まだ経験していない存在 / Diary1009
29.9.2021

皆様には意図的にせよ結果的にせよ “ まだ経験していない存在 ” はございますでしょうか。年をとったら盆栽 や いつかはバーキン ではありませんが、興味がかなり有るor少し有るものorなんか気になるもののまだ経験していない存在、いわゆる“とっといてある”存在。私にとってパッ思いつく現時点のそれはTシャツ1枚での外着とスニーカーでして、未だにとっといてある長期宿題なのですが、何年か前にサンダルを克服したり今年ショートパンツデビュー無事に果たしたりと、地味に順調に経験していない存在が経験した存在に成っていっているのですが、もう本当に楽しくてですね、そんな一つが,一要素があるだけでファッションを自覚的に楽しみ始めたあの頃のような高揚感が得られるのですから、もう最高ですよ。
今後肩線が上腕二頭筋ほどまで落ちるオーヴァーサイズパーカを着るようなスタイル変化は、おそらく圧倒的説得力の外的要因が現れない限り,例えばギャルと付き合わない限りあり得ないであろうと思っているので、まぁもし自発的な自然の成り行きでそういう志向に成ったらそれはそれで人生として楽しそうな気がしますが、絶対はないにせよ限りなくゼロに近いのでこれから経験していない存在が経験した存在に成る瞬間を何度味わえるかは分かりませんが、例えばTシャツ1枚スタイルにせよスニーカーにせよ心からエンジョイしたい所存です。
 
そもそもにおいて以前まではサンダルも興味がありませんでしたしハーフパンツなんて自分には考えられなかったのですが、時間を経たり様々な物事に触れることで変化しますので、やはり面白い。パリで知人とビジネスミーティングを行う際にその人がギリシャ在住とあってか極めて爽やかな出で立ちでして、その時のサンダル姿のスタイルムードがあまりにも気持ち良く感じられ帰国してすぐに同じものを購入したように、気持ち悪いほどに頑固であると同時に不気味なほど影響される時は一瞬で影響されてしまう私が、昨年から今年にかけて経験することが出来たとある存在がスウェットパンツ,トレーニングパンツの類でした。

 

興味を抱くきっかけは買付の旅で出逢ったとあるメゾンの白いスウェットスーツでして、そういえばと思い出して過去撮影のライブラリーを掘り返してみたのですが、映っているのはこの究極に判別不可な一枚しかありませんでした。赤い矢印がそのメゾン白スウェットスーツです。

しっかりと御提案するための写真も撮れず、店頭にてじっくりと御覧くださった初めての方=お買い上げくださった方だった点も含めて強く記憶しているのですが、さぁていざ興味を抱いて探してみると無いったら無い、良い感じのスウェットパンツないしトレーニングパンツ。なんか当時に検索などしてみた時にジョガーパンツという品名が付いておりいつの間にやら気取った名前貰ってやがんなぁと独り言ちた気がします。
 
スウェットパンツにせよトレーニングパンツにせよジョガーパンツにせよある程度のふり幅が現存しますが、腰回りの構築やレッグラインによって印象が大きく変わるんですね、そもそもにおいてそれらは興味が無いというより嫌煙していた類なこともあって例えば変に細身であったり股上が浅かったりとするだけで私は好み的にダメで、これまでにほとんど気にしたことがなかったためにとても難しく感じた次第です。今となっては幸い出逢えて主に内勤時と休日に全力で楽しんでいるのですが、とはいえ経験値的には1年生なのでまだまだ解からないことが多く、なんとなくこれ以上自分自身で経験値を上げる機会がないように感じてもいるのですが、先のメゾン白スウェットスーツしかり少し前に御提案させて頂きましたこちらしかり、惹かれる点は共通してスウェットパンツとしてトレーニングパンツとしてジョガーパンツとしてクラシックな構築であり、何より“ガチ”であるという点。そう、ガチな個体だったのです。

 

 

ガチを極めるとスポーツメーカーの純正となりますが、やはり弊店的には個人的にはデザイナーズ的な息吹が注がれた自然な品と色気をムードを求めてしまいます。ガチでありクラシックでありデザイナーのスタイルとしての配慮と品質に対するこだわりを注がれたムーディーなそれらは本当に出逢えず、更に更に欲を言えばきっかけを与えてくれた一着であるスウェットスーツとなるのですが、いわゆるテーラードジャケットとトラウザーのスーツですら経験則としては揃って出逢える機会が極端に少なかったものですから、各国のコレクターに相談を持ち掛けるまでもなく探すまでもなく構えておりましたので、この度の新作との出逢いは嬉しかったですね。

 

 

 

 

 



ヴィンテージ特有の奥行き、デザイナーズ感性だからこその構築及び色調にイタリークリエイションだからこその自然な品の良さ、そしてスウェットプロダクトだからこその極端で特異なスタイル性。もう最高にムーディー。
ちなみに性別も年齢もないクリエイション区分で数字が大きくなるほど大きいサイズとなる設定の 6 表記ですので、XLもしくはXXLサイズと想定されます。このオーヴァーサイズ感及びボリュームをどのように捉えられるかは人ぞれぞれですし、経験値の極端に少ないスウェット新一年生の私なんかはこの身体ならこんな感じといった想像すら叶いませんが、それでもまず言えるのはBIGサイズの設計によってガチ(今回においてはガチのルームプロダクトです)でありながら絶妙なモダンプロダクト感を獲得しているということ。ちなみにポケットは胸元に一つのみ。御覚悟を!

 

 

 

 

 

New arrival, 80s Valentino Garavani sweat suits.

そういえば先日の内勤時にスウェットパンツを穿いていたので鈴木くんとのふとした思い出話で先のメゾン白スウェットスーツを挙げたのですが、彼が“実は当時こんなの誰が買うんだろうって思っていました(のですぐに旅立って驚きました)”と言いやがったので、てめぇこのやろうとなりました。
 

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