先日ご紹介したアントワープから本日は、ドリス・ヴァン・ノッテンを掘り下げてみようかと。
現在の活躍はもちろんの事、アントワープ・シックスなどで
深くご存じの方も大勢いらっしゃるであろう同ブランドは、
1986年、ドリスが28歳の時にスタートしました。
3代続くテーラーの家系に生まれましたが、特に彼の祖父は象徴的で
戦後に行ったヴィンテージに手を加えた服作りがアントワープにMENSプレタの概念をもたらす等
素養に大きな影響を与えたであろう事が想像できます。
そのため、彼にとって “物事の背景” は特に重要な意味合いを含むようで
デザインソースやインスピレーションソースは、尊敬の対象であれど模造の対象では無く
自分で飲み込み、新たに生み出すための要素。という理念を持っています。
現在もそれに則り活躍するドリスですが、時代に応じて変化するのは至極当然。
彼の90sクリエーションも、言わずもがな楽しくて仕方ありません。
この時代に貫かれた、肩の落ち感と長めのスリーブ。
本品はインスパイアソースに50年代頃のアメリカの気配がちらつきますが、
やはり彼にとって (良い意味で) ソースはソースでしか在らず、
定番の赤チェックにも独自の配合を、重要な生地にはとろけるコットンを。
それらとフォルム調和した結果は、今のモード。
クリエーションを「コンセプト」→「素材」→「フォルム」の順で構築するドリス。
彼が今から約20年前に思い描いたスタイルは、巡り巡って今にフィットしました。
だからでしょうか、パリでは8/31までアーカイヴ展
『 Dries Van Noten ,Inspirations 』が開催されています。
余談ですが以前、とあるお客様が行かれるご予定らしく
そこに着ていくために90sドリスをお選びくださいました。
それはもう、なんたる贅沢。
特別な時間をお過ごし頂けますように。
そして本品も、なんたる贅沢。
mid 90s Dries Van Noten , shirts coat.
袖を通せば なるほど。
それはもう、唸るほどに。
SURR by LAILA 福留
P.S.
私の一番のお気に入りポイントは
なんとも浅めなサイドベンツ。
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