


私はこの生業においていつからかパーツに注目しなくなった。もちろんどうでも良いわけではなく向き合って各所を認識する際に確認はするのですが、ジッパーがどうとかリベットがどうとか,いや特にジッパーですね、注目する人が一定数いたり中にはとてもこだわられる方がいたり時にとってもお好きそうに語る方がいたりして、そうすると私が楽しみたい角度のファッションではないなって着て格好良い楽しいモテたいのファッションではないなって思うようになってから過度にパーツに注目しなくなったしフォーカスを当てることもなくなりましたが、このパーツはジッパーは流石に猛烈に格好良い。




1940年代のバイカーレザージャケット。自分なりに精一杯ある程度の期間フレンチカルチャーと向き合ってきましたが、ここまで古いバイカージャケットとは出逢ったことがありません。もちろん服飾史的に考えても存在していて然るべきプロダクトなのですが、もうだいぶと前から60sですら物凄く珍しくなった状況において更に更に遡る40sプロダクトって本当に探せませんし変な言い方ですが探していません。厳密に言えば探せるのでしょうがそれに要する労力と入手できる成果を天秤にかけたらとてもじゃないけどビジネスができないし心が保たない、だから猛烈に求めていますが探していなくて本当の意味での出逢えたらとにかく幸運、ただそれだけ。そんな状況・心境になってもう何年も経ちますが都度ふと冷静に考えて独りごちます、60sプロダクトって言ったら大体60年前だぜ?人間だとしたら物凄くちゃんとした年齢だぜ?って。それでコンディションやらサイズ感やら現代目線で格好良いやらの条件を求めるって改めて考えてみるととんでもないこと言ってるなって、自分で自分を鼻で笑っちゃいます。



で40sプロダクトですから単純換算で80歳、よくぞまぁこんなにシャンとした骨格と肌で残っていてくれたものです。もちろんレザー特有の風合いは各所に生じていますが着用には支障ないし栄養を普通に与えただけで驚くほど上品に仕上がってくれましたので弊店感覚ではほど100点満点のGOODコンディション、嬉しいことに御洒落過ぎる千鳥格子のウールライニングだったり脇部分だったりもとってもとっても綺麗な状態なんです。でも何よりも大切なのはファッションとして格好良いか否か、80歳に対して何言ってるんだって話ですが。

New 40s French leather biker jacket
怪物でした、どうもありがとうございます。アメリカを正々堂々と模したアメリカンSTYLEながらややばかりコンパクトでさりげなくワイドな襟や違和感抱くくらい空間が広めでフラットな胸部や特にミニマムなポケットの意匠性や立体感の強いパターンメイクや広い肩部分によって自然と落ちるショルダーラインによってちゃんとバイカージャケットだけどどことなく柔らかなムードがどこまでも果てしなく徹底的に“フレンチ”。
こんなにも古くてモードカルチャーなどではない着飾るためのファッションではないバイク乗りのレザージャケットが近代に至るまでの様々なモードカルチャーとリンクする、これだからヴィンテージカルチャーは楽しいし嬉しいし、何より夢があります。
SURR 福留
△
