ウール 90% とポリエステル 10% による明るいブラウン、爽やかなベージュ、繊細なパールグレー、そしてブラックとオフホワイトのネップコントラストは、80年代初頭のイタリアンデザイナーによるダンディかつ挑戦的なハーモニー。技巧的なハイネックとドルマンスリーヴによる構築性と、 “ ただ大きいサイズを着ている ” のではなく “ オーバーサイズとして練られたオーバーサイズ ” による空間使いと、締めるべき部分は締めるコントラストが緻密な計算によって成り立ち着地したパターンメイク。
これらによるスタイルはとにかく秀逸で、飾らずに表すとしたら うめぇなぁ で、ニットでありながらニットの枠には収まらず、シンプルな着こなしでありながらそう成らない存在感を発揮してくれ、人と人との繋がりによってこの一着と出逢えた想い出、それはここでは、そして今はまだ明かせないストーリーですが、その想い出含めて私にとって特別であり、その想い出を差し引いてなおスペシャルなニットです。
とても想像させてくれます。
ドルマンスリーヴは男性的な目線において正統的と言い難いはずなのですが、この一着の成り立ちであれば自然と受け入れることができるかつ、広大なダンディズムすら感じさせてくれます。首回りを優しく包む込むハイネックによって、物理的にも感覚的にも “ 抜け感 ” を演出してくれるのですが、一かけらもだらしなさが無い。締めるべき環境では締め、その必要が無い環境ではリラックスする、自身の心の TPO のイニシアチヴをしっかりと掌握した大人 ( 年齢的な意味合いではなく ) にこそ、パズルのピースのようにぴったりと収まるのではないかという想いが、それに準じる様々な想像が止めどなく沸き立ちます。
ealry 80s Gianni Versace technical wool knit
私の杞憂かもしれませんが、そうであれば嬉しいのですが、上記を筆頭に同時代を台等するイタリアンデザイナーに対して、一つの共通するイメージを既にお持ちで、それは触手を伸ばさせないイメージである方がいらっしゃるようにお見受け致します。が、信念を胸に僭越ながら申し上げさせて頂くと、彼らのデザインに対しての考え方、クオリティに対しての向き合い方と実行力は、特に紳士服という分野において感服するほどに見事。
私自身の骨格に合うのが以前からイタリアンデザイナーに多いという事は差し引いてなお、大いなる刺激と楽しさを提供してくれる確かな存在であり世界。その文化的な発展や特性、美意識や哲学もこれからの SURR で編集していきたい要素の一つです。
SURR by LAILA 福留
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