さて今週の新作です / Diary1035
18.2.2022


弊店にとって以前から鬼門のスーツ/セットアップ。調べてみたら前回の御提案は去年の九月末でした(あれもサイッコウに格好良かった)。ヴィンテージという世界は1stオーナー、2ndオーナーと推移するうえでの移動がつきもののためなかなか“揃って”出逢えない存在というかねてからの残酷な経験則である中で出逢えた一着は幸運にもミウッチャ女史のUomo最初期クリエイションピース。表記46、シンデレラボディの貴方様へ。

 

 

 



“トム・フォード氏が手掛けた時代”というGucci史の1ピリオドにおける、ランウェイでもコレクションでもなくSHOWと呼ぶに相応しいフィナーレより。屈強なレザー、屈強なディティール、屈強なスタイル性を異常値なエレガンス概念にて。デザインの世界,モードの世界,ファッションデザイナーという肩書きが産んだ世界へようこそ。

 

 

 



1956年のパラトルーパージャケット。これも嬉しい出逢いでした。かねてより直感的に特別視していましたし、かねてより滅多に出逢えませんでしたし、特殊で特徴的なコンセプトデザインが格好良過ぎる存在。“1956年のデッドストックかぁ。すげぇモダンだなぁ。でもまぁ56年だもんな”と、ふと50sでそこそこ古いくらいみたいに考えている自分がそこには居て、いやいや待てよ今年で65年経過だぞ と。そこそこ古いくらいって感覚狂っちゃってるって と。このように度々自分に語り掛けるのです。なんせゆったりした店だもんで。もしかしたら無意識に一人で喋っているかもしれませんねぇ。

 

 

 




ニットメーカーとして最古とされるスコットランドの老舗。こちらはナインティーズプロダクトですので、培ってきたクラシック概念と当時におけるモダニズムが調和したバランスで、それを約30年経った今捉えると何とも絶妙なバランスで格好良く着易いという、老舗×モダニズム×今が美しく繋がる方程式。特にミニマムフィットで設計された肉厚なショールカラージャケットが最高。どっしりとした佇まいですが滅茶苦茶軽やかな着用感。それもそのはずピュアカシミア。なんといってもグリーンカラーがたまらない。色は本当に楽しい、いつまでも大好きな要素です。

 

 

 



例えば明るいイエローを初めて見るのがこのハーフコートだとしたら、きっとその人はイエローカラーが好きになるし着たくなるし、派生して明るい色そのものが好きになるのではないかと思いますし、その逆もしかりでしょう。色を楽しみ愛する私個人としては大変に由々しきことです。私はこの生業のおかげで色を見るのも着るのも大大大好き。それは弊店及び弊社がどうこうではなく、ヴィンテージという世界そのものが,特にモード史がそもそもにおいて色に満ち溢れに溢れて永遠に楽しく美しいということ。そういえば色の話題は度々お客様方との会話でも挙がります。脱線しましたが、このコートは流石申し分なく素晴らしい。カジュアルでありデイリーであり、自然体にダンディでありファッショナブルでもある。服飾における良い要素が結集したヴェロニク・ニシャニアン女史によるライフスタイル・ファッションピース。

 

 

以上、今週の新作でございました。気付いたら前回の新作ご報告から一週間、私はいったい何をしていたのか。何かの皺寄せでしょうか。よし、次回は色に関して書こう。

 

 

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