Maison Martin Margiela , DOLL collection / Diary166
31.7.2015
“ 人形の洋服を人間のサイズに拡大する ” 言葉からも想像が膨らむコレクションが行われたのは1995年の事でした。
一般的に人間のものと同じマシンやパーツを用いて作られる人形用の服は、その小ささゆえに通常の服作りでは行われない縫製上の個性やディティールを有しますが、それら全てを忠実に拡大するという極めて前衛的かつ独創的な着眼点で、数ある名作的な初期作品の中でもまず挙げられるほどマルジェラにおいて重要なコレクションとされています。
的確なコンセプトのオリジナル・アイディアはややもすれば奇抜で終わってしまいますが、それをモードに直列で繋げるバランス感覚と色褪せる事のない感性濃度がマルジェラの本質的な魅力の一つ。忠実に拡大されているがゆえに非現実的な各パーツのサイズ感、オーバーサイズに潜む特異に独創的なフィッティングパターンなど、極めて高度な個性が詰め込まれていながらも綺麗に統合されたスタイル。
マルタン・マルジェラが居た頃の Maison Martin Margiela に対しての評価は今なお高まり続けているようです。ある種カリスマ的な支持はやはり濃密な頃のコレクションピースを目にすると、紛れも無い実力によるものだと再認識できます。なにせ袖を通すと圧倒的ですので。
95s Maison Martin Margiela , DOLL collection blouson
機会ございましたら、見にいらしてみてください。これもまた、ファッションが純粋に楽しいと思わせてくれる稀有な一着です。
SURR by LAILA 福留
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