
となると相当なオーヴァーサイズに感じられるかと思いますし実物を見ても相当にオーヴァーサイズに感じられるのですが、その実サイズ表記46であるこのコートは誰でも着られそうな寸値であるにも関わらず例えば48や50の身体にはしっかりとしっくりこないという的確なサイジングが成立しているのです。肩幅76cmで身幅70cmですからもちろん着ることはできるのですが、ふとした挙動で背中が突っ張ったりINにさほど着込めずざっくりとした羽織りコートとして成立しなかったりと、一見すると戸惑ってしまうかもしれませんが背骨を認識すればしっかりと御理解御納得頂けるはず。天才ジャンニ・ヴァルサーチェのメンズクリエイション最初期である80年代初頭の一着ですから。




後々に世を席巻したヴェルサーチェ帝国が築かれるより以前の規模が小さくだからこそ濃密かつ徹底的なクオリティー管理によって良い意味で“いわゆる”なGianni Versaceではない印象の最初期Gianni Versaceのメンズクリエイション、天才の略歴の中でも弊店はこの最初期を特に特別に想い扱っています。
強いて称するとしたらPコートと言ったところでしょうか、このウール80%×モヘア20%の上品さと古典感に満ち溢れた獣毛プロダクトは。でも前立ても不可思議過ぎるアシンメトリーだしポケットの位置は造形的だしレザーのボタンホールパイピングは素敵過ぎだしレインヨークはもはやレインヨークではない、本当に“強いて”なだけで完全な別もの,別言語もの,別次元もの。これだから私は想い続けるのです、鳴々ジャン兄が長生きしてくれていたらファッションデザイナーの勢力図はきっと変わっていたのだろうな と、もしかしたら今よりももっと素敵な世界になっていたかもな と。まぁそんなこと言っても仕方ありませんね。
なのでプロダクトで心を満たしましょうぞ。最初期Gianni Versaceのメンズクリエイションでしか得られない栄養素は確かに存在しますから。このコートにおいて語られるオーヴァーサイズは近代のただ大きいだけのオーヴァーサイズとは根本的に異なります。紳士服の歴史にあった重ね着をするため内側に空間を大きく配置するというレイヤードを目的とし哲学と美意識が詰まったオーヴァーサイズの概念に異国の天才,三宅 一生大先生から学んだKIMONOの世界観を注入した服飾史と文化が混ざり合った純然たるモードのオーヴァーサイズなのです。


New early80s Gianni Versace wool & mohair oversized design coat
以上を踏まえたうえで唯一無二のオーヴァーサイズコートとして御提案致します。MYサイズじゃなくて本当に良かったー。
SURR 福留
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