気になる二本 / Diary1105
10.2.2023

一本目。
 
ラルフ・ローレンにてデザイナーとしての活動を始めた後、メゾンヒストリーへの敬意として2000年にパリで発表されたデビューコレクションが“パンツのみ”であった生粋のパンツ好き,マイケル・タピア氏。彼が一時期のみフランスのパンツ専門メーカーBernard Zinsにてディレクションを手掛けていたという心躍りまくるクリエイションの特徴は“ノータック&テーパード”という見事に研ぎ澄まされたミニマムな構築で、タピア氏がかねてから好みと公言する名優スティーブ・マックイーンや天才マイルス・デイビスのスタイルをより強く連想させる世界観でした。


ちょっと格好良過ぎ良過ぎ。こんなん格好良過ぎて警察に捕まっちゃうよダメダメ。

 


クラッシック感際立つネップはウールに5%のカシミアをブレンドしたもの。タピア氏が関わる以前もミニマムなテーパードトラウザーは在りましたが、ノータックによるここまで研ぎ澄ましたモデルは見かけませんでした。様々なトラウザースタイルで楽しませてくれるBernard Zinsですが、現代の代表的なスタイルであるテーパードトラウザーの産みの親はやはりタピア氏ではないでしょうか。確かにコンパクトな設計ではあるものの稼働域はしっかりと確保されており、すっきりとしていながら不思議なほど心地良い着用感という理想的かつ究極的なバランスに。パンツ専門メーカーだからこそ培えたBernard Zinsの技術力及び構築力とパンツ好きなタピア氏のスタイル提案及び設計力が融合したからこそでしょうか。こういう“豊かな意義が在る共作”って本当に良いですよね。

 

 

 

mid00s Bernard Zins wool&cashmere trousers by Michael Tapia.

サイズ表記は40で実寸値は31.5インチ×29インチ。こちらはナチュラルウエストが御薦めです。

 

 

 

 

 

二本目。
 

アウトサイドシームが在る、

 

シームが在る、

 

シームが在る、

 

シームが無い?

 

あ!シームが無い!!!

 

こんなん見たことねぇよ、、、いやー本当に吃驚。byジャン兄(にい)でございます。またもヤラレました。
とはいえ発想論点がヤバい、ヤバ過ぎます。ポケット横だけシームレスにしようなんて、一体全体どうやって思いつくのやら。しかしながら履くと独特な曲線美と構築個性が確かに生まれて、見た人がその瞬間は気付かないけども寝る直前までなんか変だったなとそこはかとなくモヤモヤするような違和感を抱かせてくれる超絶変態技巧。しかもポイントシームレスにするために後ろの生地の方が多く取られているため、両サイドから前に向かって巻き込まれているような立体裁断になっており(これで伝わるだろうか、、、背面の方が生地面積が広く、その分サイドシームが真横ではなく内側に寄っている設計です。それこそポケットの始点が4つめのタックのような位置に寄せられています)、着用の姿そのものがなんか変。とろりとしたヴァージンウールのテクスチャーやトリプルタックの迫力、ジャンニ・トラウザーらしいMENSエレガンスに目が向きがちかもしれませんがその内側に捻じれた設計、変です。最高。

 

 

 

 

 


80s Gianni Versace pure virgin wool point seamless trousers.

マジでどうやって思いついたんだろうポケットだけシームレスにしようなんて、、、。今年もジャン兄に振り回される一年になりそうだぜ。ワクワクしてきたな。とりあえず引き続きリスペクトジャン兄ということで髭は伸ばしてみよう。でもあんなにみっちり生えないんだよな。
こちらはサイズ表記48で実寸値32インチ×27.5インチ。もちろんぎゅんぎゅんにハイウエストでお願い致します。

 

 

SURR 福留

03-5468-5966
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> 以上、気になる二本でした <
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