の影響でも、マルタンマルジェラ氏がイタリメイドに拘りを持っていた事実でもなく、たった2つの手で家系を護ってきた職人により見事にカッティングされ、静かな作業台で丁寧に縫い合わされ、イタリの空気を優しく含ませ、そして世に送り出されてきた生産背景の実態と、我々洋服を愛する者達がその空気を嗅ぎ、肌で吸収し、着用し続けることによる実体験があってこそ。やはりイタリメイドは良い仕立てだ。決してマジックや文字本来のポテンシャルではない、それは、ひとつの真理に近い感覚では。
さて、2016年AWシーズンより此方のメーカーが新規加わったのは記憶に新しいところですが、2017年SSシーズンでは、「New Member」として此方のメーカーを新たに迎えたいと思います。
「BEST COMPANY」
その製作期間は1982年〜1992年の約10年間のみ。
オフィシャルのビジュアルもある種、アブナい香りもございまして、非常に恰好が宜しいのですが、
そのレジェンディングメーカーなる貴重な御品を、現在2点のみ、お披露目致しております。
本日ご紹介する2着の其れ等は、まさに当メーカーのマスターピース。
真っ赤なネームタグに記されているのはモミの木。
ボディにはアイコニックかつ大胆な刺繍。
約3cmのネックリブは重ね付けの風合いもレギュラーのよう。
スリーブはセットイン、ラグラン其に存在。
ネック横のステッチは、裏地に使用している綿糸と同じものを。
何のメッセージ性があるのかは未知ですが、アウトサイドでも着用してくれ、という解釈でまいりましょう。
このスウェットの裏はパープルだぜ、と、ネック横のステッチで伝えたいメーカーの粋心。
因に本品は、“パープル”と“ホワイト”
2017 S/S new member
80〜90s Best Company sweat shirts “super natural cotton”
80年後半〜90年代にかけてのカルチャーと、米大陸に憧れを抱いての各所ディテールがあってか、
米国を代表する某ビッグメーカーを彷彿とさせる佇まいですが、お察しが宜しいようで、勿論“made to USA”では御座いません。
やはりイタリメイドは良い仕立てだ。と、ひとつの真理を感じて頂ければ。
“スウェットにスラックス”という意図もご理解頂けるでしょう。
SURR by LAILA 小林
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