2018 年間題目であった “ イタリアの風 ” 。厳密にはその以前から主にデザイナーズヴィンテージの区分におきまして精錬し御提案を続けさせて頂きましたが、先日の旅にて私にとってまた新しくかつ念願であった表現区分の出逢いが叶いまして喜ばしく想うと同時に、2018 年以前にはさほど強く想っていなかった方向性が 2019AW 期の今にそれらとようやく巡り合って向き合って触れ合った際に、今までにないほど強く想うようになりました。
Military を Military らしく、Work を Work らしく。Antique を Antique らしく、モードをモードらしく。いずれにおいても私は自分が装う・装わないに関わらず、そのような “ らしさ ” を避けて, もっと言ってしまえば倦厭してこの生業と向き合うように成ってどれほど経つか, いつからかが解らないほどに そういえば気が付いたら のことですが、その想いが弱まることはございませんで、それは例えばどこかのブティックにふらりと立ち寄った際に最新のコレクションで全身を包んだ誰それが居られた時、例えその全身が税の限りを尽くしていたとて驚くほどに惹かれなかった記憶と、弊店を御愛顧くださる皆様方が全て異なる方向性に向いて居られ、かつ様々な世界や分野から自由気ままに抜粋されて組み合わされている姿を眼にし続けている記憶が最たる要因なのだと想いますが、きっとそれぞれの分野をぞれぞれ “ らしく ” 組み合わせて着こなすことは形に成るでしょうしきっと絵にも成るのでしょうが、簡単に申しあげますとそれら通説は弊店が御提案させて頂く必要はなく、であれば想像すらしなかった組み合わせや着こなしを御提案したいと, 御提案する挑戦がしたいと想い続けている次第でして、しかしながらそれらもまた時に結局のところいつかは通説的に成ってしまうのでしょうが、それに気付けた時や想い付けた時や見つけた時の高揚感は確実に、その時間のその瞬間にしか在りません。何を言いたいかと申しますと、皆様方には引き続き是非に、それぞれ異なる方向性を向いて自由気ままに御愉しみ頂き、時に弊店が何かと御縁結ぶお手伝いをさせて頂けましたら幸いです ということでございます。
この度御披露目となります新作群は全てイタリアの仕立て、サルトリア職人による品々。きっと通説に則られ続けて今に至る存在かと想いますが、弊店では同じ看板でありながら時代を遡ることで変化する諸々, 例えばハウスの規模が小さくなるからこその美しさの要素であったり時代の独自性と結果的な不変性の緩急であったり, 素材の精製職人と仕立て職人による純真無垢な姿勢とそれに伴う仕上がりであったりとした現在の品々との差異、場合によっては違和感を弊店なりに精一杯の誠意を込めて、通説に則ることなく御提案させて頂けたらと存じます。
これらにおける通説は言うなれば着こなしなのですが、それは結局のところ不変的ですので良し悪しという概念でもございませんし、一個人としてはとても好きな世界観です。ただ単純に手前どもが御提案するまでもなく、生活を共にしたら時や場合や気分に応じて必ず成されるものであり、好き好みで様々な微調整あれど格好良くないはずがないということでして、なによりもきっと通説に則られ続けて今に至る存在だからこそ想像の枠組みというものが出来てしまっているのではないか、向き合う前に選択肢に入らないのではないか と想うがゆえ、この表現区分に関しましては特に通説に則らない, “ らしく ” 向き合わないという御提案をさせて頂きたく想います。
New arrival, Vintage sartorial collection.
カシミア100%, カシミア100%, ニュージーランド・メリノウール, カシミア100%, カシミア70%とウール30% 。スーツ的であったりビジネス的であったりトラディショナル的な解釈は絶対に大丈夫ですので、是非ともピンクのスウェットであったり着古した肌着であったりジャージであったり、“ それ、ごわつかない? ” 的な郷愁溢れるニットと共に今を闊歩して頂きたく想います。
全て視界を無くし “ 着心地 ” のみでの判断を入口に選択致しました。引き続き弊店にとって欠かせない要素であり、御興味頂ける御方とそうでない御方に別れるテーラードジャケットですが、私にとってこの着心地はこれまでのそれらと良い意味で異なります。これこそまさに Maker vintage 。
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
[email protected]
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