“maker” / Diary301
26.8.2016

SDIM0237

以前も軽く触れましたが、今期から新たなアーティストのヴィンテージピースをお披露目させて頂いております。存在を意識して以降じっくりと時間をかけまして、 3 足のみという限られた数量からとなりますが、私としては “ ようやく ” な心持ちです。

老舗, ジョンロブで技術を学び1987年に自身の工房を構えた彼ほどの次元で、古き良き文化と職人技術に真摯に向き合い、生活に則したリアルピースでありながら芸術的であり、 “ 自身の個 ” を “ 人々の個 ” へとダイレクトに昇華させた人物はいないのではないかと思います。
ラベルに施された “ maker ” という刺繍とその言葉選びそのものに、自身が製作者を担っていること、職人という名の表現者であることへの自負と決意が秘められているように感じられ、私はなんとも愛おしくてたまりません。

 

 

 

 

 

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他の追随を許さないほどに世界観が完成されているアーティストですので、そのヴィンテージピースと現代のピースには明確な共通項がございますが、この度一つのくくりで編集させて頂く時代のお品は、その実 “ 製作環境 ” が全く異なります。デビュー直後はロンドンで工房を構えていた彼ですが、翌々年に国を変え約10年という限られた期間のみその環境で製作を行っていたのです。

全行程を完全なる手仕事で行う事をポリシーとしている彼であり、今なお大きな魅力の一つですが、ことこの時代のシューズはそれらの気配と形跡が尋常ならざるものがあります。極限まで際に打ち込まれるステッチの、時に乱雑ささえも絵になるそれと、マッケイ製法によって成り立つフェミニンと形容できるほどの軽やかさ。革も驚くほどに滑らかで、時に木工彫刻のような幻想的かつ上質なものを用いておりまして、それと完全手仕事の構築が相まるフィッティングは、まるで “ 肌そのもの ” のよう。

究極的に繊細な履き心地とそれに伴うスタイルは、これまでレザーシューズに抱いてきた概念を覆すほどでして、アンティークの足型を原点とした独自性の高いフォルムも相まって、これまでに御紹介してきた様々なレザーシューズとは異なる新たな存在価値をお楽しみ頂けると信じております。

 

 

 

 

 

SDIM0237

2016 A/W new member

late 80s – late 90s Paul Harnden, shoemakers

 

偶然であり何より幸運なことに私自身も、以前に画像2番目と同モデルのレースアップシューズを手に入れる機会がございまして、それはたっぷりと楽しませて頂いております。様々なメンテナンスを時間をかけて施しましたので色調など変わっておりまして、ソール交換なども行っておりますが、引き続き My ベストシューズの一つとして愛してゆく腹積もり、しかございませんで。

 

 

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