
“当時Hermes femmeに在籍していたマルタン・マルジェラがシューズデザイナーのピエール・アルディに依頼しイタリア屈指の革靴ファクトリーSantoniとの協業によって1998年に産まれた”、なんとまぁ蠱惑的な秘話を有するのがHermesにおける一番最初のスニーカープロダクトの特徴です。そう、Hermesのプレタポルテクリエイションにおいて“一番最初のスニーカー”、これ以前にスニーカーはなくこれ以降にスニーカーは当たり前、きっと昨今においては重要な存在の一つになっていることでしょう(パリ本店でもシューズエリアは人が多い気がします)、スニーカー好き多いですものね。




シューレースモデルがブラックとコルクとブラウン、ローファーモデルがブラックを御用意、サイズも全て異なります。ちなみに表がレザーなのはもちろんのこと裏地もレザーなのですが、この場合ってスニーカーって言うより硬質ガムソールの革靴って捉えるべきなのではと度々思うのですがどうなんですか?スニーカー全くもって詳しくないので知りません。数年前に思い立ってスニーカーを学ぼうと思い色々と試行錯誤してN○KEのアプリもダウンロードして眺めたりしたのですが、自分なりに向き合ってみて去年くらいに思いました“自分は革靴の方が好きだな”って。と言うことでアプリも消しました。スニーカーの定義ってなんだろうか。

New late90-early00s Hermes by Pierre Hardy leather sneaker
スニーカーの定義は分かりませんがこれは好き。なんとも言えないボリューム,それに伴うスタイル性(独特ないなたさが本当に現代的なんだ),細部に漂うマニファクチュアールの上質さ,それに伴う自然体なオーラ,Hのロゴはあるけれど良い意味で“っぽく”ない。やっぱりプロダクトデザインとして特段に優れているよなぁ。
疾風怒濤に余談ですが少し前に発表された“アレ?この人デザイナーじゃなくて音楽家じゃないっけ”で御馴染みの某ファッションブランドのスニーカーは見た瞬間にHermesのこれらを思い浮かべました。それを手掛けた人物のみならず、この“Hermes一番最初のスニーカー”に影響を受けたデザイナーやクリエイターは数えきれないほど存在することは疑う余地がありませんし、きっと昨今のスニーカーウェーヴにおいても目を凝らせばDNAを感じるプロダクトが数多くあることでしょうし、結局のところそれは2000年代スタイルのアイコニックな足元の世界観ですから前述の通りスタイル性がなんとまぁ現代的ですし。と、今の空気やトレンド感で捉えても良し単純にプロダクトとしての秀逸さで捉えても良し(私はやはり後者ですが)で結局のところどう捉えても成立するので必然的に残る とここにもまた名作の要因と因果を感じる次第であります。引き続きモードカルチャーは脈々と受け継がれ続けますね。
SURR 福留
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